開米の読解力図解力講座 on twitter 、第2回

すっっかりおなじみ開米さんの読解力図解力講座のtwitter版 じんわりはじまった第2回です。 第1回 http://togetter.com/li/107523 第3回 http://togetter.com/li/107711 続きを読む
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開米瑞浩 @kmic67

開米の読解力図解力講座 on twitter 、第2回 (いつからシリーズ化したんだろうww)

2011-03-02 15:25:25
開米瑞浩 @kmic67

第2回の出題いきます。課題テキストは以下の通り

2011-03-02 15:26:45
開米瑞浩 @kmic67

「太陽光発電の3つのメリット」 (1)二酸化炭素の排出量を抑えることで、低炭素社会を目指そう (2)経済効果が大きい! 幅広い雇用効果も期待されます (3)日本で使う電気は日本で作る、エネルギー自給自足国家へ

2011-03-02 15:27:48
開米瑞浩 @kmic67

以上、この3か条が課題テキスト。ちなみに原本は、経済産業省のサイト→ http://bit.ly/eWQXAL に載っている電子ブックの7ページにあります

2011-03-02 15:29:04
開米瑞浩 @kmic67

で、設問ですが、この3か条にそれぞれ何か適当な見出し(ラベル)をつけて、「太陽光発電を行うことには、○○○○、○○○○、○○○○ という3つのメリットがあります」 と一文で言えるようにしたい、というものです。3か条の原文のままだと長すぎるので、10文字以下程度の見出しが欲しい

2011-03-02 15:31:37
開米瑞浩 @kmic67

というわけで(1)~(3)のそれぞれに当てはまる見出しを考えてください、というのが出題です。 比較的簡単な問題ですが、これを普通に答えると、(3)の見出しだけちょっと違和感を感じるかもしれません。 まあ、感じないかもしれませんが。

2011-03-02 15:34:21
開米瑞浩 @kmic67

この問題では実は、ある知識を持っているかどうかによって (3) につける見出しが変わってきます。 見出しをつけることで、「その人の背景知識や価値観、それを通じたこの問題への理解の違い」 が浮かび上がる事例の1つ。

2011-03-02 15:36:49
開米瑞浩 @kmic67

それがわかるから「見出しをつける」ことには意味があるんですね。

2011-03-02 15:37:07
開米瑞浩 @kmic67

では、解説は今夜10:00ごろ行います(^_^)/ それまでしばし離脱!

2011-03-02 15:37:36
開米瑞浩 @kmic67

そしてワタシはうどんを食べに行く・・・・(笑)

2011-03-02 15:37:56
開米瑞浩 @kmic67

10時になりましたがちょっとメール処理に時間が取られていて、本日の出題の解説が遅れております。

2011-03-02 22:17:06
開米瑞浩 @kmic67

さて、それでは、今日の午後3時ごろにtweetで出題した「太陽光発電のメリット」問題の解説行きます。

2011-03-02 22:24:35
開米瑞浩 @kmic67

まず、ストレートに発想しやすい解答としては、(1)低炭素社会、(2)経済効果、(3)エネルギー自給自足 というものがあります。 これを使うと 「太陽光発電を行うことには、低炭素社会の実現、経済効果、エネルギー自給自足 という3つのメリットがあります」 と言えます。

2011-03-02 22:27:48
開米瑞浩 @kmic67

まあ、これはこれでいいのですが、ここで少し考えてみましょう。 「1)低炭素社会を実現できます! 2)経済効果があります! 3)エネルギーを自給自足できます!」 と3つ並べたとき、「自給自足」だけは、メリットとしてのアピール力が弱い可能性があるんですね。

2011-03-02 22:29:43
開米瑞浩 @kmic67

たとえば、東京駅の前を歩いている人100人ぐらいにこういう質問をしたとします。 「はい、みなさん、自給自足の生活をしたい方、手を上げてください!」 ・・・果たして本気で手を上げる人は何人いるでしょうか? 100人に1人もいないでしょう。

2011-03-02 22:31:52
開米瑞浩 @kmic67

「自給自足」というのは現代社会においては事実上、世捨て人の生活です。 それらしいことを叫ぶ環境派がいないわけではありませんが、実際のところ真面目に考える対象にはなりません。

2011-03-02 22:33:49
開米瑞浩 @kmic67

まあ、「エネルギー」に限定しての「自給自足」なら、まだ可能性はあります。が、「自給自足」という概念自体は、「経済効果」や「低炭素社会」に比べると、共感を得にくい言葉であることには注意しておきたいところ。

2011-03-02 22:36:51
開米瑞浩 @kmic67

そこで、私だったら 3)にはこういうラベルをつけるでしょう。自給自足ではなく、「エネルギー安全保障」 と。

2011-03-02 22:37:33
開米瑞浩 @kmic67

「エネルギー自給自足」の本当の意味は「安全保障」であると。 一例を挙げれば、エネルギーをある程度自給自足できていれば、中東で軍事衝突が起こってホルムズ海峡が通行不能になり、原油輸入が半年止まっても大慌てしなくて済みますよ、という話です。

2011-03-02 22:41:37
開米瑞浩 @kmic67

この問題を作ったのは実は2年前なのですが、当時はあまり考えなかったこういう事態があながち冗談でもなくなりつつありますね、というのは余談。

2011-03-02 22:43:43
開米瑞浩 @kmic67

さて、もう一度第3項の原文を見直します。 (3)日本で使う電気は日本で作る、エネルギー自給自足国家へ ・・・・これが第3項でした。

2011-03-02 22:44:50
開米瑞浩 @kmic67

仮にこの第3項について、AさんとBさんが両方とも「私もそう思う。それは良い目標ですね! 同意します」と言ったとします。 この段階では、AさんとBさんの意見は一致しているように見えます。

2011-03-02 22:46:36
開米瑞浩 @kmic67

が、そこで第3項にラベルをつけます。 するとAさんは「エネルギー自給自足」というラベルをつけ、Bさんは「エネルギー安全保障」というラベルをつけたとしましょう。 この場合、おそらくAさんとBさんは第3項を別な意味に理解してるんですね。

2011-03-02 22:48:07
開米瑞浩 @kmic67

第3項の原文については「異議無し。同意」と言ったとしても、ラベルをつけてみると違う理解をしていたことがわかる。という、こういう例は珍しくありません。 「ラベル(見出し)をつける」というのは、目立たない「意見の違い」を表に出す手段として非常に有効なのです。

2011-03-02 22:49:45