伊達市民のガラスバッジデータを航空機モニタリングによる空間線量率と比較した宮崎・早野論文の紹介記事がScienceのニュースに出たので和訳しました

Science誌の2017年1月23日付けニュース記事 "Fukushima residents exposed to far less radiation than thought" http://www.sciencemag.org/news/2017/01/fukushima-residents-exposed-far-less-radiation-thought Journal of Radiological Protection誌に掲載された原論文 続きを読む
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ryugo hayano @hayano

Fukushima residents exposed to far less radiation than thought | Science誌のニュースに伊達市のガラスバッジの解析結果(宮崎・早野論文)が取り上げられました sciencemag.org/news/2017/01/f…

2017-01-24 12:41:28
ryugo hayano @hayano

The paper has been downloaded nearly 16,000 times in less than 2 months bit.ly/2jrivMg bit.ly/2jr8pex

2017-01-24 12:47:49
あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 @kikumaco

宮崎・早野論文についてのコンパクトで分かりやすいまとめがScience誌に出ました。英語だけど易しいのでぜひ。 sciencemag.org/news/2017/01/f… 問題はこのレベルの日本語の解説記事が全国紙にも雑誌にも出ないこと。日本のマスコミは意図的に無視しているのではないか?

2017-01-24 13:01:45
あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 @kikumaco

ちなみに、航空機モニタリングそのものの校正は、文科省が行なった(実働は全国の原子核実験グルーブ)網羅的な土壌測定と線量率測定に基づいている・・はず

2017-01-24 13:05:57

航空機モニタリングは2011年4月29日現在(第1次)から2015年11月4日時点(第10次)まで10回の実測が行われ、結果を元に空間線量率、セシウム134、セシウム137、セシウム134+137の4種類のマップが作られてここ
http://ramap.jmc.or.jp/map/
に公開されています。スライドを左から右に動かすと、時間とともに物理的減衰+風雨による移動=ウェザリング+除染により線量が下がってきているのがわかります。論文では、2011年11月5日現在(第4次)から2014年11月7日時点(第9次)までの6回のモニタリング結果を個人線量データとの比較に使用しました。

一方、2011年6-7月に全国の原子核実験物理の研究者たちと大学、研究機関、企業の放射線研究者たちが合同で福島県下の大規模土壌調査が行われました。得られた結果をもとに描かれた土壌汚染地図はこのページ
http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/list/338/list-1.html
の「文部科学省による関連報道資料」で見ることができます。
この調査に関わった原子核実験物理学者たちのつぶやきをこちらのまとめの後半に収録してありますのでご一読ください。

まとめ 3.11後の福島県下での原子核実験物理学者たち 震災と原発事故直後の福島県下では、全国から集まった原子核実験物理学者が原子力災害対策本部に協力してサーベイメーターを使った避難所での緊急被ばくスクリーニングや小児甲状腺スクリーニングにあたりました。この活動に参加されたお二人のツイートを手元のRSSリーダーに残るリツイートから拾ってまとめました。 事故直後のボランティア活動は、その後原発から半径80 km以内の2000カ所以上から10000点をこえる土壌試料を採取して分析し、土壌汚染地図を作成するプロジェクトへと発展して行きます。お二人のうち一方がこのプロジェクトの土壌分析も担当しておられましたので、こちらに関連するツイートもあわせて収録させていただきました。 25685 pv 320 7 users 23
nao @parasite2006

Science誌に出た宮崎・早野論文iopscience.iop.org/article/10.108… の英文解説記事sciencemag.org/news/2017/01/f… どうしても英語だと敷居が高いという方のために日本語化してみました。以下連投します。

2017-01-24 13:35:09
nao @parasite2006

Citizen science usually isn’t this personal.:市民の科学がここまで個人的なものになることは、普通はないものだ。

2017-01-24 13:36:57
nao @parasite2006

2011年、東北の地震と津波をきっかけに、損傷し稼働不能となった原発の近くに住む日本の市民約65,000人が自らの被曝線量の測定を始めたのである。理由は、誰一人、専門家ですら、伝統的な線量推定法(数百m上空から航空機で測定)が本当はどの程度正確かわかっていなかったからであった。

2017-01-24 13:48:43
nao @parasite2006

今回、前例のない研究で、何千人もの市民の測定値を解析した科学者は驚くべき結論に達した:日本のこの地域における航空機モニタリングによる観測結果(からの推定値)は、真の被曝量を4倍過大評価していたのである。

2017-01-24 13:53:47
nao @parasite2006

「これらの研究者達が行っている研究は極めて重要なものだ。被曝の可能性がある人一人一人の抽出とモニタリングを行うことは物量面では困難だが興味深くやりがいのある仕事だからだ」と、オレゴン州立大学核科学工学部の認定保健物理学者Kathryn Higleyは述べている。

2017-01-24 14:16:21
nao @parasite2006

(「認定保健物理学者」と訳したCertified Health Physicistは American Board of Health Physics=米国保健物理学委員会が認定する資格で、物理学、工学、生物学の学士号と6年の実務経験に3名の推薦と論文、筆記試験合格が要求される)

2017-01-24 14:24:58

American Board of Health PhysicsホームページのCertified Health Physicistの資格試験情報コーナー
http://www.hps1.org/aahp/boardweb/guide.html

nao @parasite2006

(オレゴン州には1993年に廃止され解体作業が進行中のトロージャン(Trojan)原発がありrist.or.jp/atomica/data/d… マンハッタン計画でプルトニウムの精製が行われたワシントン州南東部のハンフォードも州境に近いことから、州立大学に核科学工学部があるのかも)

2017-01-24 14:38:18
nao @parasite2006

原発事故後に個人線量のモニタリングが行われることはまれである。事故後周辺地域に避難指示が出される場合もあれば、個人線量計と呼ばれる個人用センサーを配布する費用と手間がかかりすぎる場合もある。

2017-01-24 14:43:46
nao @parasite2006

ウクライナのチェルノブイリのような場所で個人線量の測定値を集めたわずかな研究にも限界があった。大半の研究は対象集団の規模が小さく、事故が起こった場所から遠く離れた所や事故のずっと後になって実施された研究が多い。航空機モ二タリングなら実施が容易で費用も安く時間もかからない場合が多い

2017-01-24 14:50:03
nao @parasite2006

しかし、6基の原子炉を持つ福島第一原発からわずか60 kmの伊達市では、事故の1,2カ月後に自治体が放射線モニタリング活動を開始したのである。仁志田昇司市長が主な支援者の一人であった。

2017-01-24 15:00:01
nao @parasite2006

市長は2014年のIAEA主催の会合で、放射線サーベイの結果放射線量が避難指示が出た近くの町と同程度であることがわかったのに、自身の市に避難指示はついぞ出なかったと説明した。「国に頼らず、独自の行動を取らなければならないと決意した」と、仁志田氏は会合で述べた。

2017-01-24 15:07:14

これは2014年2月17-21日にウィーンのIAEA本部で開催された「福島第一原発事故後放射線防護に関する国際専門家会議」のことで、このときの伊達市長の発表内容が伊達市ホームページ
http://www.city.date.fukushima.jp/soshiki/5/5359.html
に公表されています。

nao @parasite2006

仁志田市長は伊達市に対し独自の除染活動と個人線量のモニタリングを指示し、2011年5月に市の資金10億円をこのプロジェクトに配分したのである。

2017-01-24 15:10:41
nao @parasite2006

仁志田市長の命令のもと、まず妊婦と年齢16歳未満のこどもに線量計、すなわちキャンディバー(キットカットやSLICKERSのようなヌガーやナッツにチョコレートをかけたお菓子)と同じ大きさのガンマ線測定用センサーが渡された。

2017-01-24 15:18:07
nao @parasite2006

ガンマ線はセシウムのような放射性元素が放出する高エネルギーの電磁波で、DNAを損傷しがんを引き起こす可能性がある。こどもと将来の母親に約9000個の線量計の配布を終えた伊達市当局は配布プロジェクトを拡大した:2012年までに伊達市の約65,000人の住民ほぼ全員に配布したのである

2017-01-24 15:24:39
nao @parasite2006

住民はデータ解析のため3カ月ごとに線量計を返却し、52,000人以上の住民が少なくとも1年間にわたって調査に参加した。

2017-01-24 15:26:40
nao @parasite2006

一方、国による福島県下の航空機による放射線モニタリングが6回実施された。ヘリコプターに取り付けたセンサーが地表面の放射性セシウムを測定し、研究者がデータを変換して地表面の予想線量を求めた。

2017-01-24 15:36:47
nao @parasite2006

多くの人は大半の時間を屋内で放射線を吸収する建物により防護されて過ごすところから、政府の科学者はさらに、多くの人が実際に受ける放射線量は60%にすぎないと仮定した。この推定は、人は毎日8時間を屋外、16時間を屋内で過ごすという標準的仮定に基づくものであった。

2017-01-24 15:42:05