
SS-520 4号機打ち上げ失敗 報道に関しての宇宙クラスタ関連のツイート

昨日の世界最小ロケット打ち上げ失敗に関する阿部記者の記事です。超小型衛星打ち上げの意義などを解説しています。 解説:急がれる失敗原因究明 最小ロケット、高まる民間ニーズ - 毎日新聞 mainichi.jp/articles/20170…
2017-01-16 12:10:17
あの伝説の「リレーってなんですか」を種子島の記者会見で目の前で見た身の上としては、SS520-4の報道については「またか」としか思わないのである。google.co.jp/search?q=%E3%8…
2017-01-16 12:35:47
宇宙開発の現場取材をしてた10年から20年前に聞いた話。ロケット打ち上げは華やかな現場なので、担当記者みんなが行きたがる。仕方ないので順番で行かせる。すると、そのたびに現場初めてな記者が行くことになり、取材の経験が蓄積されない。
2017-01-16 12:43:02
「ロケットの取材って言うと、みんな行きたがるんですう」っててへぺろで笑ってた記者さん、その辺り解ってたのかなあ。もちろん何事にも例外はある。地元新聞やテレビは、打ち上げ前からずうーっと取材をしているので、担当が決まってて経験も蓄積されていることが多い。
2017-01-16 12:44:34
種子島、内之浦なら、地元鹿児島の南日本新聞は普段から現地取材を行っていて、打ち上げの時だけじゃなくてロケット搬入や打ち上げ準備から張っているので、その蓄積たるや中央なんぞ及ぶものではない。これは地元テレビ局も同様。
2017-01-16 12:46:23
以下、完全に私見。ロケット取材なら、派遣された記者は最低限の物理法則、化学法則を理解した上で、ロケット開発の歴史の基礎くらいは斜め読みして来るべきところ、なんせ勉強してる余裕があるならトップ屋なんてやってられるかってくらい忙しいからほぼ予備知識ゼロで現地にいらっしゃる。
2017-01-16 12:48:41
他でどういう取材してたのか知らないが、「取材しに来てやった、さあ記事になる材料を目の前で並べろ」ってのが彼らのスタンスである。種子島で「なんで液体酸素が必要なのか」質問しておいて、「宇宙空間には空気がないので」とか中の人が説明はじめると「いやボクそういうの苦手なので」実話。
2017-01-16 12:50:31
説明させておいて、理解出来ないのに無理矢理自分のレベルの間違った理解をして、「ということですか?」「違います」ってのも何度となく聞いた。記者会見の細かい文言、発射時刻や分離高度の数字をしつこく確認するのも何度も見た。数字なら間違いないから、確実だから。
2017-01-16 12:52:08
だけどさあ、記者会見の発表を右から左に流すだけなら現場取材記者なんか必要ないのよねえ。「それで成功ですか失敗ですか?」目の前で見ててそれも判断出来ず確認しなきゃならないなら、それこそ記者派遣せずに公式発表そのまんま流せば間違いも少ないし経費も削減出来るのに。
2017-01-16 12:53:23
日本の宇宙開発現場取材だと、そもそも継続的に取材してるフリーの専門家がいなかったんで、詳しくない専門外の記者が専門家に説明させて理解出来ないまま記事を書くことも多い。これが欧米だと専門の記者がいて、継続的に取材してて、新聞や雑誌は彼らから記事を飼う。
2017-01-16 12:55:32
最初のスペースシャトル取材はSTS65だったんだが、その時でさえアポロまえから現地取材してる専門記者がぞろぞろいて、昔話を端で聞いてるだけで「おお、歴史の話してる」てなもんだった。そして恐ろしくなった。日本の報道がぜんぶこんなだったらどうしよう。
2017-01-16 12:57:58
宇宙開発が好きで、知りたいと思うことが報道されないし調べてもわからないから現地まで来て調べて訊いて、いろいろ解った。しかし、報道はどーにも現実と違うとんちんかんな記事を流している。宇宙関係だから間違ってるって解ってるけど、他ジャンル全般の記事こうだったら、いったいどうなるんだ?
2017-01-16 12:59:35
僕が記者会見に出るようになったこの数年でも 「これがASTRO-Hの模型ですか?」(事故後何度も記者会見を開いたころ) 「日本のロケットのリストありますか?」 っての聞いたなあ。
2017-01-16 13:01:50
幸いにして、今なら詳しい人も中の人もTLにいる。いーかげんな人も適当な人ももっといっぱいいるが、受け手側のレベルも20年前よりは確実に上がってる。だからねー、「変わってないなー」と思いつつ、あのころよりは楽観的なんだおれ。
2017-01-16 13:03:55
継続的な取材が報道の質を上げた例も目の前で見た。他ならぬはやぶさのイトカワ着陸。一ヶ月以上に渡って何度となく行なわれたミッションの取材のため、相模原に毎回同じ記者が来る。記者だって馬鹿じゃない。どっちかってえと優秀なんだから、前回取材のことくらい覚えてる。
2017-01-16 13:05:38
はやぶさのイトカワ着陸は、似たようなミッションを数回繰り返した。前回来た記者には、前回の説明をベースにその先の説明が出来る。的川先生に、前回の取材経験をもとに新状況を聞いてそれに関する質問が出来るようになる。ありゃあ傍で見てて実に頼もしかった。
2017-01-16 13:07:29
大樹町では高度100キロ到達を目指して、ISTのロケット開発が進んでいる。地元だから、十勝毎日新聞の担当さんがいらっしゃる。こっちの開発だって何が起きるかわからないし、失敗は必ず起きる。ええ、みっちり説明させて貰いますとも。こちとら自前の発表手段だってあるんだし。
2017-01-16 13:10:46
今みたいな現場取材の話、こちらで無料公開中です。mangaz.com/book/detail/45… 宇宙へのパスポート、種子島、内之浦他いろんなところの宇宙開発現場取材レポート。タダだ、持って行け!
2017-01-16 13:14:01
大貫さん @ohnuki_tsuyoshi の記事にあった「失敗できるチャレンジ」というのはまさにその通りで、大型ロケットではできない革新的な技術を試す場としての存在はあると思う。ただ、失敗することが前提で作るわけではないので、失敗は失敗としての原因究明が必要というわけだ。
2017-01-16 13:26:23
ちょっと離れてメディアとしての捉え方をみてみると、先ほどの産経新聞の記事とは別にして、比較的肯定的に捉えているようにみえる。これは昨年の「あかつき」軌道再投入のときとよく似ていて、おそらくは「はやぶさ」効果がある程度まだ持続しているのではないかと想像させる。
2017-01-16 13:27:32
ただ、失敗していいわけではない。いつまでも「はやぶさ」の効果があるとJAXAが甘えていいわけではない。まず原因究明はもちろんとして、その状況を徹底的に公開することが必要かと思う。それは昨年の「ひとみ」の件と同様である。
2017-01-16 13:28:19
その意味でちょっと気になっているのは、宇宙研の「事故」がまた続いてしまったことである。特にまだ「ひとみ」の件で宇宙研をどう改革していくかがみえていない中で今回の事故になったわけで、この事故がそこにどう影響を及ぼしていくかが私としては気になっている。
2017-01-16 13:30:23
「ひとみ」、さらにいえば「あかつき」以降、宇宙研をどのように変革させていくのか、昨年の後半以降あまり情報が出ていないように思う。事故の背景には組織的な問題というのも必ずといっていいほど潜んでいる。今回の件も多かれ少なかれそれがある可能性もある。
2017-01-16 13:35:43
あともう1つ、メディアとの関係について。確かに、メディアを含め社会の見方が宇宙開発における失敗に好意的になってきたことは認める。「はやぶさ」や「下町ロケット」の影響は確かにあるだろう。しかし、全員がそうというわけではないことを宇宙関係者は肝に銘じる必要がある。
2017-01-16 13:36:54