石田尚志さんによる鈴木志郎康さんの詩/映像作品についての発言。20170115国立近代美術館O JUNさんとの対談から(まとめ:みそむーおでんさん)

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みそむーおでん @misoni_2013

石田「絵を描くのは言葉から距離を取ることだ。言葉で世界を作り・語りきれるのだろうが、僕は弁護士でも詩人でもないし映像や絵を作っているので、僕は可能な限り言葉から距離を取り作品を作る。作品タイトルすらつけるのに困っている。

2017-01-15 18:06:10
みそむーおでん @misoni_2013

石田「企画書は勤め先の大学であったり映像なので集団作業なため書くがのだが、(生徒には?)言語化せよと言いながら自分はそれをしてない。作業を始めていいく内になんとなく見えてくる。どれだけ言葉にしないかが勝負だ。

2017-01-15 18:07:15
みそむーおでん @misoni_2013

石田「しかし山田正亮の制作ノートにあるエスキース、透明感あり作品として美しい。こっちが先か(パネルの?)絵が先かなのかわからないくらい自立して存在してるようだ。並行関係に見える。欲望としては秘密のノートの書いてる途上のスケッチの喜びと、一方の油彩キャンバスの喜びは同等にみえる。

2017-01-15 18:08:21
みそむーおでん @misoni_2013

石田「描かかれる事と言葉がなぜ入ってくるのかが不思議だが、そうしなければ制作ノートは成立しない。 日記であり作品であり、公開することは前提になっていたんだろうけど(?)、しかしそれ自体は作品でないようなちゅうぶらりんである。そのことについて思い出すことがある。

2017-01-15 18:09:14
みそむーおでん @misoni_2013

石田「僕が教えてる大学はタマビだが、前任に鈴木志郎康がいた。1935年生まれでプアプアという詩が有名だが実験映画も作っている。

2017-01-15 18:27:16
みそむーおでん @misoni_2013

石田「鈴木志郎康は「15日間」という日記映画が有名。それは80年代の作品で16mmフィルムを前に1日あったことを喋ってるだけ。最初は緊張してるが15日で変容する。カメラと人との関係が変わるメタドキュメンタリー。撮る行為自体が作品を替えてしまう。

2017-01-15 18:27:35
みそむーおでん @misoni_2013

石田「その一方で日記も公開していた。ひたすら今日は何をしてたかを書いている。誰のために?何のために?日々の記録をするのかそれが不思議だ。極私的ラディカリズム、身体から始まるリアリティが彼の出発点だ。

2017-01-15 18:28:15
みそむーおでん @misoni_2013

石田「鈴木には70代過ぎてから出した詩集に収録された以前の詩には東京大空襲の事が書かれている。逃げ惑った焼け野原の話だがそれは暗い話ではない。身体論なので即物的で思ったことは書いてないので生々しい身体。

2017-01-15 18:28:41
みそむーおでん @misoni_2013

石田「鈴木のあの日記の脅迫感、生きてることを確認するようなメモ。映像作品も結局そのことだらけだ。自分のいることを確認せざるを得ない。向き合うシャッターを押す所作すらも映画でも語ってる。彼の中での基準がそれで、脅迫的な制作ノートが理解できる。

2017-01-15 18:29:43
みそむーおでん @misoni_2013

石田「山田正亮展との場所繋がりで言えば吉増剛造展でも膨大なメモがあった。1939年生まれで焼夷弾から逃げた経験がある。彼と一緒にコラボした際に彼が絶叫した時にそのような言葉があった。B29がバラバラになって落ちてきて、というような言語解体というか始まりの詩のような。

2017-01-15 18:30:21
みそむーおでん @misoni_2013

石田「世代論というわけでもなく、それが最初のきっかけですということではないが、そこまでせざるえない出だしは何故なのか。生きる確認とは。

2017-01-15 18:30:47
みそむーおでん @misoni_2013

石田「72年生まれの私は生きていることの生々しいリアリティを求めることはなかなかない。そしてタブラ・ラサ、何もない東京から始まる、といわれたらとりあえず納得せざるをえない。まずはそこが自分の入り口で考えないといけない。

2017-01-15 18:31:47
みそむーおでん @misoni_2013

石田「もう一つ。河原温。彼にも一度お会いしたことがあった。O JUNさんが絵を書き始めた時に山田と距離感があったように、自分が考える美術と河原温の抽象の違いは何か、72年生まれなので美術手帖はどうかといえば80年代~90年代はピンとこないというか、そこで最もズレていたのが河原温。

2017-01-15 18:33:03
みそむーおでん @misoni_2013

石田「河原温のコンセプチュアルで絵画と言い切る辛さと虚しさが、高校生の頃は諸悪の根源だと思ってた。

2017-01-15 18:33:28
みそむーおでん @misoni_2013

石田「松井茂という詩人がいて、彼に遊びに行こうと言われ河原温の家へついて行った。彼は僕の想像と真逆のような人だった。ずっと一人で喋り続けるような人。なんなんだこのあふれる情報量は?とショックだった。

2017-01-15 18:34:56
みそむーおでん @misoni_2013

石田「河原温から、午前中(?)絵を描いたんだと言われアトリエを見せてもらった。きれいに片付いていて筆もきれいに引き出しに並んでいた。その片付けた状況に描いているという生々しさを感じた。

2017-01-15 18:35:46
みそむーおでん @misoni_2013

石田「河原温の有名なコンセプトとしてデイペインティングはその日に描ききれないと破棄すると言ってたが、朝描いてしまえば良くて、だから労働だな、と。メールも日付も、誰に投げかけてるかといえば、生きてる確認でしかない。そこで山田作品にもそう感じる。浴槽シリーズをみると大変な絵画だし。

2017-01-15 18:36:06
みそむーおでん @misoni_2013

石田「あとは草間彌生かな。世代的に山田正亮と近い。彼女も繰り返せざるを得ないが、草間は止まることなく無く死ぬまで書くのだろう。

2017-01-15 18:36:15
みそむーおでん @misoni_2013

石田「戦争や大きな価値変換などに矮小化するわけでもないし、世代論でもないが、世界で生きていくことについて芸術を通して生きていくにあたり何らかの可能性として芸術を考えたのだろう。しかし僕はそのようなこととは違う。いずれにしても絵画なんだと思う。

2017-01-15 18:37:49
みそむーおでん @misoni_2013

石田「即物的な記述、鈴木志郎康のネット上の記述がまさにそうだ。極力メモに限定して良い悪いとか言わない。時折批評的な文もあるものの誰それと会ったとか記述にすぎず最後に寝る時は牛乳とアンパンでしめる。

2017-01-15 18:58:54