【通奏低音組合】17世紀イタリアのヴァイオリン音楽を彩る通奏低音の世界【2017.02.07】

コンティヌオ・ギルド発足!第一回演奏会 「コンティヌオ・ギルド(通奏低音組合)」結成演奏会 はじめよう!コンティヌオ・ギルド  ~17世紀イタリアのヴァイオリン音楽を彩る通奏低音の世界~
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コンティヌオ・ギルド(通奏低音組合)の結成演奏会!

坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

来たる2月7日に「コンティヌオ・ギルド(通奏低音組合)」旗揚げ公演を行います。たくさんのご来場お待ちしています!各種お問い合わせはcontinuoguild[at]gmail.com まで。今後も通奏低音に関する様々なネタをつぶやきたいと思います。 pic.twitter.com/dM1zZgKWJ1

2017-01-21 10:46:54
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プログラム

坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

2月7日「コンティヌオ・ギルド」旗揚げ公演のプログラムを公開いたします!#古楽演奏会1702 pic.twitter.com/jQyocLSb53

2017-02-02 11:53:12
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坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

ヴァイオリンを通奏低音組合の初回の伴奏対象に選んだのは、17世紀には通奏低音の技術とヴァイオリン音楽が互いに手を取るように発達したからです。これまで紹介してきた通奏低音の資料が次々と書かれた頃、イタリアのヴァイオリン奏者たちの活動は当時の器楽の最先端でした。#古楽演奏会1702

2017-01-27 21:10:33
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

今日では「初期バロックの器楽」として一括されがちなフレスコバルディやカステッロの作品は、実際は当時としてはとびきり斬新な音楽でした。また世紀中葉のヴァイオリンの名手ウッチェリーニのソナタ(滅多に演奏されません!)に見られる、アヴァンギャルドな試みも特筆もの。#古楽演奏会1702

2017-01-28 01:31:07
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

17世紀末に全ヨーロッパを席巻したコレッリのヴァイオリン作品。人々はその洗練された佇まいと、親しみやすいハーモニーの虜になり、その影響は多方面に及びます。コレッリの音楽はもはや「バロック」ではなく、皆が一度は学ぶべき規範としての「クラシック」音楽だったのです。#古楽演奏会1702

2017-01-28 08:13:05
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

2月7日「コンティヌオ・ギルド」公演では、これまであまり注目されなかった通奏低音の資料を、実際に音に出して紹介します。チェロ奏者F.トネッリが残した、コレッリのヴァイオリンソナタのレアリゼーション譜を、チェンバロの伴奏パートに採用!まさかという響きの連続です。

2017-02-01 11:31:01
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

トネッリの手稿と同じく、モデナのエステンセ図書館が所蔵するキタローネ(イタリアン・テオルボ)のためのパッサージ集も、注目すべき資料。テオルボでの伴奏パターンの「ネタ本」と言えるでしょうか。メドレー形式でその実例をお聞きいただきます。お楽しみに!#古楽演奏会1702

2017-02-01 12:02:17
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

今回のメイン曲である、カステッロとウッチェリーニのソナタは、当時としては珍しく、ソロ声部用のパート譜と通奏低音用のスコア譜(パルティトゥーラ)が別々に印刷されました。これによって、通奏低音奏者はソロ奏者が提示する自由なリズムの変化に、即座に対応できるのです。♯古楽演奏会1702 pic.twitter.com/qYfdn8oWT7

2017-02-02 10:28:05
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## 出演者と楽器

- ゲスト:ヴァイオリン

坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

2月7日「コンティヌオ・ギルド」記念すべき初回のゲストに、ヴァイオリンの廣海史帆さんをお招きしました。数多くの古楽オーケストラ・アンサンブルに参加、このほど東京でモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏チクルスを開始するなど、活発な演奏活動をされています。#古楽演奏会1702

2017-01-27 12:01:21
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

2月7日「コンティヌオ・ギルド」公演、本日2回目のリハーサルが終了。大変良い感じに仕上がってきています!通奏低音組合が伴奏するヴァイオリンは、こうして新旧2種類の弓を使い分けます。音色の変化が実に鮮やか。#古楽演奏会1702 pic.twitter.com/swNM9r19vN

2017-01-29 19:03:14
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- チェンバロ

坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

チェンバロ担当は山縣万里さん。様々なジャンル及び編成のアンサンブルにおいて、鍵盤楽器の通奏低音で大活躍されています。共演させていただくのはよく考えたら...なんと9年ぶり!magatamary.jimdo.com

2017-01-27 02:23:04
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

2月7日「コンティヌオ・ギルド」で私のイタリアン・テオルボともに通低タッグを組むのは、こちらの分割鍵盤を備えたチェンバロ。ミーン・トーン調律ならではの豊かな響きでみなさまをお迎えいたします。制作:アトリエ響樹 anonymous25.jimdo.com #古楽演奏会1702 pic.twitter.com/tzRrD1LhFa

2017-01-27 02:12:37
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坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

2月7日「コンティヌオ・ギルド」公演で活躍する、分割鍵盤のチェンバロ。なかなか実演ではお目にかかれないものです。山縣万里さんにご協力いただき、エンハーモニックな音が出せる様子をちょっとだけご紹介。#古楽演奏会1702 pic.twitter.com/PtSJpsObqs

2017-01-30 09:49:29

- キタローネ

坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

2月7日の「コンティヌオ・ギルド」の公演では、キタローネ(Chitarrone)という大型のリュート属の楽器を使います。16世紀末にイタリアで発明され、通奏低音楽器として長く使われました。類似の形で調弦の異なる楽器と区別する目的で、便宜上イタリアン・テオルボと呼ぶこともあります。

2017-01-04 08:13:13
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

キタローネの特徴を挙げると、まずボディが大きく弦長も長いこと。それにより伴奏楽器として耐え得る充分な音量を獲得しました。また指板上の弦は従来のリュートと異なりシングルに張られる場合が多く、発音がより明瞭で倍音を豊かに含む音が出るという点も、新しい時代の要求に合致したと言えます。

2017-01-04 08:34:59
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

キタローネのもう一つの特徴はその調弦で、下から上の弦に向かって順に音が高くなるシステムでなく、上の1~2弦が本来調弦されるべき音から折り返されて1オクターブ下になっています。これを生かした様々なカンパネッラ奏法により、バスからテノールの音域の走句をスムーズに弾くことが可能です。

2017-01-04 08:47:29
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

この調弦の利点はさらにあり、純正三度を多く持つミーン・トーン調律(中全音律)に対応しやすいということです。中音域においては特別にフレットを張らずとも♭音と♯音の弾き分けが可能。ミーン・トーンの全盛期ともいえる17世紀前半にこの楽器が特に好まれたのは、単なる偶然ではないはずです。

2017-01-04 09:01:00
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

とまあキタローネは良いこと尽くしのようですが、奏者にとって最大の負担は運搬。特に飛行機移動では余分に席を取るのでコストがかかる他、湿度や温度の差が激しい場所を往復すると楽器のコンディションが安定しないなどの理由で、留学後は日本にキタローネを持参することが叶いませんでした。しかし!

2017-01-04 09:31:23
坂本龍右 Ryosuke Sakamoto @contra2nd

バーゼルで私が使っているキタローネの製作者である西村順治氏が、日本用に新しいキタローネを製作して下さり、それがついこのほど完成しました!バーゼルにある楽器よりさらに大型で、17世紀のイタリア音楽の通奏低音に使用するにはまさに理想的です。近々その楽器と対面するのが楽しみです。

2017-01-04 09:37:45