ヘッドライト～言の葉が示す真相の光～　解答編

相応恣意 @aioushii

@aioushii 『ヘッドライト～言の葉が示す真相の光～』＠の宛て先を辿るツイノベ。読者に挑む知的パズル、はたして犯人は誰なのか。解答発表は一週間後。 #twnovel なお、本作品は犯人の名前を指摘することは可能ですが、ミステリではないのでご注意ください。

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@aioushii 「犯人が分かった……だと？」斉藤邸の現当主である弘和の呟きに、薪が爆ぜる音が重なる。そんな弘和とは対照的に、「人をからかうのも大概にしたまえ！この事件は七年間誰も解けなかったんだぞ！たかだか数十分、話を聞いただけで解けるなら、誰も苦労せんわ！」昭人は激昂した。

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@aioushii 言葉こそ発していないものの、弘子もまた、目を見開いて己が驚愕を表している。今やこの部屋にいる者で、平静を保っているのは探偵だけだ。その探偵が、皆の視線を意に介さず、告げる。「はい、事件のピースは全て私の掌中にあります。組み立てて見せますよ、皆さんの目の前でね」

相応恣意 @aioushii

@aioushii 誰も探偵に口を挟もうとしない。当然だ。言葉にはせずとも、誰もが求めていたのだから。事件の真相を明かしてくれる“誰か”を。「さて、まずは改めて概要を整理しましょう。事件が起きたのは七年前の今日。被害者は斉藤智和氏。彼は、この部屋の向かいにある書斎で――爆死した」

相応恣意 @aioushii

@aioushii 皆が顔を曇らせる。智和は弘子の夫であり、弘和の父であり、昭人の兄であった。この部屋に彼の死を悼まない者はいないのだ。「いってしまえばそれだけの事件、けれどこの事件の謎は、関係者のほとんどにアリバイがあったことです。しかも証人は被害者の智和氏、偽証は考えにくい」

相応恣意 @aioushii

@aioushii 正確には家人がそう伝えているだけで、検証は不可能だが、探偵はそれに触れない。「となると、当然疑われるのは、犯行時刻に唯一アリバイがなかった警備員でした。しかし彼は取調べ直後、首を吊って死んでいるのが発見されました」探偵は皆に視線を送る。誰からも反論はなかった。

相応恣意 @aioushii

@aioushii 「うがった見方をしないなら、犯人は警備員で、逃げ切れないと悟り自殺した、ということになるでしょう。しかしこれは考えにくい。自分だけアリバイのない時間帯を選んで犯行を行う理由が分かりませんからね。そうなると検討すべきは、これが智和氏の自殺である可能性ですが……」

相応恣意 @aioushii

@aioushii 「とうさんが自殺するはずないだろ！」突然の弘和の怒声にも、探偵は怯まない。「もちろんです。彼の死因を考えればそれは明らかですから。となると答えは一つ。犯人にはアリバイなんてなかったのに、思ったことを素直に答えることで、アリバイを手に入れてしまっていたんですよ」

相応恣意 @aioushii

皆の顔に困惑の表情が浮かぶ中、探偵は厳然たる意思を以って、人差し指を一点に向ける。「この事件の犯人、それはあなたですね？」探偵の言葉は疑問系でありながら、確信に満ちていた。それはさながら、闇夜を照らすヘッドライトのように、七年前の事件に差し込んだ、真相という名の光のようであった。

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というわけで、「犯人はさいとうともこ」でした。如何でしたでしょうか？以下、補足です。まず、この問題の解法について。まとめを見ていただければ一目瞭然かとは思いますが、作中に登場するセリフの最初の一文字を繋げれば、犯人が分かる、という仕組みになっていました。一応、ヒントもありました。

ゲームブック @gb_k

それはタイトルの『ヘッドライト～言の葉が示す真相の光～』です。答が分かれば、なんてストレートなタイトルなんだ！と思っていただけるかと……思うんですが……また、もう一つ説明を加えるとすれば、犯人の「さいとうともこ」とは誰か。でしょうね。確かに作中に、彼女の存在は明記されていません。

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ですが作中の情報を整理すると彼女の正体が、おぼろげながら提示されています。と言うのも、被害者の名前が斉藤智和、その妻の名が弘子、息子の名が和弘なんですよね。息子は両親から一文字ずつ字を貰っている、ならばもし二人に娘がいたならば？そう、斉藤智子は智和と弘子の娘と考えられるわけです。

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というわけで、読んでいただければ分かるかと思いますが、本作品はミステリではありません。ですがそれなりに、ミステリっぽい要素を取り入れた作品にしたつもりです。以上、実験作、『ヘッドライト～言の葉が示す真相の光～』の解説でした。ご意見・ご感想があれば@aioushii までどうぞ。