日本列島誕生~秩父水没(約1600万年前)から武蔵野の台地群の形成(20万年前〜)までのまとめのまとめ
■秩父沈没編
秩父の崖「ようばけ」で見かけたジオ看板がスタートでした。
ようばけを含めた秩父盆地の地層は、約1600万年前(新第三紀中新世)に、海で出来た地層なのだそうです。
この時期、秩父盆地には引き裂かれる形で力がかかり、地面が沈み込み、海が入ってきました。
一方で、この時期はちょうど、大陸から引き裂かれた日本列島が今の位置に移動し、日本海が拡大した時期に重なるようなのです。(まとめ)
秩父湾と日本列島形成の関連について妄想を膨らませていたところに、とある先生にお声がけ頂いて、あれよあれよの間に秩父巡検に。
秩父は、日本列島の基礎を作った大昔の付加体(2億年前)と、日本列島誕生(〜1500万年前)の時に引き裂かれて形成された秩父湾の混在する世界でした。(まとめ)
秩父湾の始まり~終わりに絞って露頭を回ってきました。
■秩父の地質の西の果て編
秩父にある地質(秩父帯、四万十帯)は、日本列島を縦断して沖縄まで続いています。
琉球弧全体が火山列島という誤解もあるようなのですが、沖縄島は大陸から別れた付加体と隆起した海底の泥岩の上に乗ったサンゴ礁起源の石灰岩の島です。
■残された島々と海底火山編
関東地方に、他に秩父と同じ年代の地層が無いか探してみると、北茨城の棚倉にありました。
見てみると、ここでも断層で沈み込みが起きたようです。
ここではその上、陸にほど近いところで海底火山の噴火が起きたよう(男体山)です。
引き裂かれて出来た湾内で海底火山。妙に魅力的です。(連ツイ)
棚倉堆積盆。 黄色の右側の直線は、棚倉断層というみたいです。 これも、秩父盆地と同じく、日本が大陸から剥がれる過程で、引き裂かれて沈降して堆積したんでしょうか。 真ん中の濃い黄色は火山堆積物みたい。 @hira_sail pic.twitter.com/G8rAOT8XB4
2016-07-23 07:10:52埼玉県内にも、同じ頃の地層がありました。
ここは、秩父湾当時、湾の少し外側だったところかもしれません。
驚いたことに、ここにも海底火山起因と思われる凝灰岩層がありました。
日本列島が大陸から引き裂けた当時、東日本では、あちこちで沈み込みと海底火山の噴火があったようなのです。(まとめ、メモ)
メモ: 比企丘陵の七瀬層の凝灰岩や、棚倉堆積盆の男体山は、引張場で陥没してから火山噴火が起こっている? 引張場が先でマグマ上昇が後? これも受動的なマグマ上昇?
2016-09-07 09:24:30比企丘陵の地層は、断層や褶曲のため、年代を含めてまだまだ課題が多いのだそう。
一方、比企丘陵のやや北に荒川があり、ここの河床には同じ頃の地層がかなり長い年代分(600万年分?)とびとびに露出しているので、年代の変遷が比企丘陵に比べると追いやすいようです。
1600万年前頃、秩父湾の外側も海になっており、関東山地の隆起などに伴い、秩父湾から500万年ほど遅れて離水したようです。
■背弧海盆の拡大(メカニズム編)
何故、ユーラシア大陸の東縁は裂けたのか?
何故、日本列島はわざわざプレートの押してくる海の方にせり出してきたのか。
調べてみると、背弧海盆の拡大という、あちこちで起きた謎の現象の一環のようです。(まとめ2件)