谷津矢車(戯作者/小説家)先生によるポッピンQ評論

興行成績が芳しくないと噂される東映アニメーション60周年記念劇場用オリジナルアニメーション、「ポッピンQ」 の素晴らしい評論を埋もれさせるわけにはまいりません!とまとめてみましたm(_ _)m 関連まとめとして「芦辺拓先生、ポッピンQを語る」(https://togetter.com/li/1079979)も作成しました。あわせてお読みいただけると幸いです。
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芦辺 拓 @ashibetaku

速報!「ポッピンQ」が「操觚の会」の推薦映画に決定。第一線時代小説家が認めた娯楽大作!! #ポッピンQ

2017-02-07 18:42:49
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

芦辺拓先生が爆推しなさっておられたポッピンQ観た。 ポッピンQはいいぞ。

2017-02-08 16:42:52
芦辺 拓 @ashibetaku

えっ、谷津矢車先生、操觚の会での僕の頼みを聞いてほんまに「ポッピンQ」観に行ってくれはった! ありがとうございます。やったぞ、気鋭の時代小説家であり娯楽文学を愛する方にも通じた。零細探偵小説家では説得に欠けましたが、何といううれしさ。宮原監督、金丸P見てはりますか。 #ポッピンQ

2017-02-08 17:00:54
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

@ashibetaku 様。いや、本当に丁寧な作品ではないですか! ご教示くださりありがとうございました! 危うく本作のような作品を見逃すところでした…!

2017-02-08 17:09:19
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

丁寧、というか、過去のエンタメのDNAを色濃く感じるというか。

2017-02-08 16:51:39
芦辺 拓 @ashibetaku

@yatsuyaguruma ご都合もおありだったでしょうに、しかも昨日の今日という行動力には感嘆と感謝のほかありません。あの映画には、谷津さんのような味方が必要だったのだと思います。 #ポッピンQ

2017-02-08 17:28:40
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

@ashibetaku 様。遅きに失してしまった感があります…。昨日の芦辺先生の鬼気迫るプレゼンぶりにこれは観に行かねばならぬと決心し、ゲラもそこそこに映画館に駆け込んだ次第であります!

2017-02-08 17:37:17
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

いや、めちゃくちゃ丁寧な映画だったで…!

2017-02-08 16:49:56
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

ちょっとこれは後で本腰入れて「ポッピンQ」を語らねばなるまい。今日は打ち合わせなので明日にでも…!

2017-02-08 16:53:06
檀敬 & ᓚᘏᗢ @Dan_Qei

たぶん、打ち合わせでは映画の話で暴走するだろう。

2017-02-08 16:54:41
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

今日は某社さんと結構シビアな打ち合わせだったのですが、やっぱりポッピンQの話をしちゃいましたよねあっはっは。

2017-02-08 23:14:22
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

【前回のあらすじ】芦辺拓先生の勧めにより映画「ポッピンQ」を観て激しく感銘を受けた谷津は、その後の打ち合わせでライトノベルやアニメに疎い文芸編集者さんに仕事そっちのけで布教しまくったのであったが…?

2017-02-09 10:40:51
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

はい、「ポッピンQ」熱が冷めやらぬ感じですはい。

2017-02-09 10:41:18
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

というか、まさか2017年に正統派の「往きて帰る物語」を観れるとは思ってもいなかったのです。

2017-02-09 10:42:56
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

これまでのエンタメの蓄積がある、ということは、「お約束が多い」ということ。けれど本作ではそれを逆手にとって美味しいシーンだけを切り取り、一時間半の映画とは思えないほどの情報量にすることに成功しているんです。

2017-02-09 11:40:48
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

さらにはセーラームーン以来繰り返され発展してきた「美少女の戦隊」ものの系譜を色濃い。 あたしが「過去のエンタメのDNAを色濃く継いでいる」と称したのはそれ。 「往きて帰る」異世界ファンタジーという系譜、梁山泊ものとしての匂い、そして「美少女の戦隊」のミームが混在しているのです。

2017-02-09 11:36:06
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

正確には、正統派の「往きて帰る異世界ファンタジー」が観れるとは、という驚きでした。 最近の異世界ファンタジーは(批判の意図は全然ないですよ)「異世界という現実」を描いている作品が目立ち、「往きて帰る」構造を持つ異世界ファンタジーは下火でした。だからこそ驚いたのです。

2017-02-09 10:45:36
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

「往きて帰る」というのは、物語類型の一つで、『主人公がここではないどこかに旅に出かけ、何かを見つけて元の場所に戻ってくる』お話のこと。メタ的な視点からは、必ず元の場所に戻ることが約束づけられている物語なのです。

2017-02-09 10:47:25
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

「往きて帰る」異世界ファンタジーの先行作品は、主人公の成長とセットで語られています。ポッピンQでもそれは同じ。現実世界で何かを喪失している少女たちが異世界で何かを見つけ、元の世界に戻っていくというまさに「往きて帰る」異世界ファンタジーの王道をやっているのです。

2017-02-09 10:50:13
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

さらにポッピンQは、異世界に飛ばされた少女たちの尖った個性が開花し、一つの目的に向かって協力するという梁山泊もの(イメージできない人は「七人の侍」や「サイボーグ009」を参照)の匂いもするのです。

2017-02-09 11:32:41
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

視聴していて、「テンポが早ッ!」となったんです。けれどストーリーやキャラクターの心情などといった細かなことがしっかり頭に入っているのは、「お約束」を明示して観客側と繋がろうという製作者の意図のたまもの。

2017-02-09 11:45:59
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

丁寧にお約束を描き出し、その上で現代的な作品としてのスピード感を担保した、まさに娯楽作なのですよポッピンQは。

2017-02-09 11:49:23
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

一時間程度の中に主人公伊純の屈折、敗北感、未練、弱さを描き出した上でそれを乗り越えるところまで描いちゃうんだぜ……? しかも、他の四人の事情も過不足なく描いちゃうんだぜ…? 普通に考えてすごいよそれ。

2017-02-09 11:51:23
谷津矢車(戯作者/小説家) @yatsuyaguruma

主人公たちの抱える事情が(大人から見れば)そんなに重くない、というのもミソです。中学生という「子供」が、「子供」ゆえに悩む。そしてそこから抜け出さんとあがいてあがいて一つ大人になる。そんな少女たちの等身大の(たぶん大人もかつて経験したであろう)心情を丁寧にすくい出してます。

2017-02-09 11:54:34