五次方程式の誤解を解く

五次方程式の解の公式は存在します。
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圏論のあか☆ねこ@数学系Vtuber @math_neko

たまに「五次方程式の解の公式は存在しない」的発言を見かけますけど、「(一般には)代数的に解けない」という事実と混同されているようなので、参考までに貼っておきます。 ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94…

2017-01-10 12:22:18
圏論のあか☆ねこ@数学系Vtuber @math_neko

五次方程式に関してわかっていること (1) 任意の五次方程式は「チルンハウス変換」と呼ばれる変換により y^5 + y + b = 0 の形に帰着できる。この際、チルンハウス変換の係数は「代数的に」決定できる(ただし途轍もなく複雑)。続く

2017-01-10 12:26:55
圏論のあか☆ねこ@数学系Vtuber @math_neko

続き (2) しかし、一般の b に対して y^5 + y + b = 0 の Galois 群は S_5 (五次対称群)である。その正規部分群である A_5 (五次交代群)は単純群である。したがって S_5 は非可解群。続く

2017-01-10 12:31:54
圏論のあか☆ねこ@数学系Vtuber @math_neko

続き (3) 以上の事実から、一般の五次方程式は「代数的に」解くことは不可能であることが分かる。なお「代数的に」解くとは、加減乗除と冪根(いわゆる n 乗根)を取る操作のみによって解を求めることをいう。続く

2017-01-10 12:34:02

(3) に指摘がありました。「代数的に」解く、とは、正しくは「有限回の加減乗除および冪根を取る操作のみによって」解く、です。

相転移P @phasetr

@math_neko有限回」の操作、というのを入れなくていいのでしょうか

2017-01-10 12:38:30
圏論のあか☆ねこ@数学系Vtuber @math_neko

続き (4) しかし、超越的な手続きを許した場合、五次方程式の解を構成することができる。エルミートによりレベル 5 のモジュラー関数を利用する方法が、クラインにより超幾何級数を利用する方法が証明されている(Wikipedia より引用)。続く

2017-01-10 12:36:19
圏論のあか☆ねこ@数学系Vtuber @math_neko

続き (5) また、限定的な場合においては五次方程式も代数的に解ける(同じく Wikipedia より)。さらに「超冪根」を取る(実数 a に対して x^5 + x - a = 0 の唯一の実数解を取る)操作を許すならば、全ての(実係数?)五次方程式は「代数的に」解ける。

2017-01-10 12:41:18