女流作家アンソロジー企画『わたしたちの不穏』

女流作家による、読み終えて世界がぐらりと揺らぐような作品集『わたしたちの不穏』 アンソロジーコンテスト2017に向けて企画した内容をまとめてみました。どこか出してくれないかなあ。
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らっぱ亭 @RappaTei

女流作家による、読み終えて世界がぐらりと揺らぐような作品集『わたしたちの不穏』 #アンソロジーコンテスト @WasuiMatui2014 シャーリー・ジャクスン「意味の多様性の七類型」 今村夏子「あひる」 キジ・ジョンスン「ポニー」

2017-01-14 23:33:50
らっぱ亭 @RappaTei

シャーロット・パーキンス・ギルマン「黄色い壁紙」 キャロル・エムシュウィラー「石造りの円形図書館」 ケイトリン・R・キアナン「水たまり」(未訳) 恩田陸「東京の日記」 マーガレット・セントクレア「アイアン砦」 リサ・タトル「きず」

2017-01-14 23:34:14
らっぱ亭 @RappaTei

ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」 キット・リード「ぶどうの木」 そして解説は是非とも岸本佐知子さんで。

2017-01-14 23:34:49
らっぱ亭 @RappaTei

『わたしたちの不穏』女流作家による、読み終えて世界がぐらりと揺らぐような作品集。何気ない日常に潜む陥穽、忍び寄る悪意と狂気、ひそやかに進行する陰謀と張り巡らされた罠、怪異と超自然の緩やかな侵略と世界の変容。個人から世界まで、様々なレベルで描かれる不穏に戦慄せよ!

2017-01-25 15:33:41
らっぱ亭 @RappaTei

冒頭のシャーリー・ジャクスン「意味の多様性の七類型」では本屋を舞台としたさりげなくも思いがけない悪意が突き刺さり、続いてはゆるい日常の描写の隙間から覗く不穏と軋みが見事な今村夏子「あひる」、寓意と現実をあいまぜに学校の女子グループにまつわるイヤ話を綴ったキジ・ジョンスン「ポニー」

2017-01-25 16:53:56
らっぱ亭 @RappaTei

シャーロット・パーキンス・ギルマン「黄色い壁紙」では正気と境界のあわいで黄色い壁紙のなかをくねくねと這い回るおんなのイメージが強烈だ。キャロル・エムシュウィラー「石造りの円形図書館」では老いによる惚けと幻想に浸食された現実が美しくも容赦なく描かれる。

2017-01-25 17:02:00
らっぱ亭 @RappaTei

雨も降らないのに日々大きくなっていく不気味な水たまり。ケイトリン・R・キアナン「水たまり」では、日常の隙間に忍び込むささやかな怪異に揺さぶられる。一方、恩田陸「東京の日記」では外国人の目からみた東京の日常から、じわじわと不穏な世界の状況が浮かび上がってくる。

2017-01-25 17:09:09
らっぱ亭 @RappaTei

マーガレット・セントクレア「アイアン砦」どことも知れぬ砂漠の朽ちかけた砦に配属された少佐は、やがて謎の敵との不可思議な戦闘がいつの間にか進行していることに気付く。緩やかに高まってくる不気味な不条理感が堪らない。

2017-01-25 17:14:04
らっぱ亭 @RappaTei

リサ・タトル「きず」年下の友人ができたバツイチのオーリンはある朝ベッドに少量の血痕を認め、動揺する。きずが開きつつあるのだ...。通常小説めいた導入部に、私たちのこの世界との微かなずれが忍び込んできて、やがて読者は愕然とすることとなるだろう。

2017-01-25 17:17:37
らっぱ亭 @RappaTei

入院中に聞かされた奇妙で不穏な物語、ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」は現実の底を抜くイヤ度満点の展開がぎちぎちと心を締め付けてくる闖入者ものの白眉。

2017-01-25 17:40:58
らっぱ亭 @RappaTei

そしてラストをしめくくるのはキット・リードの不穏な傑作「ぶどうの木」何世紀にもわたって代々ぶどうの巨木の世話をするバスキン一族。淡々と語られる一族の歴史に、忌まわしくも逃れがたいぶどうの木との奇妙な関係が見え隠れしながら、やがて救いのない破局へと展開していく。

2017-01-25 17:44:51