- Uroak_Miku
- 663
- 1
- 0
- 0
3)「~たり」の用法は主に三つ。 ・犬 主に飛びつきたり(完了) ・川 流れたり(存続) ・雲 細くたなびきたり(存在)
2017-01-08 06:12:574)「~たり」が近世になって「~た」になった。いや正しくは ・~た(完了) ・~ている(存続) ・~てある(存在) の三つに分岐した。
2017-01-08 06:22:105)ここから先は想像ですが、「~ておく」「~てみる」「~てしまう」などは、「~ている」「~てある」とはもともと別系統だったと考えます。
2017-01-08 06:23:446)これらの「て」文は「補助動詞」と呼ばれています。中学校の国語で習いませんでしたか。私は中一と中三のときに教わった覚えがあります。最後まで嫌々習いましたが。
2017-01-08 06:26:287)「て」文は、外国人に日本語を教えるときの一大山場です。「私のワイン飲んでしまったの?」と日本人教師が教え子を問い詰めても「はい飲んでしまいました」とけろりと言い返される。その生徒は「~てしまった」を英語の完了形で理解していたため、裏にある非難のニュアンスがわからなかった。
2017-01-08 06:29:288)「~てしまった」の原形といえる「~てしまう」に元々そういうニュアンスがあります。「行ってしまうの?」「うん、こわーいおじさんがいっぱい来たからね」
2017-01-08 06:32:439) ・謎を解いてしまう。(完成) ・行ってしまうの?(抑えきれない感情) ・つい口走ってしまう。(無意識の行動)
2017-01-08 06:38:4010)この三つの用法のうち「行ってしまうの?」は、「あなた」が何か抑えきれない感情を吐露しているわけではなくて、このつぶやく話者の側が、何か抑えきれない感情を吐露しています。ここ、大切なので赤ペンで線を引いておいてください。
2017-01-08 06:42:0611)「あなた私のワインを飲んでしまったの?」は、この用法の応用編。後で味わうつもりで冷蔵庫に取っておいたのに、あなた断りもなく飲み干してしまったわけ?つまりこの話者の抑えきれない感情の吐露。
2017-01-08 06:45:2812)しかし言われたほうは、この非難発言を「謎を解いてしまう」(完成)の用法と解して、「はい飲んでしまいました」と返したのです。
2017-01-08 06:46:3614)もし「すみません先生、飲んでしまいました」なら、「うっかり口走る」(無意識の行動)用法の応用、つまり「いけないとわかっていたのだけど、ちょっと口にしたらあまりに美味しかったので止まらなくなってしまった」のニュアンスになって、多少弁明臭いけれど反省のニュアンスはともなう。
2017-01-08 06:49:4515)「~てしまう」についてはこれがよく整理して論じられています。http://163.14.136.66:8080/retrieve/563/100SCU05079011-001.pdf 金田一春彦が昭和30年に「ている」分類を行ったのが先駆け。ただ語源の解説がない。
2017-01-08 07:18:3016)これも想像ですが「たり」が「た/ている/てある」に分岐していく時代に「てみる」「ておく」「てしまう」などの「て」系補助動詞がそろってったのではないか。
2017-01-08 07:30:58