茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2037回「意識による無意識のキュレーション」
脳科学者・茂木健一郎さんの2月22日の連続ツイート。
本日は、感想です。
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茂木健一郎
@kenichiromogi
シュルレアリスムによって重視されたオートマティスムは極端な例だが、一般に創造性とは無意識を解放することだと言うことができる。意識は往々にして意味の体系に縛られている。だからこそ無意識のランダムな働きが必要である。
2017-02-22 07:19:32
茂木健一郎
@kenichiromogi
意識と無意識の関係において、意識は完全に無意識をコントロールしているのではない。ただ、意識に上るものを選択したり、あるいは特定のものの重みを増すようなことがあるかもしれない。フロイトの言う無意識の抑圧のようなこともあるかもしれない。
2017-02-22 07:20:23
茂木健一郎
@kenichiromogi
夢が描く物語のように、無意識の力学は、往々にして意識にとってはナンセンスなもののように見える。つまり、意味のある創造という視点から見れば「歩留まり」が悪い。一方、モーツァルトの音楽作曲のように完全なものがあふれるように出る事象もある。
2017-02-22 07:21:21
茂木健一郎
@kenichiromogi
天才の創造性は、一種の生理的奇跡のように起こる。この際には、脱抑制した無意識が、そのまま作品として完成しているような情報の奔流をもたらすのである。いかにそのようなことが可能になるのか、ここに創造性をめぐる議論の核心がある。
2017-02-22 07:22:28
茂木健一郎
@kenichiromogi
オートマティスムを実際にやった結果は、たいてい意味のよくわからない文字列であり、それに意味を見出すというのも人間の一つの志向性であるが、創造性においては限定された意味しかない。
2017-02-22 07:23:24
茂木健一郎
@kenichiromogi
夏目漱石やジェームズ・ジョイスの作品(特にダブリン市民)のような意味のある文章が生み出されるためには、無意識がガイダンスされ、キュレーションされなければならない。意識による無意識のキュレーションこそが、創造性論の本質である。
2017-02-22 07:24:13