秘密結社ゼディススピンオフ的なもの「オタマＶＳウェザレフ」その３

たゆさい @tayusai

（あらすじ）ウェザレフにリベンジを果たす為、秘密結社ゼディスへ殴りこんだオタマ。この要求をセリンは承諾。そして遂に、ゼディスの秘密兵器、ウェザレフとオタマの戦いが始まる！

たゆさい @tayusai

グゴゴゴ…地面が音を立てて悲鳴を上げている。オタマとウェザレフ、二人の怪物が本気を出し、その力を惜しむ事無く発揮するこの状況に大地さえも耐えられないでいるのだ。このタムリエル大陸において最強クラスの実力を誇る魔術師の戦いである。これは必然と言えるだろう

たゆさい @tayusai

オタマ、ウェザレフ、両者は未だ動かない。お互いにマジカの動きを見極めているのだ。放つマジカ自体はオタマの方が圧倒的に上だが、ウェザレフの結界はこのマジカの影響を完全に防いでいる。恐るべき防御力。これを突破できるものはそう多くはあるまい

たゆさい @tayusai

「む～っ」最初に動いたのはウェザレフだ。無数の手が何かを覆う様に動き、その掌一つ一つが大地から吸収したマジカで作った電撃を走らせる。電撃は中心部で一つとなり、巨大な雷球と化す。「まずは”５０連”から始めようか～。耐えれるかなぁ？」

たゆさい @tayusai

オタマは未だ動かない。火の如きマジカを放ちつつ、獣の如き異様な構えを取った体勢をしたまま静止している。 「……はっ！」 ウェザレフがオタマを指差すと同時に、５０連の唱えによる雷弾は発射！雷撃がオタマに飛ぶ！

たゆさい @tayusai

「ら”ぁ”あ！」だが何と言うことか！ オタマ、ウェザレフがオタマを攻撃するより僅かに速く動いていた！　オタマ高密度シールドを瞬時に展開！雷撃はオタマの目前でシールドに阻まれ爆発！雷と爆煙が飛び散る！そしてその中からオタマ高圧縮マジカ弾を発射！ウェザレフ目掛け襲い掛かる！

たゆさい @tayusai

オタマの放つマジカ弾はウェザレフの結界によりあっさり防がれた！「う～ん残念。私の雷が防がれたのは驚いたけどその程度の魔法で私の結界を破ることは…あれ？」煙の中にオタマの姿は既に無い。ウェザレフは驚く、一体どこに！？「でやぁッ！」直後ウェザレフの側面から魔法弾が発射される！

たゆさい @tayusai

オタマは煙の中から瞬時に移動し、ウェザレフの側面を狙い魔法弾を発射したのだ！だがこれもウェザレフの結界を破ることはできない！「小癪ね！」ウェザレフ再び雷球をチャージし、狙いを定めようとする。しかし定められない！オタマ常軌を逸したスピードでウェザレフの周囲を走り回っているのだ！

たゆさい @tayusai

「ハァッラァッタァッリャァッ！」オタマ猛スピードで移動しウェザレフの狙いを撹乱しながらマジカ弾を発射する！その攻撃はどれも結界を破る事はできないものの、ただでさえ凄まじく重い威力の魔法がこうも連発されては如何にウェザレフの結界でも何時かは限界が来るであろう！

たゆさい @tayusai

「むぅう！」ウェザレフから余裕の表情が消える。やはりマジカの怪物を侮ることは出来ぬか！だが、彼女にはまだ奥の手があった！「あああ…」ウェザレフは虚界の手全てにマジカをチャージ。結界内が電撃で満ち溢れる！

たゆさい @tayusai

「あれは、皆離れろ！」セリンは叫ぶと同時に後ろの森へ跳び離れる。「え？」突然の指示に思わず反応が遅れたフィアをテティスが突き飛ばす！そしてフィアも後ろの森に逃げる！直後、ウェザレフの結界内の電撃が解放！猛烈な雷爆発がウェザレフを中心に発生する！

たゆさい @tayusai

ガガガアアッ！途轍もない威力の爆発だ！ウェザレフを中心とした広範囲の大地は蒸発し消滅！結界内の虚界の手全てに電撃を纏わせ、解放するウェザレフの超奥義。『雷皇ーゼウスー』だ！オタマはどうなったか！？

たゆさい @tayusai

「はあッ！」ウェザレフの爆発の範囲外にある森からオタマが飛び出した！ウェザレフの周囲に電撃が走ったのを確認してからオタマは瞬時に爆発が起こる事を確信。そして彼女の周囲にあるマジカ量からその爆発範囲を推定し、その外へ逃げたのである！

たゆさい @tayusai

「へぁッでやぁッ！」オタマは両手にマジカ球を発生させ、それをウェザレフに向かい発射する！二つのマジカ球は先ほどのオタマの攻撃で微かに薄くなった結界の損傷部位へ正確に命中。少しずつ結界を剥がしていく！

たゆさい @tayusai

「んんん調子に乗るんじゃ無いわ！」ウェザレフの怒りが増す。それに呼応しウェザレフの結界のプリズムがますます激しく明滅する！「はあああッ！」ウェザレフは両手を広げる！同時に複数の雷球が発生する！目の前の魔獣を倒すべく虚界の神はいよいよ力を増していく！

たゆさい @tayusai

「行っけーッ！」再び高速移動を開始するオタマに対しウェザレフ再び雷弾発射！しかし今度は先ほどとは違う！チェインライトニングの原理を流用、強化した特殊タイプだ！着弾した地点から更に稲妻が地を這うようにオタマを追尾し迫る！

たゆさい @tayusai

「ぬぅ！」これには流石のオタマもシールドで凌ぐしかない！一瞬足を止めシールドを展開！　複数の迫り来る稲妻を防ぐ！だがこの一瞬の隙がウェザレフの好機だ！「食らえ！」ウェザレフはもう一つ作り上げた雷でオタマを狙う！発射！タマはマジカ強化神経を全開！ブリッジ姿勢で雷を回避！

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だがこの雷もまたウェザレフ特製のチェインライトニング！回避し着弾した場所からオタマを追尾する！オタマ、マジカ強化肉体をフル活用しこれをまた回避！だがウェザレフは次々と雷を放っていく！オタマに迫る無数の追尾雷！

たゆさい @tayusai

猛烈な爆発が発生した！無数の追尾雷が一斉にオタマの身体に取り憑き、それらが反応を起こし爆発したのだ！巨大な粉塵がオタマを覆う！「さあ、これで終わったんじゃないの！？」ウェザレフが笑う。だが直後、粉塵は一瞬にして巨大なマジカ爆発により消し去った！何が起きたか！？

たゆさい @tayusai

「があ”あ”ぁッ…」そこにいたのは燃えるが如くマジカを放つ傷だらけのオタマだ。オタマの瞳の奥には今や激しいマジカの渦が発生している。それはまるで遥か遠い世界から力を呼び込むかの様だ

たゆさい @tayusai

「まだだ…まだだ…まだだ」オタマはまるで何かに呼びかける様に己のマジカを引き出す。オタマのマジカは師匠イアスヤットと同様、マグナスのマジカである。それがエセリウスより遥か遠くの世界の神から授けられた力である事をオタマは知らぬ。だがオタマはそれを少しでも引き出そうともがく

たゆさい @tayusai

（……そう、そう、その調子よオタマ。このあたし、”おたま”がもっと教えてあげるわ。あなたの力を）何か別の”おたま”がオタマの脳裏に響く。オタマはその誘惑をねじ伏せようとする。（黙れ！ここはお前の世界じゃ無いんだよ！これはあたしの力だ！）オタマの眼から血が流れ出す！

たゆさい @tayusai

「何よ貴女、一体何なのよ？」ウェザレフがそのおぞましきマジカを見て怯む。だがウェザレフも負けて入られぬ。遥か脳の奥底から来る複雑な思念を打ち消し、ウェザレフは更に虚界の範囲を広げる。彼女の力もまたオタマの影響を受けたか、更に強くなっているのだ

たゆさい @tayusai

ウェザレフの結果はもはや眩く輝く虹色の球体だ。その中では数え切れぬ無数の手がのたうち、絡み合い、蠢いている。「その魔法、食ってやるわ」ウェザレフはそう呟き、自身の背後にマジカをチャージする。かつてオタマが逃走した時と同様のマジカチャージ。『イカロス』だ！

たゆさい @tayusai

直後、ウェザレフの背後で爆発が発生した！脅威的速度でウェザレフは突進、オタマに迫る！ウェザレフの虚界の中では全てのマジカがウェザレフの物となる！例えオタマのマジカであろうと虚界の中ではウェザレフが上回る！ならばこの突進でオタマを虚界に取り込み、そのマジカを食らってやる！