私的『征途』妄想その1「カップヌードルとヴェトナム」

KarasawaYasushi@北満辺境伯 @ChatNoirPoirot

#大サトー 世界におけるカップラーメンの爆発的普及のきっかけになったのは、史実のあさま山荘ではなくやはり前線におけるソレなのだろうか。

あわじまさき @hijmsawaji

ヴェトナム派遣末期に試作品が自衛隊のレーションとして送られ、隊員のみならず各国軍の評判となったことが世界的普及のきっかけになったとかありそう #大サトー twitter.com/chatnoirpoirot…

KarasawaYasushi@北満辺境伯 @ChatNoirPoirot

同じ #大サトー でも「征途」世界なら夜食や増加食として使用されることは普通にありそうですね。 twitter.com/hijmsawaji/sta…

あわじまさき @hijmsawaji

1970年、テト攻勢以降下落が続いていた士気の向上を図るため自衛隊はあらゆる方面で模索していた。その試みの中で、ある調達実施本部の事務官が目をつけたのが日清食品が商品化しようとしつつあった完全調理済みのフリーズドライ麺、すなわち「カップヌードル」であった。(続) #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

食器いらずでお湯を注ぐだけで、兵隊に暖かい、そして美味い飯を食べさせることができる。お湯を沸かすくらいであれば、ヴェトナム中部高原のお世辞にも快適とは言えない前線基地でも、十分可能だった。カップヌードルは自衛隊にとり非常に都合のいい食品だった。(続) #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

試食を済ませた自衛隊はさっそく日清食品にカップヌードルを発注した。ちょうどそのころ、袋麺が40円程度の時代にカップヌードルは一食100円と小売価格の高さから苦戦しており、自衛隊からの大量発注は渡りに船だった。大量のカップヌードルは船便でヴェトナムへと送られた。(続) #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

ヴェトナムに到着したカップヌードルは、自衛隊員から好評を博した。長期化とともにどうしても単調かしてくる戦場での食生活に射した一筋の光がカップヌードルだったのだ。駐屯地だけではなく前線でも食べられたが、一つだけ問題があった。人目を集める派手なパッケージである。(続) #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

最前線で食べることはさすがに想定していなかったため、市販品と同様の白を基調とした容器を使用していたが、これがジャングルでは非常に目立った。隊員たちは64式小銃の脱落防止のために配られていた黒いビニールテープで、容器を隠すなど現地ならではの工夫が施された。(続) #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

ヴェトナムにおいて最もカップヌードルを愛したのは、合衆国軍だった。派遣部隊が食べきれないほど大量に送られたカップヌードルは、他国の派遣部隊に譲られた。特にレーションが不味いと評判の合衆国軍では猛烈な人気を得た。湾岸の英雄、若き日のシュワルツコフ大将もその一人である(続 #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

湾岸で多国籍軍の実質的な総司令官であったノーマン・シュワルツコフ大将は、「嵐のノーマン」と言われるほど苛烈に怒る人物だったが、日本が派遣した自衛隊に対しては一度もそのようなことはなかった。なぜかと部下が尋ねると「彼らを怒らせるとカップヌードルが食べられなくなる」(続 #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

もちろんこれは彼なりの冗談だと思われるが、それほどカップヌードルは愛された。 ヴェトナム終結後、帰還兵はこぞってカップヌードルの話をした。1973年、合衆国でカップヌードルの市販品が始まった時はヴェトナム帰還兵によって瞬く間に店頭からカップヌードルが消えたという(続 #大サトー

あわじまさき @hijmsawaji

カップヌードルの「実戦経験」はヴェトナム戦争最後の数年程度で比較的短かったが、将兵に与えた影響は計り知れない。 (プロジェクトX『戦場に麺を！〜日清食品・カップヌードルのヴェトナム戦争〜』より抜粋) #大サトー (完)