「漫画家が飢えて死ぬか、読者が飢えて死ぬか。」を読んで考えたこと

@qisaru さんの「漫画家が飢えて死ぬか、読者が飢えて死ぬか。」http://togetter.com/li/105692 @m_non さんの「「漫画家が飢えて死ぬか、読者が飢えて死ぬか。」への藤原 祐先生のつぶやき」http://togetter.com/li/106614 この二つを読んで、最近私が感じていることを思いつくままつらつらとつぶやき、まとめてみました。最初だけちょこっと順番を入れ替えてあります。中古車業界にいた経験から、中古の流通は新品販売を阻害するものではなく、むしろ促進するものだと考えています。なお、発端は漫画家さんのつぶやきですが、小説やゲームなど、デジタル化が可能なコンテンツは一通り当てはまることだと思っています。 続きを読む
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たかのん @k_takanon

.@qisaru さんのまとめ(http://togetter.com/li/105692)を読んでいる。発端になった新條まゆさん( @shinjomayu )のTWは違法ダウンロードに対する問題提起だったのに、途中から古書流通の話が混在してややこしくなった。別問題と思う。

2011-03-01 14:55:47
たかのん @k_takanon

中古物品の流通市場のほうが大きいんだよね。車業界にいたからよく判る。メーカーがそれを是としているのは、経年劣化するので流通には限界があるから。「下取」や「買取」のリセールバリューで、新品の販売を促進することができる。ユーザーの裾野を広げられる。

2011-03-01 14:40:38
たかのん @k_takanon

本は黄ばんだり汚れたり破れたりと劣化するし、運ぶコストや置き場もとる。それが流通の前提だった。しかし、デジタル化された情報は劣化しないし、コピーにコストがかからないからどこまでも広がっていってしまう。だから、古書流通と「zipでうp」は、全然次元の異なる問題。

2011-03-01 14:49:34
たかのん @k_takanon

中古物品の場合、メーカーは「それでも新品が売れればいい」と割り切る事ができる。しかしデジタル情報の場合、劣化しないコピーが無料で拡散してしまうので対価が極小化する。マジコンも同じ。コピーできない仕組みの中でしか従来型の流通はありえない。

2011-03-01 15:05:24
たかのん @k_takanon

デジタル化によって従来型の流通が壊れ始めている。代替として考えられている電子書籍は、現状大半が「コピーできない仕組み」の中で従来型の流通市場を作ろうとしている。消費者には、中古としてリセールできないというデメリットがある。つまり、中古流通が新品販売に与えてきたメリットが消える。

2011-03-01 15:21:43
たかのん @k_takanon

不法コピーや違法ダウンロードは無くならないし、従来型の市場流通は確実に減っていく。これを前提として、新しいマネタイズの手法を生み出していくしかないと思う。このあたりの問題に直面している人は、クリス・アンダーソンの「フリー」は絶対読んでおくべき(今更ですが)

2011-03-01 15:28:57
たかのん @k_takanon

私が以前いた会社では「売上第一」ではなく「お客様の満足の結果対価を得る」と言われていた。著者にとってまず大切なのは「読者に喜んでもらうこと」だ。しかし、それによって対価が生まれなければただの趣味。お金が稼げなければ「プロ」じゃない。でも今やその対価を得る手段が壊れ始めている。

2011-03-01 15:43:02
たかのん @k_takanon

従来型の流通が壊れることで、著者・編集・校閲・デザイン・印刷・製本・取次・運送・書店・広告宣伝などの役割も変わっていく。少なくとも、印刷~書店の役割は確実に小さくなる。古書ビジネスもそうだね。

2011-03-01 15:55:13
たかのん @k_takanon

中古流通が新品販売に与えてきたメリットについて。リセールバリューによって、新品の販売を促進することができる。つまり、古本として売ったお金は、新刊の購入に充てられる可能性があるということ。高く売ることができれば、それだけ可能性は高くなる。

2011-03-01 16:01:43
たかのん @k_takanon

カーディーラーは、昔は中古車をオークションでの流通相場よりかなり安く下取していた。そこで、オークション流通相場に基づく買取という新しいビジネスモデルが生まれた。昔のように、古本を全部まとめて二束三文で買い叩くというビジネススタイルは、今後は難しい。

2011-03-01 16:16:19
たかのん @k_takanon

ヤフオクのような個人間売買手法の発達で、手間ひまを惜しまなければ古本屋に叩き売るより高く売れる可能性がある。相場の見える化によって、人気書籍は古本屋に流通しなくなる。

2011-03-01 16:21:03
たかのん @k_takanon

少し待てば新品同然のモノが安く手に入るなら、中古に流れる消費者は多くなる。逆に言うと、買ったモノの価値が簡単には下落しないことは、新品販売を促進する要因となる。つまり、健全な中古市場が形成されることは、新品販売にとっても良いこと。

2011-03-01 16:25:57
たかのん @k_takanon

電子書籍に中古市場は形成されない。つまり、リセールバリューが必ずゼロになる。その分、安価でなければ売れない。印刷・製本・取次・運送などのコストがかからない、という送り手側だけの理由で考えてはダメ。

2011-03-01 16:33:16
たかのん @k_takanon

こうやって考えてみると、図書館への新刊大量入庫問題と、不法ダウンロード問題って、ちょっと似ているところがある気がする。図書館への入庫は二次流通を生まないので、中古市場と違って「裾野を広げる」メリットしか無い。

2011-03-01 16:45:12