室井和男氏の古代数学史の著作の数々

こなみひでお氏(@konamih)による紹介。
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こなみひでお @konamih

元京都女子大学教員。昔の専門は物理化学です。確率の本など執筆。サイエンス・カフェで確率,ニセ科学,ものの形の数学などを語り,統計のセミナーをこなし,下手くそなチェロとピアノを弾きます。

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こなみひでお @konamih

多賀城市の数学史家,室井和男さんから,今年は「シュメール人の数学」(共立出版)を出しますと年賀状に。室井さんは予備校講師時代にノイゲバウアー「古代の精密科学」の翻訳ミスを訳者の矢野道夫に知らせ,そこから親交が始まって古代数学では世界の第一人者に育った稀有な人。

2017-01-04 12:29:14
こなみひでお @konamih

室井さんが出した最初の書物は「バビロニアの数学」多数の英語の論文はあったが,矢野ら研究者の勧めで東大出版会から上梓。矢野氏が特別に寄せた長いあとがきに,室井さんへの賛辞と後継者を得た碩学のよろこびが溢れていた。最初の書物がアカデミーの歴史に残る記念碑になったことは大変な快挙。

2017-01-04 12:40:07
こなみひでお @konamih

室井和男さんは古代語(石版や粘土板の楔形文字だ!)をすべて自分で訳して研究するという徹底した原典主義をとっていて出版のペースは遅いが,その果実は世界にただひとつの貴重な財産。前は予備校講師で食べていたが,数年前に辞めて研究と著作に没頭している。ぜひ彼の本を買ってあげてください。

2017-01-04 12:46:08
こなみひでお @konamih

これは古代人の生活と世間のようすがわかる面白い本。著者が挿絵も描き,古い諺に著者の人生の折ふしのほろ苦いエピソードが織り交ぜられた小粋な小品集の風情。 「永久(とわ)に生きるとは―シュメール語のことわざを通して見る人間社会 」amazon.co.jp/dp/4875252714/

2017-01-04 12:53:58
こなみひでお @konamih

室井和男さんが最初に世に出した「バビロニアの数学」の表紙と,矢野道夫氏による長大な「学問の継承と発展」と題するあとがきの一部。室井さんと矢野道夫教授の親交の始まりとその後が書かれた感動的な文章で,学問をやる人の至福が伝わってくる。 pic.twitter.com/fi7Bm7MUdI

2017-01-04 13:05:20
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こなみひでお @konamih

こちらはシュメール人のことわざを紹介した本。数学の研究書のスタイルを外れて,版を小さくして小粋な装丁になっている。古代人のことわざに身につまされて,両親のこと同僚のことなど問わず語りに出てくる現代の室井さんのぼやきが面白い。もちろん元の諺は他にない無二のネタだけというお宝! pic.twitter.com/yzkKss4MXQ

2017-01-04 13:14:42
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