大学生まくちゃと新社会人ゆたくんの話

하래 @hareon930

幼い頃に遊んだ、僕の手を引きながら僕に向かって笑いかけてくれる、満開の桜の下で笑う美しい男の子。僕より少し年上の彼は、今もまだ夢に見る、僕の初恋の人だった。 大学生になりたてまくちゃ(18)と、新社会人ゆたくん(22)が一人暮らしを始めたら部屋が隣で再会する話。 pic.twitter.com/RFRxq0sDou

拡大

拡大

拡大

拡大

하래 @hareon930

引っ越しが終わり、やっと一息ついた所で、お隣への挨拶を忘れてたことに気付いた。口うるさい母親に持たされた引っ越し蕎麦を持って、ため息をついて立ち上がる。入学式のために初めて買ったスーツはまだ自分には似合わない。お隣さんが優しい人だと良いんだけど。緊張しながらドアをノックした。

하래 @hareon930

「あーはいはい今出まーす！」部屋の中からそんな声が聞こえる。明るい男の声だ。出てきたのは、柔らかい雰囲気の綺麗な男の人。なんだか目を見るのが怖くて俯きながら自己紹介する。「まくって言った？」「俺、ゆた！覚えとらへん？昔近所に住んでてんけど！」懐かしい思い出がフラッシュバックする。

하래 @hareon930

外国から来たばかりで全然友達がいなかった僕に、拙い英語で話しかけてくれた。砂場で1人で山を作ってたら一緒に作ってくれた。「まく、英語できるんかっこええなぁ」って頭を撫でてくれた。「まくの友達第1号が俺なん、めっちゃ嬉しい！」そう言って笑いかけてくれた。初めての友達、僕の初恋の人。

하래 @hareon930

彼の周りにはいつも人がて、いつも遊びに誘われてたけど、それを断って僕の所に来てくれた。手を繋いで近所の駄菓子屋に行って2人でお菓子を選んだ。1人いくらまでか決めてお互いにあげたいものを買って、2人でブランコで食べた。格好良くて可愛くて優しいゆたひょんのおかげで僕は寂しくなかった。

하래 @hareon930

その彼が昔と変わらぬ笑顔で僕に笑いかけてる。「…ゆたひょん？」「そうやで〜久しぶり〜会いたかった！」僕を抱きしめてくれる温もりに涙が出そうになる。ひょんから香るシャンプーの匂いに少しドキッとした。「今日からお隣さんやね！いつでも遊びにおいで！」最高の一人暮らしが始まりそうな予感。

하래 @hareon930

入学式の日、ドアを開けるとちょうど彼も家を出るところ。高校の同級生ヘチャニに爆笑されたスーツ姿をみてにっこり笑った彼は「かっこええなぁ〜。」と頭を撫でてくれた。また心臓が音を立てる。ひょんのスーツ姿は最高に素敵だ。世界中の人に自慢したい、彼が僕のお隣さんだよ、初恋の人だよって。

하래 @hareon930

自分が着られてるスーツを、着こなしてるひょんはすごくかっこいいのに、僕を見つめて笑ってくれるひょんはかわいい。いつかひょんの隣に自信持って立てるようになりたい。癖が抜けないのか、ひょんは事あるごとに僕の頭を撫でてくれる。抱きしめてくれる。自分がどう思われてるかも知らないで。ばか。

하래 @hareon930

頭撫でられてる時の嬉しいけど顔に出さないようにしてるまくちゃの顔(上)と、世界中にひょんを自慢したいまくちゃのどや顔(下)。 pic.twitter.com/lvNkeka3mm

拡大

하래 @hareon930

全然自炊できない僕に、"作りすぎてん"っておすそ分けしてくれるおかずはすごく美味しい。最近は、夕飯はどちらかの部屋で一緒に食べるようになった。2人で食べてると美味しくて、まるで同棲してるみたいでドキドキした。僕の口の周りを拭く顔が近い。キスしようと思えばできる距離。できないけど。

하래 @hareon930

ある日部屋のドアをノックすると、知らない男の人が出てきた。綺麗な人。「あ、え、と…ゆたひょんは…」あぁなんでこんなに人見知りなんだよ僕。「ゆた？今お風呂入ってるんだ、部屋上がって待つ？」まるで一緒に住んでるみたいな言い方をする彼に少しカチンときた。僕の方がひょんと仲良い。はず。 pic.twitter.com/v3SBpa45Tg

拡大

拡大

하래 @hareon930

「い、いいです、また来るので。」そういって自分の部屋に戻ってライオンのクッションに顔を埋める。ゆたひょんが僕に似てるって買ってくれた宝物。なんだか2人の関係が気になって仕方がない。あの人ゆたひょんの何なんだ。2人が並んだらそれはもうお似合いなんだろうけど。あぁ、もう。恋って厄介。

하래 @hareon930

あの人がひょんの部屋に来てから、僕の知らないひょんを知りたくて、先輩のこと、同僚のこと、後輩のこと、全部教えてもらった。あの人がひょんの大学の同級生で同僚だって分かったから一安心。だけど、確実にあの人はひょんのこと好きだ。ライバルは多いみたい。思ったより僕の初恋は前途多難かも。

하래 @hareon930

それからまくちゃを慌てさせる人たち。 🔥はOL系重め男子、🐶は腹黒愛想振りまき狂気系男子、🐥はかわいい自分が好かれるって分かってる系腹黒男子。 イケメンだし押しも強いけど、ゆたは何故か絶対まくとご飯を食べたい。「早く帰って一緒にご飯食べたい子がおるから」って全部断る。 pic.twitter.com/2ZD5UiQZKg

拡大

拡大

하래 @hareon930

誰かに言い寄られても、ゆたは絶対に靡かないし、飲み会も強制の物以外には行かずにまくのところに帰る。 まくに小さい頃にされた、"大きくなったら結婚してください"っていうプロポーズを覚えてるから。シロツメクサの冠を2人で被って、茎で指輪を作った、小さな結婚式。２人だけの世界。

하래 @hareon930

「あほやなぁ、おれ」俺だけが覚えてて、まくは忘れてるかも知れへんのに。あの時、プロポーズしてって言ったのは小さな俺。 どうなったら大きくなったって言えるん、直接聞いてみたいけど、少し怖いから、今日もご飯を作って彼を待つ。 早く扉をノックして、お隣さんの君、年下の君、俺の初恋の君。