メディアが報道しない本当のシリア・中東シリア・化学兵器の真相⑶Whose sarin?Seymour M. Hersh/London Review of Books, 19 December 2013 (2/3)　全訳

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

メディアが報道しない本当のシリア・中東 シリア・化学兵器の真相⑶ Whose sarin? Seymour M. Hersh/London Review of Books, 19 December 2013 (2/3) ln.is/www.lrb.co.uk/…

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki 「誰のサリンなのか？」 シーモア・M・ハーシュ/ ロンドン・レビュー・オブ・ブックス、2013年12月19日（全訳）パート⒉ (※)巻末に「2013年8月30日発表アメリカ合衆国政府査定報告書」付録付き

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❶はじめに 2013年8月21日未明、ダマスカス近郊グータ地区でサリン毒ガス事件が発生し、市民に多数の犠牲者が出た。事件は即刻アサド政権の犯行として報道されたが、すでに早い頃から複数のソースから＜報道＞に対する疑いの声が発せられていた。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❷中でもここで紹介するシーモア・M・ハーシュの記事「誰のサリンなのか？」は最も具体的で決定的なものだろう。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❸2013年8月30日、米国政府は報告書を公表し、その中で、 a.シリア国内にサリン製造能力を有する勢力は、シリア政府以外にはないこと b.事件はシリア政府の犯行であること の2点について強い確信を持って評価しているとした。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❹シーモア・ハーシュは、この2点に対して真っ向から異議を唱えている。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❺一つにはシリア政府以外にサリン製造能力を有する勢力がシリア国内に存在したことを指摘し、二つには事件をシリア政府の犯行と確定することが絶対に不可能であるとは言わないまでも、限りなく絶対に近く不可能であることをこの記事の中で論証している。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❻また、さらに重要なことは、オバマ政権がそのことを知りながら、シリア・アサド政権に対する軍事制裁を正当化するために情報を歪曲したことを明らかにしている点である。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❼シーモア・ハーシュはピューリッツァー賞受賞の調査報道ジャーナリストで、米兵によるベトナム、マイ・ライ村の虐殺事件やアル・グレイブ収容所の捕虜虐待など、社会と時代が持つ影の部分に光を投げかけてきた。 pic.twitter.com/f43zNirlEN

拡大

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❽この記事：Whose sarin?（誰のサリンなのか？）は極めて重要な内容であるにもかからず、彼は米国の主要紙での掲載を断念せざるを得なかった。そして、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスに寄って初めて陽の目を見ることができたのである。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ❾1970年代にベトナム反戦運動、公民権運動を支え、ウォーターゲート事件では現職大統領を弾劾にまで追い込んだアメリカのジャーナリズムは、現在その独立性を失い、政府の宣伝塔と化している。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ➓1970年に『マイ・ライ村の虐殺』でピューリッツアー賞を受賞したハーシュが、2010年代には冷遇されているわけである。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki シリーズ：メディアが報道しない本当のシリア・中東 「シリア・化学兵器の真相」では、全文翻訳を3回に分けて紹介しています。 第2回配本

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ①対シリア武力行使に向けた広報宣伝準備にホワイトハウスが要した日数は9日間であった。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ②8月30日、政府はホワイトハウス付きの一群の報道関係者たちをホワイトハウスに招待した。しばしばマックラッチィー紙に批判的な記事を書く国家安全保障通信員のジョナサン・ランディが招待者のリストから外されていたのは言うまでもないことだった。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ③招かれた記者たち一人一人に注意深く＜政府査定報告書＞とラベリングされた書類が手渡された。それはあくまでも＜政府査定＞であり、＜情報コミュニティによる査定＞ではなかった。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ④書類の中身は主に、対シリア武力行使に向けて今後いかに世論を盛り上げていくかについて書かれたものだった。それは、9月10日になされたオバマ演説よりも具体的に詳細をもって書かれていた。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑤政府査定は、シリア政府軍の化学兵器特殊部隊は事件の3日前にサリン毒ガス攻撃の準備を完了していたと断定している。さらにその日の午後遅くジョン・ケリー国務長官が声明を出した時、彼のアサド政権に対する非難の口調は一層厳しさを増していた。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑥「すでに地上配備されていたシリア政府軍化学兵器特殊部隊は8月18日までに攻撃準備を完了した。アサドの命令を受け、特殊部隊は化学兵器戦に備えて防毒マスクを装着した」と彼は言った。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑦政府査定の調子とケリーの声明は、あたかも政府が、事件の成り行きを初めから終わりまでリアル・タイムで正確に追跡していたかのような印象を人々に与えた。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑧それはまったく事実と異なっていたが、それに対して疑問を挟む者はいなかった。そして、政府発表はそのまま事実として広く報道されていったのだった。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑨事前の警告がなされなかったことに対して、自由シリア軍の幹部や他のシリア反政府勢力から予期しない苦情がワシントンに寄せられた。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑩「アメリカ政府が犯罪を事前に予知していたのなら、なぜ何も行動を起こさず犯行を許したのだ」と、サリン事件の起こった街に住んでいたラザン・ザウトンネーはフォーリン・ポリシー誌に怒りをぶちまけた。

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑪デイリー・メール誌に至ってはもっと露骨にこう書かれていた。「情報コミュニティが伝えるところによれば、アメリカ政府は、400名以上の子どもを含む1400名以上の市民が殺された惨事の起こる3日前にはすでに十分それを予見していた。」

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@taiyonoibiki ⑫（死者数の見積もりは各紙によって異なる。オバマ政権の最初の発表では1,429名。シリア人権グループは502名、メディシン・サン・フロンティエールは355名、あるフランス人記者は281名と発表した。