"絵は練習すれば誰でも"という話についてのお話

上達するためのちょっと哲学的な話については>https://togetter.com/li/921501 こっち
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Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

"絵は練習すれば誰でも描けるようになる!"という話。私としては「誰でも」とは言わないが、"文字を書くことができるなら絵をそれなりに描けるようになることは可能だ"と思っている。ただあくまで「それなりに」だ。だが前提条件は文字だけではなく「絵を描くこと自体に意欲があること」が必要。

2017-02-24 13:47:13
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続>"多くの人ができる"という最大の理由は、運動や音楽などとは異なり「時間的な要素が無いため」である。運動は時には「素早く的確に動く」必要があり、音楽もまた「時間に合わせて技術を発揮する」必要がある。「スピード」の要素がある以上、運豪・音楽などは万人が身に着けられるとは言い難い。

2017-02-24 13:50:52
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続2>場合にもよるが基本的に絵は"いくらでも時間をかけて丁寧に描く"ことが許されている。故に「時間をかけ技術を一つずつ丁寧に使えればそれなりに描ける」と言えるのだ。だが実際には「描く意欲」というネックが存在する。人によっては飽きるのでいくらでも時間をかけられるわけではないのだ。

2017-02-24 13:54:00
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続3>だが裏を返せば、"絵を描く意欲さえ持ち続けることができればそれなりに描くことは可能"なのである。もちろん「文字を書けること」、つまり「目が見えて、意図的な線を意識して描くことができる能力を持つ」ことも前提となるが、それは致命的な障害を持っていなければ多くの人ができることだ。

2017-02-24 13:55:52
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続4>ではなぜ"絵を描きたいと思っている"のに絵を描けない人がいるのかと言えば、実際のところ"絵を描く行為そのものは地味でなんの面白みも用意されていない地獄のような作業"だからだ。 ちゃんとした絵を描ける人というのは地獄の作業とのうまい付き合い方を持っているからこそ絵を描ける。

2017-02-24 13:59:57
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続5>"意欲を持ち続ける"ことが重要なわけだが、こと絵の上手い人はそのことにあまり気づいていない。そういう人は大体「絵は苦しくても楽しいもの」という常識の上に生きていて、そうでない人をあまり理解できず前提を飛ばして「沢山描けばいい」と言うのだ。まあ実際沢山描く必要はあるのだが。

2017-02-24 14:05:16
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続6>だから私は絵の上達法の三原則として「描くこと」と「見ること」だけでなく「想うこと」を上げている。考えることも含まれるが「考えること」という表現ではなくあくまで「想うこと」。つまりイメージすることであり思慕、即ち"恋しく思うこと"だ。それが無ければ上達しようがないとすら思う。

2017-02-24 14:09:29
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続7>あと。ただ「毎日練習してるのに上達しない!」とかの話はそもそも「効果のある練習なのか?」とか「毎日と言っても日にどれだけの量・密度なのか?」という問題。 絵を描くことが特に好きな人は空いた時間に手元に紙とペンがあればいくらでも絵を描く。数えきれないくらいいくらでも描く。

2017-02-24 14:18:15
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続8>言ってしまえばコピー用紙一枚にちょこっと線描いて「今日は描いた!」なんてのは天才的な感覚でも持ってない限り話にならないのよ。普通の人はいくらでもというくらい練習しなければ"自由自在な線を描く力"は鍛えられないし、"的確に正確に物や絵を観察する力"も養われない。"意欲の壁"。

2017-02-24 14:22:39
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続9>これも持論だけど「初心者の言う"才能"は"意識"に変えた方が適切」。そういう人に無いのは"才能"じゃなくて、そもそもやるための"意識"が無いの。もうちょっと分解するなら意欲や知識が無いの。 と言うのもね? 「やりかた」さえ分かれば伸びる例は決して少なくないから。

2017-02-24 14:26:39
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続10>「脳の右側で描け」という本がある。右脳の話は似非科学とか色んな話がまざったりしてしまうけど大本の話の胆は「絵を描くための認知を養う方法」だった。"普段のような認知ではなく、絵を描くための認知を行う事"を指導することによって、短期間で劇的に技術を伸ばした例も紹介されていた。

2017-02-24 15:05:10
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続11>それがどの程度効果があるかはさておいて、少なくとも現代では昔よりも「それなりに描ける人」は爆発的に増えている。それはPC技術による影響も含めるが、一番大きなのはおそらく"綺麗に描くための技術が広まった"という点。先の右脳の話も含め、今のネットにも色んな講座もあふれている。

2017-02-24 15:10:17
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続12>"誰でも最初からうまく描けるわけじゃない"し"(意欲と時間を無限にかけつづければ)ほぼ誰でもそれなりに描けるようになる"。ただもっと一番重要なのは『 本当にできないのかどうかは、やってみなくちゃわからない 』という点。本当の才能の壁は、適切に努力した後にしか見えてこない。

2017-02-24 15:14:54
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続13>ろくに絵を描いたことの無い人が数年で見違えるように綺麗な絵を描く例もあるし「やってみなくちゃわからない」のも確か。と言っても「本当に絵を描きたいのか」という問いにYESと天にも誓えるわけでないのなら、やらないのも選択肢。"描きたい"と思えないなら地獄でしかないのも確かだ。

2017-02-24 15:18:02
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続14>あとの細かい話は niza.nobody.jp/e.html に書いてある。

2017-02-24 15:19:50
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

続15>それなりに描けるようになってから、その後も上達していくためには新しいことに挑戦し続ける必要がある。「同じ描き方」をしていても同じ描き方が安定していくだけで劇的に飛躍するわけじゃないから。 新しい描き方に挑戦して良いところをどんどん身につけていける人はいくらでも上達する。

2017-02-24 15:24:37

「絵がうまくなりたい話について、ちょっと哲学的な話/まとめなおし」

まとめ 絵がうまくなりたい話について、ちょっと哲学的な話/まとめなおし 「本文は長ったらしいのでツイートで要点まとめた。(http://togetter.com/li/905205)」のまとめ直し。 6857 pv 8


Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

私が上達しないのは、結局劇的な挑戦をやってないからなのじゃ。一応人体の知識はちょいちょい調べてはいるけど、ちょいちょいでしかなくー。

2017-02-24 15:27:28
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

何度でもいうけど「絵は魔法とか奇跡とか神秘とかそういうんじゃなくて、ただただ現実的な積み重ねによってのみ成立するもの」なの。ただただ現実的な知識技術による緻密微細な積み重ねによって魔法のような表現ができるようになる。それを"才能"の一言で済ませようものなら最低の侮辱にすら思える。

2017-02-24 15:37:03
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

もう一つ持論として『もし練習する意欲すらない人が万一何かの奇跡で超絶技巧の絵の技術だけを手に入れたとしても、ろくな作品を作らずに持ち腐れるになる』と思っている。それほどまでに絵を描くことには強い意欲が必要だと。意欲が無ければ技術や、才覚があったとしても完成することはないのだと。

2017-02-24 15:44:02
Philo.Dill📖 @vegel_dimerk

意欲の引き出し方? 私も知りたいよ。誰だって知りたいよ。

2017-02-24 15:47:05

>追記:「それなりに」
あくまで「それなりに描けるようになる」としているのは、それなり以上の高度な領域になってくると"見えなくなる"から。
ごく初歩的な・基本的なことは今ではかなり技術知識として体系化されているので、それをちゃんと学べばそこまでなら手すりを伝っていけばどうにか進めるはず。(※物理的に致命的な障害がなければ)

でもそれ以上は"自分に見える世界"しか描けない。
綺麗なものを見て、魅力的なものを見て、「どこが綺麗なのか・どう綺麗なのか」「どこが魅力的なのか、どう魅力的なのか」を分解して理解できないと、 それを参考にして再構築して魅力的なものを描くってことができない。
非論理的な感覚でもそれが"見えない領域"はどうあがいたって描けない。"見えない世界は描けない"。

結構頑張ってきて技術知識をそれなりに身に着けてさらに上にいくぞって思って、参考にしたいものを見ても分からない。その要素がどうあるのか"見えない"からどう描けばいいかわからない。
それが本当に絶望的な、絶望的な才能の壁。
それこそ何か人生観でも変わるような強い衝撃でもなければ覆しようのなさそうな、壁。