けいおん！1期OP「Cagayake! GIRLS」のBメロの歌詞における押韻とイメージ

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

どうせTLに消えてくんだけど、あまりにさむいのでCagayake! GIRLSについてかこうかな

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

Cagayake! GIRLSのステキなところは、語彙の豊富なところです。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

それから、音韻による語彙の引き出しかたが、けいおん！の世界をうまくトリガーにつかっていること。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

トリガーっていうのは、銃の引き金のことで、何かのアクションを引き起こすための目印のこと。Cagayake! GIRLSは、けいおん！の世界を引き金にして、音韻を構成している。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

「スカート丈２センチ　詰めたら飛ぶよ　昨日より遠く　一昨日よりオクターブ高く」このくだりがステキなのだと思うんだ。

Xlov @klov

@yaoki_dokidoki そこ大好きです。遠くとオクターブの掛け。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

「スカート丈2センチ　詰めたら飛ぶよ　昨日より遠く　一昨日よりオクターブ高く」というフレーズでは、僕は「スカート丈2センチ詰める」という表現と「昨日よりオクターブ高く飛ぶ」という表現が好きだ。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

こういった音楽ジャンル（アニソンやJ-POP）の中で「スカートの丈を2センチ詰めるよ」とか、「オクターブ高く飛ぶよ」という表現は、僕の知っている歌詞にはないし、僕自身がけいおん！の作詞を頼まれたときに思いつけるかというと思いつけない。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

でも言われるとたしかに「一昨日よりもオクターブ高く飛ぶぞ」っていう気持ちはとてもよくわかる。オクターブ高くというフレーズがけいおん！というアニメがあったから引きだされていると思うと、歌詞とアニメの出会いによって僕の知らなかった歌詞を聴かせてくれた、嬉しいと思うのだ。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

そしてこのフレーズはどのように作られているのか。それについて考えると。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

ひらがなにすると「すかーとだけ　にせんち　つめたらとぶよ　きのうよりとおく　おとといより　おくたーぶたかく」となります。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

トの音に注目しよう。「すかートだけ　にせんち　つめたらトぶよ　きのうよりトおく　おトトいより　おくたーぶたかく」。こんなふうになっている。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

今までの畑亜貴せんせいの分析を読んだことある人にはわかるかもしれないけど、トの音がこんなにたくさん出るのはふつうの頻度ではない。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

つまり、トの音はこのフレーズの中で重要な役割を果たしている。ねむい。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

「きのうよりとおく」というフレーズからまず「おととい」という言葉が引き出されていることを確認する。「トオく：オトトい」だから、「トオ」という音韻が「倒置」されて「オト」。この「オト」という音韻から「おととい」という言葉が導き出されている。もちろん「昨日」という言葉からの連想もある

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

だから、昨日ということばの次に一昨日ということばがきているのだと僕は思う。

sasahira @sshrtk

@yaoki_dokidoki 同じく音楽がモチーフのスイートプリキュアOPに「オクターブを飛び越えて」という歌詞が出てきます。先行するものとしては、デ・ジ・キャラットの曲「無限大∞ソリューション」の「気持ちは何オクターブ？」は見つけました。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

@sshrtk ありがとうございます。デ・ジ・キャラットしらべてみました。「気持ちは何オクターブ？」も良い表現ですね。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

スイプリの「ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア」のメロディーは微妙にむずかしいな。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

「遠く」と「オクターブ」の押韻は「とオク：オクたーぶ」となっている。押韻位置はずれていおる。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

「遠く」と「高く」の押韻は「とおク：たかク」であり、脚韻になってる。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

そして、「おとといより　おくたーぶ　たかく」というフレーズは、全体で見ると「オ…ク」となっている。つまり、「とおく」の「オク」を「展開」したかたちになっている。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

そのなかでもまた「おくたーぶ　たかく」なので、「オ…ク」の押韻がされている。そしてもちろん「おくたーぶ」の中にも「オク」が入っている。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

つまり「フラクタル」構造になっている。音楽の楽曲構造にはよくみられるけど、歌詞にだってこの構造はつかえるわけだ。

料理研究家　やおき @yaoki_dokidoki

論理をまとめると、「きのうより　とおく　おとといより　おくたーぶ　たかく」というフレーズでは、「とおく」という言葉が押韻のキーとなっている。