「Xがススリン線のときX^2はc.c.c.でない」という命題と選択公理
キューネン第II章補題4.3(新KunenだとLemma III.2.18.)にXがススリン線だとX^2はc.c.c.ではない、という命題が載っていますが、これの証明を読むと選択公理を使っていることが分かります。この選択公理は回避不可能です。
2017-01-02 21:38:47選択公理が回避不可能であることの証明: ZFのモデルで「ススリン線XがRの部分集合として存在するようなもの」が取ることができる。このときX^2⊂R^2はc.c.c.である。
2017-01-02 21:40:23そのようなススリン線の取り方: 「ある稠密部分集合 X⊂R が存在して、Xは可算無限部分集合を含まない」を満たすようなZFのモデルと取ることができる。このXはススリン線である。
2017-01-02 21:44:36キューネンを読んだことがない人向けの説明: 位相空間Xがc.c.c.(可算鎖条件)を持つとは、任意の「Xの互いに素な開集合の族」U の濃度が可算であることを言います。このとき「c.c.c.な空間X, Yの直積X×Yはc.c.c.である」はZFCから証明も反証もできません。
2017-01-02 21:53:24ところがススリン線はc.c.c.なので、先ほどの命題「Xがススリン線ならばX^2はc.c.c.ではない」が(ZFCで)正しいので、SH(ススリン線が存在する)を仮定すると「c.c.c.の直積はc.c.c.」は正しくないことが分かる。つまり(ZFC+SHで先の命題は成り立たない)
2017-01-02 21:56:14@usb_usb とりあえずこの補題の証明自体は、見た感じだと可算選択公理や従属選択公理だとダメそうですね……証明不可能の証明に使っているモデルも可算選択公理があると取れないですし、どうなるんでしょう。
2017-01-02 22:02:30twitter.com/usb_usb/status… twitter.com/alg_d/status/8… twitter.com/alg_d/status/8… 「プロの集合論者に一目置かれる」→「プロの集合論者に素人質問される」(new!)
2017-01-02 23:12:43