(新連載まとめ8)朝の三分小説〜おかん〜(海賊とわさび編)

カメックスシ @agodenderu

おかん105 おかんは大糸線をさらに南へ、安曇野のわさび畑が広がる穂高駅に降り立った。駅前にいたのはわさび漬けのような顔色をした労働者ばかりである。 「よお、あんたわさびを買いに来たのか、わさび奴隷を買いに来たのか、どっちだい」 声をかけてきたのは傭兵風のTシャツを来た男である。

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おかん106 おかんがどちらにしようか考えていると、上空から船が飛んで来た。その船の帆にはドクロと星のマーク、つまり宇宙海賊という訳だ。船は傭兵風のTシャツの男を跳ねてから駅前の奴隷屋に突っ込んだ｡ 「はじめまして長野県安曇野市の皆さん、宇宙海賊夏の夕暮れです」

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おかん107 艦首のうえで船長らしきオヤジがカラオケを始めると宇宙海賊達は奴隷を強奪し始めた。おかんもどさくさ紛れにわさびとかを漁り始める。 「なんだお前ら、わさび持ってるから奴隷だな」 おかん達もわさび奴隷と間違われて海賊船に投げ込まれてしまった。

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おかん108 おかん達はドリンクバーのある牢屋に入れられ、どこかへ運ばれている様だ。 「どこかってどこなのさ、働くのだけは嫌なんだけど」 「無理な話ですね、貴方達はブロッコリーと恐竜養殖センターで毎日九時間の労働をさせられるのです」 おかんの疑問に答えたのはでかいルンバだった。

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おかん109 「ふざけんな誰がブロッコリーなんか養殖するかボケ」 と緑色の老人が抗議すれば 「なら死ね」 とでかいルンバがタックル殺してしまった。 「ひぃぃぃ」 おかんはただでかいルンバが気を使って再生してくれたドラえもんのビデオを黙って見ているしかなかった。

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おかん総集編十九 自分の意思で漆黒おかんになる事が出来ないおかんにはドラえもんのビデオを見ることしか出来なかった。だが、この宇宙海賊船から脱出するにはでかいルンバさんをなんとかしないといけない。でもドラえもんも見たい。

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おかん110 おかんがでかいルンバさんをどうしようかとドラえもんのビデオを見ていると奴隷ルームに一人の海賊が飛び込んできた。 「船長、センターに着きました」 「では降りましょうか皆さん」 とでかいルンバさんの指示で外に出ると恐竜達は鳥類に進化して、さらなる鳥人への進化をしていた。

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おかん111 ブロッコリーと恐竜養殖センターでは鳥人達の卒業式が行われていた。 「先生、今まで育てて頂きありがとうございます。これからは社会人としてここでの経験を生かしていきたいと思います」 「えっあっおぉ頑張って下さい」 でかいルンバさんは少し困惑したが生徒の巣立ちを祝福した。

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おかん112 「先生、俺卒業したら実家のコールセンターを継ぐんだ」 恐竜時代に一番荒れていた岡本くんも進路が決定していた。 さて無事に生徒を見届けた海賊達の前に心の綺麗なヤクザが現れた。 「海賊の皆さん大人しく奴隷をわが社に返してもらいましょうか。返せないなら死んで貰いますがね」

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おかん113 「仕方ない、返そうじゃないですか」 でかいルンバくんは大人しく引き下がった。 「ちょっと待ちよ、ワタシドレイジャナイ」 「なんだね君は」 「おかんです」 心の綺麗なヤクザの背後には七つの焼売が浮かび上がった。 「刃向かう物はこの焼売七武天で殺すよ」

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おかん最終回編 ついにスーパーしがと最終決戦、川中島にはおかん軍一万(米軍が二割)とベースとドラムとキーボードで編成されたスーパーしが軍が対峙していた。両軍の歌声は共鳴して富士山を噴火へと導いてしまった。 山梨と静岡の観光業者は激怒、おかんとスーパーしがは袋叩きにされてしまった。

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おかん114 焼売七武天は七つの焼売を同時にコントロールする高度な技である。そして、焼売の属性が炎・聖であったのに対しておかんの属性は闇なのでおかんにはダメージ二倍。しかし、レッカー車に変形することで属性は地・風に変化、おかんの逆転だ。 「スーパーレッカーアタック」

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おかん115 心の綺麗なヤクザは燃えながら三メートル吹き飛んだ。 「あなたとんでもないことしましたね。それはドラゴングループのヤクザですよ」 でかいルンバさんがドーナツ百円セールの時くらい動揺した声で言った。 そして、心の綺麗なヤクザから焼売が一つ飛び出して報告しに飛んで行った。

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おかん116 ドラゴングループは長野県松本市を中心に展開するコロッケ屋から派生する企業群であるが、実質的にマフィアであり、その頂点に君臨するのがドラボーロ氏だ。ドラボーロ氏は長野四天王の一人であり、その実力は一日にごはん三合を食べる程である。(朝食はパン)

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おかん117 「つまり君は相当ヤバいやつに命を狙われる羽目になったのさ」 「いや、いつもの事だしね」 「船長、矢文が飛んで来ましたゼ」 どうやら送り主はドラボーロ氏本人のようだが、その矢文が松本城から放たれた物だとは誰も思わなかった。その後、矢文が届いたか確認の電話が来た。

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おかん118 「ドラボーロ氏ですけど。君達が我々に刃向かった事も松本城まで謝りに来たら許してあげよう。まあ来なかったら死ぬんですけどね。待ってます」 ドラボーロ氏は言いたい事を言って電話を切った。 おかん達は覚悟と決断を迫られた。 「海賊とわさび編」完 「松本城攻防編」へつづく

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おかん総集編二十 ドラゴングループの主な悪事 ・わさび奴隷貿易 ・アルキメデス破門 ・生もみじの密輸 ・住宅街での戦闘行為 ついにドラボーロ氏率いるドラゴングループとおかん、でかいルンバさん率いる宇宙海賊との全面戦争が「松本城攻防編」で実現する。どっちが勝っても松本市がヤバい。