【その瞳のなかにも】福間健二 #k2fact159

12月20日からリスボンに行っていて、1月7日に戻った。ポルトガル、いよいよぼくにとって大事な場所になってきた。ポルトガル映画、心づもりにしていたよりもたくさん見ることができたが、それ以上に、今回、詩人ペソアと小説家サラマーゴにこれから徹底的につきあってみようという気持ちになった。その思いとかさなるように、自分の書くものを変化させたいとも考えている。1月15日からこのツイートを書きだした。朝、なかなか調子が出ない。夕方にやっとできるということが多かった。それでも休まずに書いていこうと思った。こういうとき、休んだらそのままズルズル休みつづけてしまいそうな気がし他のだ。 音楽は、内容とも自分の状態とも関係なしに選んだが、悲しい歌を連打しているJhené Aikoの「Eternal Sunshine」。 https://www.youtube.com/watch?v=fhyTw-1aieQ
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福間健二 @acasaazul

疑いながら自分のじゃない体と心を灰にして生きることがつづく「炎の庭」に退屈する夜だ。歌いながら、ではない。やきとりのねぎまと砂肝が、ウイスキーが、おいしすぎる。月がきれいすぎる。最上階の窓に姿が見える。よい生徒。でも学習に飽きたみたいだ。(その瞳のなかにも1)#k2fact159

2017-01-15 13:46:06
福間健二 @acasaazul

動く。それが生きること。表現する。それが存在すること。学びすぎたペソア、この東京ではすぐに遮光カーテンのうしろに隠れる。学ばない二十日娘たち、ネズミ時代は卒業したのか。早く生る実もおいしいことがある。空が澄んでいる。だからこんなに寒い。(その瞳のなかにも2)#k2fact159

2017-01-16 18:50:37
福間健二 @acasaazul

それぞれに目的を見失った身の売り方に困りながら、一晩、しっかりムラサキの姫君になって、泥のなかに消える。ムラサキ、技法としての絹、作品化するひび割れでも膠着は解決しない。西部劇。軌道にこぼれるガラス玉。三人の姫君。どれも戻れない夢なのだ。(その瞳のなかにも3)#k2fact159

2017-01-17 17:37:28
福間健二 @acasaazul

苦しみながらもぼくたちは大きすぎるスリッパで世界をさまよい、踊ってクモの巣を払った。古典主義も経済効果もくそくらえの、エミリーとぼく。安ホテルにしては丈夫なタオルが用意されている。好爽。柑橘類の香りだ。役目の終わった引き金に指をとられて。(その瞳のなかにも4)#k2fact159

2017-01-18 18:22:04
福間健二 @acasaazul

存在した。目ざめると月でも太陽でもない装置のうしろにまわって。必要なのは流れるのをためらう水と「好きだ」。存在する。皮膚がむずむずする。黙れない征服者とおなじテーブル。おじさん、妖精に会ったことは。もちろん、ある。森によく行っているから。(その瞳のなかにも5)#k2fact159

2017-01-19 18:08:29
福間健二 @acasaazul

白い花、まだ枯れずにいたのか。騒音と光線に方向を欺かれながら。燃料の種類。裸の、胸。浮力の計算。選択すること。日曜日からの泡立つ事実に乾いた手を近づけながら、自分はもういないのだと思うぼくがいる。濡れていい。枯れていい。離散のときだ。(その瞳のなかにも6)#k2fact159

2017-01-20 13:51:03
福間健二 @acasaazul

冬の多摩川に浮かんでいた指が描く三角形、どういう防御手段なのか。割れても飛びちらないガラスの体。ひび割れの線が網の目になって、外出すると財布を忘れていた。千円もらって無駄遣いしないように遣ったが、百円どこかでなくした。嘘をつく三角形も。(その瞳のなかにも7)#k2fact159

2017-01-21 17:41:31
福間健二 @acasaazul

国立から東中野まで。三九〇円。東中野から阿佐ヶ谷まで。一六〇円。阿佐ヶ谷から国立まで。三一〇円。百円落としていまポケットに銅貨が四枚。側面から側面へ。わずかな収穫を確保して水で酔い、期待した楕円をズタズタにする横断線の不幸を噛みしめる。(その瞳のなかにも8)#k2fact159

2017-01-22 10:24:38
福間健二 @acasaazul

謎は解かない。理由はいらない。必要なのは、迷い方のプログラム。握れる石といくつかの道具、いくつかの偶然の出会い。ありがとう。モモ、ネパールの餃子をごちそうしてくれ、「返さなくていいよ」とジェイムズきょうだいの思い出と千円を渡してくれた人。(その瞳のなかにも9)#k2fact159

2017-01-23 22:20:11
福間健二 @acasaazul

その瞳のなかにも、廊下とたくさんの病んだ足が使った「人生」の放り込まれた箱。印刷ではなく画面を走るヘンリーとウィリアムの言葉。弱い心を武器にして。廊下の突き当たりのドアの向こうの、なんの比喩でもない青い山。棄てられてもそこに行けるのだ。(その瞳のなかにも10)#k2fact159

2017-01-24 11:51:38