いきなりカラーに目覚めるのは恐怖

1
uroak_miku @Uroak_Miku

英文解釈教室 改訂版 伊藤 和夫 amazon.co.jp/dp/4327764124/ 1)今となってはモノクロ色盲者用の本に思える。

2017-01-10 10:57:16
uroak_miku @Uroak_Miku

2)伊藤メソッドは、喩えるならば色彩をいっさい捨てて、世界のすべてをモノクロで眺めようとするようなもの。

2017-01-10 10:58:50
uroak_miku @Uroak_Miku

3)前にこれを論じました。中一英語教科書から。Where are my pencils? では「俺の鉛筆をどこに隠した!」と英語ネイティヴには取られるから Where did my pencils go? あたりにしたほうがいいというお話。 pic.twitter.com/uT9iH6h8ec

2017-01-10 11:01:24
拡大
uroak_miku @Uroak_Miku

4)Where(どこ)を早めに覚えてもらいたいという狙いはよくわかります。しかしニュアンスがわかっていない。モノクロの目で眺めると問題ない衣服でも、カラーの目で眺めると、とても人前では着られないような代物とわかって愕然とするみたいな感覚。

2017-01-10 11:03:06
uroak_miku @Uroak_Miku

5)モノクロ目のほうがカラーに比べれば情報処理量が三分の一で済むし、骨格とか構造に目が行きやすいから、それはそれで利点があるのだけど

2017-01-10 11:06:23
uroak_miku @Uroak_Miku

6)衣服は構造がすべてではない。見た目が半分。

2017-01-10 11:06:54
uroak_miku @Uroak_Miku

7)伊藤本は、仕立てにはこだわるけれど色彩には無関心。いやあえて切り捨てた。なぜか。伊藤は英語という言語について終始、完全色盲だったから。それでモノクロ目で押し通した。カラー目を使わないですべてが説明できるような、完全に閉じた受験英語の宇宙を目指した。

2017-01-10 11:08:54
uroak_miku @Uroak_Miku

8)彼が和文英訳の参考書をとうとう一冊も書かなかったのは、母語→外国語への回路はカラー目がなければけっして育まれないことをよく知っていたから。

2017-01-10 11:09:59
uroak_miku @Uroak_Miku

9)和訳にどこまでもこだわったのは、カラーを一度すべてモノクロに置き換えないと伊藤の目では認識できなかったから。

2017-01-10 11:10:57
uroak_miku @Uroak_Miku

10)直読直解とかコンテナ翻訳法とか、理論はもっともでしたが、その無意識にあったのは、カラーへの恐怖。自分が実はモノクロ色盲であることを知られたくなくて、それでモノクロの世界に逃避したのです。

2017-01-10 11:13:19
uroak_miku @Uroak_Miku

11)モノクロ目で育ってきた人間が、ある日いきなりカラーの目で目覚めたら、どう感じるだろう。きっとパニックを起こすのではないか。もとの世界に戻してくれ!と。

2017-01-10 11:15:43
uroak_miku @Uroak_Miku

12)私自身がそれに類する経験をしてきたので、このシミュレーションは興味惹かれる。

2017-01-10 11:16:18
uroak_miku @Uroak_Miku

13)色彩は感性がすべてと思われがちですが、とんでもない、ちゃんと理論で語れます。

2017-01-10 11:17:06
uroak_miku @Uroak_Miku

14)"Is this Mt. Fuji?" "Yes, it is." では「富士山にきまってるじゃないですか」と彼女には聞こえてしまいますよ、Yes, ma'am.(はい先生)で済むところをわざわざ Yes, it is. と発声したら相手には「見ればわかるだろ」と pic.twitter.com/CzypEKVVhG

2017-01-10 11:23:35
拡大
uroak_miku @Uroak_Miku

15)解釈されてしまいますよ、と理論で説明することは不可能ではない。しかしこの教科書は文型をおぼえこませること優先で、つまりモノクロ目で押し通してくる。

2017-01-10 11:24:23
uroak_miku @Uroak_Miku

16)人間の視覚神経は、大別すると二つあります。モノクロ視神経とカラー視神経。この両方あって視覚認識が育つ。学校の英語はモノクロ視神経の一本やり。だからあるところから先に進めなくなる。

2017-01-10 11:26:47
uroak_miku @Uroak_Miku

17)モノクロ目だけで間に合ってしまう、人工的な英語世界に進むしかなくなる。その導師だったのが伊藤。

2017-01-10 11:27:33
uroak_miku @Uroak_Miku

18)まずこのモノクロで済んでしまう世界からバックさせる。そして中一まで線路をバックしてもらって、そこにカラーの光を当てて見せる。「ほら、カラーで眺めるとあなたこんなにヘンテコな服を着ているんですよ」とショックを与える。 pic.twitter.com/4bow0ssMTg

2017-01-10 11:32:36
拡大
uroak_miku @Uroak_Miku

19)そういう本を書いています。

2017-01-10 11:47:32