第2回twitter小説大賞 応募10篇

ディスカヴァーさん主催の『第2回twitter小説大賞』 今回応募したのは以下の10篇となりました 上から公開したのが古い順となっています
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ゆえ @sakuyue

さんたさん、みうのおねがいをきいてください。ぷれぜんとはいらないからぱぱにあいたいです。ぱぱはおしごとでとおいとこにいて、ずっとあってません。ままもさみしいです。だからさんたさん、みうのおねがいきいてください。 #twnovel くりすますのひ、おうちにきたさんたさんはぱぱだった

2009-12-23 20:25:35
ゆえ @sakuyue

急に10度近くも気温が下がったおバカな気候のせいで風邪をひいちゃった。呆れつつあなたは心配モード。なんだかそれが嬉しい。「うどんくらいなら食べられるだろ?」「うどんよりそばがいいな」「もう煮てるぞ」「あなたのそばがいいの」「なっ……ばかっ」赤くなった顔も可愛い。 #twnovel

2010-05-23 21:04:25
ゆえ @sakuyue

娘が傷ついた鴉を拾ってきた。泣き落としに根負けし、私は手当てをしてやる。その晩の事だ。「もし、お願いがひとつございます。南あふりかへの道を教えていただけませんか」よく見ればこの鴉、三本足で勾玉を下げている。 #twnovel 地球儀で道を教えた迷子の八咫烏は、間に合っただろうか。

2010-06-15 20:32:21
ゆえ @sakuyue

あなたの帰りを待つ夜中。一人だから好きな事をなんでもするんだから。読書にゲーム、お風呂でカラオケ、肴付きの晩酌だってしちゃう。でもね、先に寝てしまう事だけはしたくないの。あなたから「ただいま」って言われたいから。あなたに「おかえりなさい」って言いたいから。 #twnovel

2010-07-29 01:04:57
ゆえ @sakuyue

私と付き合う前の貴方の方が好きだった、なんて言えないわ。煙草を吸う仕草と指先が、眼鏡を掛け直す時に見せる表情が、たまらなく好きだった。それなのに貴方は吸わない私を気づかってか煙草をやめ、いつの間にかコンタクトにしているじゃない。ああ、こんな秘密、誰にも言えない。 #twnovel

2010-09-08 07:34:59
ゆえ @sakuyue

あなたが夜勤でいない部屋に合鍵で入る。暗い部屋、冷たいベッド。微かに残る煙草の香り。主のいない部屋はほら、こんなにも寂しいもの。だから私は素肌にあなたのワイシャツを重ね、あなたのベッドに忍び込む。朝になったら私を見つけたあなたは、どんな表情でキスしてくれる? #twnovel

2010-10-13 03:22:41
ゆえ @sakuyue

今は十一月でも旧暦ではまだ神無月。神様が出雲へ出掛けてお留守の時期。だから神様は留守神様と一緒にささやかなまじないを残した。願い事の文字の数だけさくりと霜柱を踏んで歩けたら、その願いは叶うのだという。さくさく、さく。あなたがすき、と六歩分。 #twnvday #twnovel

2010-11-14 23:30:29
ゆえ @sakuyue

閉園間近の動物園は茜色に染まっていた。まばらな人影、動物達はゆっくりと動き出す。ひとつの檻をぼうっと眺めていたら頬に突然の感触。びっくりして振り返れば、あったかいココアの缶を持ったあなたがいた。「狼、好きなの?」「うん、好き」視線を交わしたまま、理由は言わない。 #twnovel

2011-01-31 23:06:26
ゆえ @sakuyue

「ぱぱ、まだかえれないの?」と娘がぐずる。寝る前に会いたいようだった。なら、おまじないをしよう。「パパが帰ってこれるよう、鬼退治しよっか」「どうして?」「お外でパパが鬼に襲われたら大変でしょう?」「やる!」内に呼び込むのはパパの帰り。残業早く終わりますように。 #twnovel

2011-02-03 18:07:11
ゆえ @sakuyue

二月は他の月よりも短い。それは月を司る神に起因する。二月の暦神は大層なドジっ娘であり、日にちを決める為に記した巻物を踏んで破いてしまったのだ。幸いな事に日々は散り散りにならなかったが、下部は見つからなかった。彼女が流した涙が閏年の29日となったのはまた別のお話。 #twnovel

2011-03-01 13:04:05