白い男の話

怪談です。蛇囚人リスペクトです。
長文 怪談 ホラー
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李氏 @BLUEPANOPTICON
深夜なので怪談話でも一つ
李氏 @BLUEPANOPTICON
大学の先輩OBから聞いた白い男の話
李氏 @BLUEPANOPTICON
先輩の社会人としての最初の何年かが過ぎたころ、高校時代の友人とひょんなことで連絡がついて、久々に会おうということになって、都内の喫茶店で思い出話に花を咲かせてたりして。二月くらいだったかな。
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そこで高校卒業後のあれこれに話が及んで、お前大学にも行かずになにしてたんだよと先輩が聞いたのね。卒業後は派遣職で転々としてという感じだとは噂で聞いていたから。
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「まぁいわゆるフリーターみたいなもんだよ。最近は仕事がないけど」まぁ景気も良くないしなって先輩が返すと。いやそれもあるけどそれだけじゃないんだよと。どうも前の職場での体験が尾を引いてるみたいなんだよと。先輩も興味持ったみたいで詳しく聞かせてくれってなったのね。
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「前の職場って言うのはさぁ、たまに見るじゃない、チェーンとかじゃないタイプの個人経営のコンビニ」「時給も相場からしてみれば相当に割がいい方で、確か1200くらいは行ってたかな」
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「でさ、面接もいい感じでね。店長も優しそうだし、お客さんも少ないし。こりゃいけるわって」「まぁ踏んできた場数が違うから、雰囲気というかそういうもので分かることも少なくない訳よ」
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うんうんと相槌を打ちながら先輩が続きを促して。彼はその後アルバイトとして働き始めて、長年の派遣暮らしの経験を生かして仕事もすぐに覚えたそうで。「こういうのはひたすら下手に出るのが大事なんだよ。教えて頂いてありがとうございますってな」
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「自分でいうのもアレだけど同僚とも店長とも結構上手くやってたよ。おばさんの店員なんか若い男が珍しいのかかなり面倒かけてもらってたし」「最初は順調だったんだけど......まぁ問題なのはこれからだよ」
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「勤め始めて半年くらい経ってからかなぁ、店長からシフト変わってくれないかって申し出があって。どうも前の人がばっくれていなくなっちゃったみたいなのね」「面倒くさい奴もいるもんだなぁって。まぁ引き受けない理由も特になかったからその場でオッケー出しちゃったんだよね」
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「でも妙なのがさ、店長が『お前自分が度胸ある方だと思う?』って聞いてきたことなんだよね。だっておかしいでしょ。たかがコンビニの仕事だぜ」「厄介なクレーマーでもいるのかなってその時は思ったんだけど。それでも自分が引き受けたものは仕方がないから、指定された日にはちゃんと出勤したのね」
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「どんなヤバい奴が来るのかって身構えてたんだけど、それらしい客が一人も来ないうちに最初の何時間かが過ぎて、全然大したことないじゃんって」
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「でお客さんも少なくなり始めて、暇で頭がボーっとしてると、何か声が聞こえるんだよ。ほら、喫茶店とかで回りの客の会話が全部合わさってノイズになる感じ」
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「お客さん少ないのに変だなーって思いながら店全体を見渡して、天井の隅のあたりに白いモゴモゴしてる塊があって、どうやら音はそこから来てるみたいで」
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「うわーオカルト系かよ参ったなぁと思いながらレジで客の相手してると、どんどん天井の塊が大きくなってきて、重みに耐えきれなくなったみたいに床に落ちたのよ、ボトッて」
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「しばらくしたらそいつノソノソ立ち上がってさ、よく見ると見た目が人間大の白い毛虫みたいになってる訳。毛むくじゃらで手も足も全部くっついちゃってる。それで猫背の姿勢でゆっくりレジの方向に進んでくるんだよ。昔たらこちゃんっていたじゃない、あんな感じ」
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「それで顔の部分だと思うんだけど、そこを見ると目も口もない真っ白なのっぺらぼうの上に、無数の大小の赤い吹き出物ができてるみたいな。正直血の気が引いちゃって」
李氏 @BLUEPANOPTICON
「心の中で必死にうろ覚えの般若心経唱えて、それでも止まってくれなくて。近づいてくるうちにノイズだと思ってた声が『痛いよお母さん助けて』とかそういう言葉がいくつも重なったもんだって分かってきて」
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「チビリそうになったね。それで助けを求めて隣のレジの方を見たんだよ。そうすると店長が手を合わせて何か外国語みたいなお経をひたすら繰り返してて」
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「そうこうしているうちに白い毛虫男が立ち止まって悶えはじめて、どうなるのか様子を見ていると、全身の毛穴から赤黒い血みたいなものが滲んできて、毛が真っ赤になって『おかあさんおかあさん』ってずっと言ってて」
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「痛みに堪え兼ねたのかノソノソとまた来た道を戻っていって、天井をすり抜けるみたいに帰っていったんだよ。事が終わってか俺腰抜けちゃってさ、恥ずかしながら。緊張がほどけると人間ああなっちゃうよね」
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「店長が度胸ないじゃんって笑いながら手を差し伸べてきて、いやあんなの来るって誰も思わないじゃないですかって」
李氏 @BLUEPANOPTICON
「あれ何なんですかって店長に聞くと数年前から決まった曜日決まった時間帯に来るようになったんだって。お客さんには全く見えないみたいで。親戚のその辺詳しい人に教えてもらったところによると、何か霊の通り道的なものが関係してるんだってさ」
李氏 @BLUEPANOPTICON
「そこで対処法としてその人から祈祷のやり方を教わって、店長と他の店員はそれで何とかやり過ごしてるんだと」
李氏 @BLUEPANOPTICON
「早速俺も同じやり方を教わって、とりあえず何週間かはそれで何とかなった訳。辞めてやろうかと思ったけど給料はいいし、辞めたところで次がすぐ見つけられるアテはなかったから」
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コメント

ぺりかんびん @perikanbin1 2017年2月7日
個人的には死体にお札がつまってたあたりで興ざめ
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