書いたもの色々(とうらぶ二次創作)

まとめました。
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ひつじ @kaito07291981

何故僕らは笑っているのだろう。これから、僕も君もかけらもなく溶けて消えてしまうというのに。でも、格好悪い本音をいおう。これが最期だから。共にこの美しい光ヘ溶け落ちるなら幸せだ。それではしばし、暇を。願わくば、君がまた僕の隣で笑っていてくれますように! twitter.com/pear_22t/statu…

2017-01-18 00:38:39
ひつじ @kaito07291981

僕の声は彼に届かない。知ってるさ。だから、僕は息を潜めじっと待っている。一粒、一粒。彼の心を覆う鎧がはがれおちて。守りが薄くなったころには、きっと、僕の手がとどくところまで君は来ていると思うから。僕はただ、息を潜めて待っているよ。早く落ちておいで、長谷部くん。 twitter.com/pear_22t/statu…

2017-01-18 00:41:53
ひつじ @kaito07291981

君が笑う。黒い額縁の中、控えめな笑顔はひまわり畑で、あの夏の日僕が撮ったものだった。写真嫌いな子だったのにね、と彼の母親がそれを選んだ。彼と同じ紫の瞳に涙を浮かべて。黒い着物に細い体を包み込んで。彼女は、大事そうに、一人息子の遺影を抱きしめていた。

2017-01-18 20:59:34
ひつじ @kaito07291981

小さな葬式だった。親戚づきあいもほぼ無く、連れ合いとも早くに死に別れた喪主はぽつりと座っているだけで。なんだか、その光景が、無性に嫌になって。挨拶もできず、喪服のままその場から逃げ出すように駆け出した。耳元で、相変わらずお前は足が遅い、と笑われたような気がする。君が速すぎるんだ。

2017-01-18 21:03:29
ひつじ @kaito07291981

グレーのマフラーに顔を埋めながら、僕は必死に歩いた。見慣れた街角に君の姿を探すように。でも、見つからなくて。衝動的に叫び声を、あげそうになった。だって、きみが、いない。いないんだ、長谷部くん。どこにいるんだ。どうして、ぼくのとなりにいてくれないの。ひどいよ。ひとりにしないでよ。

2017-01-18 21:06:26
ひつじ @kaito07291981

唇を噛み締めた時、ふと、一軒の花屋が目に入る。店頭に並べられたのは、季節外れの黄色い花。彼と見たものより、一回りほど小ぶりだけれど。けれど、あの夏の日を思い出すには充分で。気がついたときには、店頭にあったその花をすべて買い占めて。黄色の花束を、抱えて駅のホームに立っていた。

2017-01-18 21:09:24
ひつじ @kaito07291981

駅へやってきた小さな古い電車は、君と乗り込んだものとそっくり。乗る人よりも降りる人のほうが多いそれに乗り込み、薄汚れた緑色のシートに座る。花束は、君の代わりに僕の隣へ。がたん、と電車が揺れるたびに。柔らかく僕の手の甲を花びらがくすぐった。

2017-01-18 21:12:28
ひつじ @kaito07291981

外の景色は徐々に、茶色く枯れていく。あの日には青々と美しかった田畑も静かに眠っているようだ。何もかもが違う。ただ同じなのは僕と、あのひまわり畑へ向かうこの電車だけ。この先どこも行きようのない駅で降りて。舗装も満足にされていない道を歩けば、今日の為磨いた靴は白く汚れていった。

2017-01-18 21:23:25
ひつじ @kaito07291981

ちらほら、鷺がいるぐらいで。この場所は相変わらず誰もいない。茶色い景色の中に真っ黒な男が目にも鮮やかな花束を抱えて歩いていく。滑稽な光景だろう。そう思うと、笑えてきた。そして丘を登りきると、あの花畑。朽ちた残骸ばかりが転がっている。きっと良い土の養分になるのだろう。

2017-01-18 21:29:48
ひつじ @kaito07291981

ぱきり、と足元で枝が折れた。その音で、体の緊張が解けて。ようやく、理解する。あの夏の日はもう戻らない。君は死んで。僕は、生きているから。もう、君はいない。砂時計の砂を、押しとどめることは出来ない。 腕からこぼれ落ちた花束は、色あせた世界で唯一鮮やかで。目に痛いほどだった。

2017-01-18 22:00:05

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