芝村裕吏さんによる「旧日本軍の建設工兵について 他」
@siva_yuri 旧日本軍の飛行場設営隊がアメリカに比べて機械化が遅れていたと言われる件など、コメントいただけないでしょうか。
2011-02-27 16:18:40旧日本陸海軍の飛行場設営能力は、太平洋戦争において、非常に不満足なものでした。理由は割と簡単で、 陸軍は最初から開けた場所(想定戦場は中国)を利用する前提だった。海軍は密林をみて端からこりゃ無理だろうということで、水上機と空母で代用しようとした。せいです。
2011-02-27 16:23:15なんで日本は水上戦闘機なんてものまで開発しています。独創的な発想とされますが、飛行場設営の手間暇を考えれば、理にかなった考えと言えなくもありません。
2011-02-27 16:25:18アメリカではニューディール政策があって、大規模な公共事業があり、国土開発が進みました。ここで、国土に見合ったスケールの大きな開発が行われ、同時に土木の機械化も進みました。
2011-02-27 16:30:26アメリカでは軍組織もその後、土木工事に参加します。 まあ、当時のアメリカは小さな軍隊がいいと言う話で、第1次世界大戦の後、大潰走よりひどいとされる軍備削減が行われますが、ここで専門職種は守りましょうということで、砲兵や土木、飛行などは守られるんですね。
2011-02-27 16:33:17そもそもにしてアメリカ軍最古の士官学校は工兵ですしね。アメリカ陸軍工兵司令部と言えば、ダムなど土木工事プロジェクトの計画、設計、施工および運転までやりますし、軍人は少ないですが軍属で3万5000人という人員を抱えていたりします。
2011-02-27 16:39:28@siva_yuri 水上戦闘機自体は第一次大戦に活躍~衰退していったものですよ。第二次大戦参加国中で水上戦闘機部隊を運用していたのは確か、旧日本海軍だけだったはず・・・。南洋諸島など飛行場設営が困難な場所では確かに便利でしょうね。
2011-02-27 16:41:13どちらか言えば、正確にはアメリカ陸軍工兵司令部はすでに軍隊の一部と言うよりはアメリカの行政機関の一部です。 規模もばかでかいですしね。で、対する日本はというと・・・
2011-02-27 16:45:25日本もやはり、同じようなことで建設工兵による土木の民間協力もしますし、公共事業も行うのですが、規模は小さいものでした。 というか、アメリカがでかすぎたというべきでしょう。
2011-02-27 16:47:37工兵の民間協力で有名なのは鉄道連隊ですね。 関東などでは訓練かねて敷設しまくってます。 皆さんが普段乗る線路も、元はと言えば鉄道連隊のがんばりの結果かもしれませんよ。
2011-02-27 16:49:32一方、日本陸軍の陸軍工兵学校建設は遅く、1919まで待たないといけません。 まあ、事の最初から、アメリカとは規模も重要性も桁外れに違ってたわけです。 違う理由は非常に簡単で、辺境で戦う前提になかったせいです。
2011-02-27 16:52:24そも日本においても中国においても朝鮮半島においても、文明化されて1000年楽勝のエリアです。アメリカみたいに人の手が入ってない厳しい自然と闘う前提がありませんでした。
2011-02-27 16:54:16そもそも論で戦争するには相手がいり、相手がいるからには国があって村があって道路があると考えるのが日本の地勢的常識でした。 人がいないところに蛮族がいて蛮族と戦う陸軍がとか、そういう発想はまるでないです。日本には。
2011-02-27 16:57:43一方、軍から離れた土木の機械化はどうでしょうか。 こちらは、大不況からしばらくは発達せず、自作も遅れてしまいます。 日本的な理由として、機械化して働き口を減らすよりは人力をより多く使う方が使う方も人足も嬉しいとなってたんですね。
2011-02-27 17:00:18さて、ここまででおおよそおわかりと思いますが、まずもって日本では工兵の位置づけが低く、(よって予算も少なく)、歴史も浅く(ノウハウが少ない)、任務が限定的(トーチカ作りメイン、鉄道は組織的に独立)と、最初から話にならない差がついておりました。
2011-02-27 17:06:15これを比較して基地設営能力云々というのは言う前に結論が出てしまってる部分なのです。 日本も泥縄で機械化進めたりしますし、それ以前から研究や海外視察のデータはありましたが、規模的予算的に同じ仕事は無理も無理というレベルです。
2011-02-27 17:08:20