音楽を作る人も聴く人も(たぶん)タメになる、録音にまつわる読み物集 「とーくばっく~デジタル・スタジオの話」 は近日発売予定、現在予約受付中です。リンク先のサンプルPDFをご覧いただければ幸いです。pspunch.com/pd/talkback.ht…
2017-01-10 12:42:31今夜は珍しく自分語りモードで、今回制作した本への思いについてお話しします。 おそらく長くウォッチしてくださっている方々は、私の言動をご覧になって、果たして自著を売る気があるのかないのか、不思議に思われているのではないかと思いましたので、背景を説明する意味もあります。
2017-01-13 00:17:36思いのすべてを伝える上で、お話したいことは他にも山ほどあるのですが、際限なく長くなりそうなので要点だけ書きます。(それでも長いですが)
2017-01-13 00:18:11Katz本の作者にコンタクトし、一部和訳したサンプルを出版社に送付してみた話とか、Webで緊急公開した経緯を省いてもこの長さ
2014年末に音圧関連の記事をWebに公開した最大の理由は、とりあえず音圧競争の弊害について、十分に説明した日本語文献がないと感じたからです。
2017-01-13 00:18:58なんとなく皆疑問を感じてはいるものの、体系的に説明したものは知るかぎりどこにもありませんでしたし、私自身が、疑問に感じたことを明快に説明する言葉を持ちませんでした。
2017-01-13 00:19:18その後、すべてに応えてくれるKatz本に出会うわけですが、この本は既に何ヶ国語にも訳されているのに和訳はなく、日本語圏には「マスタリング?音圧?とりあえずこれ読め」と誘導できるワンストップソリューションが待てど暮らせど登場しません。
2017-01-13 00:19:55ならば自分で書いてしまえ、と公開したのが、本の4章に相当する「収録レベルの話」です。 余談ですが、1~4章の大部分は、元々小冊子を作るつもりで準備していたネタで、諸事情により書きかけていたものをWebで急遽公開することになりました。一旦はそれで満足していたのですが、
2017-01-13 00:20:25奇しくも2年後に、当初想定よりも大幅に強化されたかたちで、結局は本になってしまったのは感慨深いものがあります。同時に、2年も経ったのにも関わらず、ダイナミクスの面においてハズレCDを引く頻度が変わっていないのは悲しいものがあります。閑話休題。
2017-01-13 00:20:44また、何度か公言していることですが、ディザだ、サンプルレートだ、補正がなんだのの記事は、すべて「収録レベルの話」に誘導するための撒き餌だと思ってます。
2017-01-13 00:21:075章、6章に相当する「ダイナミックレンジとメータの話」だけは例外で、これは「収録レベルの話」に対するネット上の反応を見たのち、説明が不十分だったと感じたところを補完するために書きました。
2017-01-13 00:21:24これらWebページを公開した時点で「とりあえずこれ見れ」と誘導できるリソースをアクセスしやすいところに築くという目的は達せられ、おかげさまで多くの方々にご覧いただけました。これで一旦は仕事を終えたつもりでした。
2017-01-13 00:21:45今回の書籍化は、地元・奈良の音楽コミュニティに多大なる貢献をし、私の恩人でもある故人へのはなむけとして、私なりにできる恩返しはこれしかないなァ、と思い立ったものです。ある意味、私が個人的に建てた故人を偲ぶ記念碑でもあります。印刷所から上がったら一冊目はまず恩人の下に届ける予定です
2017-01-13 00:22:49気持ちとしては、ただひっそりと立つ碑のように無記名にしたいぐらいなのですが、制作責任者として名前を載せないわけにはいきませんし、アートワークにご協力いただいた2名や、査読者(音楽制作の知識もないのに正月休み返上で全文に目を通してくださった)もお名前を載せないわけにはいきません。
2017-01-13 00:23:51なので奥付は最小限となっています。気持ちとしては、Web版執筆時にご協力くださった方々のお名前も列挙したいのですが、初刷に関しては厳かな雰囲気を優先しました。これは私のわがままと自認しており、申し訳なくも思います。
2017-01-13 00:24:25増刷があるとすれば、そのときはまずTwitter IDで埋め尽くされた謝辞の欄が増えることになると思います。
2017-01-13 00:24:33さて、この本がWebとは違う経路で反マキシマイズのメッセージを少しでも広めてくれることを期待していますが、同時に積極的に売り込むつもりもありません。なぜなら、Web版と同様にこの本のこともまた、内容に賛同してくださる方々が「とりあえず誘導できるリソース」としか思っていないからです
2017-01-13 00:25:27「とりあえず誘導できるツール」
↓
「とりあえず(関心を持ってくれそうな方を)誘導できるツール」
記載された内容を輸入し、ローカライズする作業は「誰もやらないから仕方なく」自分がやったと思っているところもあります。これができる背景(語学/制作経験/憤り/暇/業界のしがらみ無し)を持ち合わせている人間は限られるかもしれませんが、
2017-01-13 00:26:06今後、この本で述べられる内容の重要性を広める作業は、私でなくともできる仕事です。むしろ、この本の存在をもってしても周囲が動かないようであれば、私一人がこれ以上頑張ったところで、業界に大した影響力はないと思います。
2017-01-13 00:26:25広める作業までもが「俺の仕事じゃない」という割り切り
今回の本は、初刷500部を完売しても手間に見合った利益は望めません。高コストになると知りながらフルカラーにこだわったのはKatz本の影響です。Katz本が第3版で初めてフルカラーになったことで、大部分が黒+1色刷りの本と比べて所有する満足感の違いを認識しました。
2017-01-13 00:26:50この本をツールとしてメッセージを広げてくださるであろう方々に、大事にしていただけるようにと思ってのことです。ページ数は当初予定の2倍に膨れ上がってしまいました。価格設定も、中高生でもアクセスしやすいよう千円を死守ラインとしたかったのですが、やむなく千五百円になりました。
2017-01-13 00:27:17電子出版も考えていません。そもそも核となる記事の多くは(ブラッシュアップ前の文章とはいえ)Webでタダで読めますので、デジタル・デバイスでご覧になる方は、Webをご覧いただければ結構です。この本の意義は、物理媒体として手元に置けること、オフラインでメッセージを伝えるチャンネル開拓
2017-01-13 00:28:12