鶴見俊輔『アメリカ哲学』読書メモ集

鶴見俊輔『アメリカ哲学』(『鶴見俊輔集』第一巻、筑摩書房、1991)の読書メモをまとめました。初版は世界評論社、1950年。
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「日本におけるプラグマティズムの勉強は、パースにおいて始まらずに、ジェイムズまたデューイから始まることを定石としているが、これは適切ではない」(鶴見俊輔『アメリカ哲学』)。それな。

2017-02-20 12:55:55
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「いったいにジェイムズの思索は、経済現象に対する驚くべき無関心によって、特徴づけられている」(鶴見俊輔『アメリカ哲学』)。言われてみれば、そんな気も。

2017-02-22 16:09:02
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

鶴見俊輔によると、ジェイムズの仕事の根幹には、青年期に読んだルヌヴィエ(「シャルル・ルノヴィエ」)の意志哲学があったそうだ。面白いな。

2017-02-22 16:16:14
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ジェイムズが出て、アメリカの学問言語は大いにかおった。ジェイムズ以後の学者の論文には、スラングなどませた親しげに話す調子のものが多くなったし、学問と日常生活との距離はせばめられた」(鶴見俊輔『アメリカ哲学』)。私も論文で「激おこ」とか使おうかな。

2017-02-23 14:32:04
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

憲法を神聖な死文として考え、その意味を固定不変と見なすのが、当時までの伝統であった。ホウムズは、この考えに反対して、憲法もまた一つの実験的命題であると主張した。憲法の条文の意味は、新たにあらわれる社会事情によってためされ、修正され、変化する。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-23 14:48:49
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ホウムズは、法律言語と道徳言語を明らかに区別して考えた最初の一人だろう。道徳言語は、「ある行為が善いか、悪いか」を云々するが、法律言語は、「ある行為が罰せられるだろうか、あるいは罰せられないだろうか」について述べる。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-23 14:49:48
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「プラグマティズム」よりもさらに広い意味を持つ「プラグマティック」は、「プラグマティズム」よりももっと大切な考えである。それは、何かの意味でプラグマティズムから歴然たる影響を受ける事を言うのである。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-24 10:55:04
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「米国人はまた、自分の手にとって見られるものでないと信用せぬ。幽霊などもあまりはやらない」(鶴見俊輔『アメリカ哲学』)。あっちはモンスターの世界だよね。それにしても、幽霊の文化圏ってどういう地図を描いてるんだろう。西洋の精霊(エスプリ)とはまたちょっと違うよね。

2017-02-24 11:08:44
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「「行為」という明確な発想点を、プラグマティズムに提供したのは、ダーウィンではあるまいか」(鶴見俊輔『アメリカ哲学』)。面白い指摘。

2017-02-24 11:17:23
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

今後の哲学とは、哲学的問題に関する物理学者のメモ、歴史家のメモ、人類学者のメモ、官吏のメモ、労働者のメモ、教師のメモ、病人のメモ、子供のメモなどの統合の場とし再建さるべきではないか。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-24 11:27:56
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

他人の哲学をはっきり理解するためには、その思想がどんな下心から出発したものかをまず知っておく必要がある。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-24 11:36:22
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

元来学術論文によって「……である」「……である」と厳しく断言する形式で哲学を発表することが哲学の唯一の発表形式と考えられるようになったのは、実は最近の事に属するので昔からそうなのではない。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-24 11:36:54
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

すべての思想は、ある部分においてイチドカギリ的であるとともに、ある部分においてはクリカエシ的なのである。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-24 11:44:39
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

哲学は、シロウトと共に、歩むものであるべきだ。哲学は、ニセ学問として把握し直され、もっと広く人々に親しまれてよいのだ。by鶴見俊輔『アメリカ哲学』

2017-02-24 14:14:13
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「日本におけるプラグマティズムの指示対象をさがしてみると、それは、歴代の時評家を養成するための一つのスクールとして存在して来たように思われる」(鶴見俊輔)。これも面白い指摘。田中王堂も清水幾太郎もジャーナリズム的な資質を持っていた。時評の非体系性。

2017-02-24 15:51:34
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

プラグマティズムは、記号論に重点をおくあまり、記号万能主義、コケーショシ万能主義となり、記号およびコニケーショシを讃美することによって人間社会の不幸はなくなるかのような幻想に指導されている。by鶴見俊輔「折衷主義の哲学としてのプラグマティズムの方法」

2017-02-24 20:34:08
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

大乗仏教の一宗派は体、声、心を「三密」と呼ぶ。詩は、声の神秘ののりものだ。呼吸は、自分の体の中に外の世界が入ってくることだ。脈搏とむすびついて、われわれにとってのリズムの内的感覚となる。by鶴見俊輔「北米体験再考」

2017-02-26 10:46:50
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

革命への決意のないところに民主主義は成立しない。by鶴見俊輔「革命について」

2017-02-26 10:56:55
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

私は戦争中、東大出の海軍造船技師(工学博士)から、アメリカは勝ったら日本人の男のキンタマをみんな抜いてしまうことにきめたそうですな、だからどうしてもこの戦争に勝って、彼らを殺してしまわなければいけませんな、という話をきいて、びっくり仰天したことがある。by鶴見俊輔「革命について」

2017-02-26 10:59:26
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ジェファーソンは、選挙を革命の制度化と呼んだ。革命へのこころざしなくしては、革命の代用としての選挙に十分な働きをさせるわけにいかない」(鶴見俊輔)。へぇー、面白いこというな。

2017-02-26 11:02:31
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「実務的知識人は、実務という職業の関係上、革命へのこころざしを最も見失いやすく、そのゆえに非民主主義的になりやすい人びとである。彼らを現代に安住させてはならぬ」(鶴見俊輔)。猪瀬直樹dis。

2017-02-26 11:04:11
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

哲学を、自分個人の気質にぴったりあった衣服のように仕立てたいと思うものにとって、プラグマティズムは、最後までほころびの多い、だぶだぶの服である。by鶴見俊輔「著者自身による解説」

2017-02-26 11:05:06
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

鶴見俊輔『アメリカ哲学』読了。プラグマティズム入門書として、特に難解なパース入門として今も古びていないと思う。もっと早く読めば良かった。あと、細かいところだと、鶴見がマシ―センと交友があったって話が結構な収穫。『アメリカン・ルネサンス』っていい本なんだよな。

2017-02-26 12:11:29
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

今日から私もツルミシュンス系で行きますよ(特に意味はありません)。

2017-02-26 12:17:47