ゲーム性とは何か、単純モデルで考える

「ゲーム性」とは何か。ここでは、その量的な面だけ抽出します。選択・分岐・事象の数をベースに、単純化したモデルを作成します。 もちろん、実際のゲームでは、質が重要になります。しかし、質で語ると個人の主観が反映されやすい。そこであえて、要素に分解します。
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しろうと @sirouto
Togetterのコメント欄で、そもそも「ゲーム性」とは何か、という問いがあったので、ゲーム性について考察したいと思います。 http://togetter.com/li/10748
しろうと @sirouto
「ゲーム性」とは何か。ここでは、ゲーム性の定量的な部分だけ抽出して考察したい。そして、美少女ゲームにおける、ストーリー指向とゲーム指向を区分したい。
しろうと @sirouto
まず、ゲームの定量的に比較できる部分だけ抽出する。ここでは、プレイヤーのクオリアは捨象される。注意すると、それはあくまでもモデル化のためであって、不要だということを意味しない。言うまでもなく、面白いかどうかは大事だ。が、その判断を下す前に、まず考察の土台を作りたい。
しろうと @sirouto
ごく単純なモデルとして、ゲーム内の選択肢・分岐の数で、ゲーム性を計量しよう。完全に一本道のデジタルノベルと、選択肢で二つのエンドに別れるノベルゲームがあるとする。そのとき、前者は1で後者は2と、後者の方が選択肢が多いから、ゲーム性があるというわけだ。
しろうと @sirouto
この総選択肢数で、異なるジャンル間のゲームを、順序付けられる。繰り返すとこれは、ゲームの質的評価は一切含まない、量的評価である。
しろうと @sirouto
具体例を見てみよう。1.分岐が合流せず、樹形図状にルートが伸びるノベルゲーム。選択肢は15(EDは16)としよう。2.30日(ターン)の間、2つの行動から選択できるSLG。3.1分間の間、ボタンを押すとジャンプして、障害物を避けるアクションゲーム。
しろうと @sirouto
分岐する事象数を比較しよう。1は16通り。2は30×2=60通り。3は60秒×60フレーム×2(ボタンを押すか押さないか)=7200通り。したがって、1<2<3の順に、ゲーム性が高いことになる。
しろうと @sirouto
もちろん、これは単純化したモデルだ。可能な入力の上限しか考慮していない。実際にはたとえば、ジャンプ中にボタン入力を受け付けない硬直状態が発生するなど、ゲームシステムによって実質的な自由度も変わってくるだろう。
しろうと @sirouto
この総選択肢数の考え方のみでは、受付可能な入力ボタン数の多いタイピングゲームは、たいていのアクションゲームよりも、ゲーム性が高いということになってしまうだろう。このモデルには、何が足りないのだろうか。
ISA @koge2do
@sirouto タイピングゲームはキーの数が多いが、実質「正しいキーを押す」「間違ったキーを押す」「キーを押さない」の三択と考えれば
しろうと @sirouto
@koge2do そうですね。そのかわり、指をどう動かすかという、身体を制御する部分に、ゲーム性とはいわないまでも、アトラクション要素がありますね。音ゲーなども、このアトラクションがプレイする動機になります。
しろうと @sirouto
このモデルには、ゲームの操作性や戦略性が全く反映されない。だがそれでは、操作性や戦略性とは、どのように数値化すればいいのだろうか?
しろうと @sirouto
ここでの操作性とは、実質的な選択肢の割合とする。実質的な選択肢というのは、名目的な選択肢のうち、プレイヤーが実質的に選べるものだ。
しろうと @sirouto
ムリな操作をプレイヤーに要求しても、実質的に選択肢が機能しない。ナンセンスな例だが、ボタンが100個あっても、プレイヤーが覚えきれない。また、11個以上のボタンを同時に押せという要求は、手の指が足りなくなる。
しろうと @sirouto
1秒間に16連打せよという要求も、機械を使わない限り、多くのプレイヤーが達成できないだろう。したがって、単に総選択肢数が多ければいいわけではなく、プレイヤーが対応できる範囲に入力を制限する必要がある。
ISA @koge2do
@sirouto アトラクション要素は確かにありますね。フレーム数で選択肢を考えると、ターン制よりリアルタイム制のほうがゲーム性が高くなってしまう問題がありますね
しろうと @sirouto
@koge2do リアルタイム要素の過大評価はありますね。機械を使わなければ、一秒間に60連打は不可能でしょう。そこで、プレイヤーの身体能力を考慮すれば、アクションゲームで実質的に入力可能な選択肢数は、もっと少なくなります。
ISA @koge2do
@sirouto 格闘ゲームなんかは、ある程度の時間に区切って、その瞬間はn択、とかになる気がしますね
しろうと @sirouto
@koge2do そうですね。格闘ゲームで、単純な操作レベルの選択肢数と、コンボやN択攻撃など戦術レベルの選択肢数では異なる、より複雑なモデルも作れるでしょう。
しろうと @sirouto
いっぽう、ここでの戦略性とは、選択肢間の連結と重み付けのことだ。ただ、正しいキーを押すだけのタイピングゲームには、選択肢間の連結や重み付けがなく、戦略性がない。いっぽう、1ターン目の選択が、ラスト1ターンにも影響を与えるSLGには、戦略性がある。
しろうと @sirouto
整理しよう。ゲーム性の高低を評価するときに、まず選択肢の総数で順序付ける、単純なモデルを考えた。そこへさらに、主にリアルタイムのゲームでは操作性を、非リアルタイムのゲームでは戦略性を反映したい。
しろうと @sirouto
戦略性について逆の視点で見ると、戦略性が低いのは作業性が高い状態。たとえばRPGで、魔法やアイテムが1万個あっても、必ず敵を倒せる「エターナル・フォース・ブリザード」があり、そのひとつだけで敵が倒せるなら、実質的に戦略性がない。
しろうと @sirouto
このことから、選択肢の二重分節性が要請される。単語が集まって文を作るように、選択肢が集まって、その組み合わせによって、高次元の選択ができることが、ゲーム性を高める。たとえば、格闘ゲームで言えばコンボ、落ち物で言えば連鎖消しが相当する。
しろうと @sirouto
さて、美少女ゲームのゲーム性が低い、ゲームよりもストーリーを志向している、という主張は、以上のように、総選択肢数による比較をベースにしている。
しろうと @sirouto
もちろん、総選択肢数は過度に単純化したモデルだ。しかし、ノベルゲームが多くを占める状況では、戦略性も高くない。というのも、ノベルゲームでは、実質的に選択肢の総当たりに近い場合がある。それは、ひとつの最強魔法を使い続けるのと、作業的である点で大差ない。
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コメント

Alley Cat (ΦωΦ*) @alleycat346 2010年3月25日
ゲーム性ってなんぞと発言した当人でごさいます。ゲーム性、しいてはゲームって何ぞというところから考えるのに思いつくのはコスティキャンのゲーム論でした。ゲームを構成する要素としては「意志決定、目標、障害物、資源管理、ゲームトークン、情報」があると
Alley Cat (ΦωΦ*) @alleycat346 2010年3月25日
ゲームにおける意思決定とは「自分の意思がゲームに反映されること」と考えます。コマンドや選択肢があればそれによって展開が変わると解釈します。ノベルゲームでもこの要素を備えているものがあるかと。目標についてはRPGであればアイテムの取得やクエストのクリア、ノベルゲームであればマルチエンディングであればすべてのエンディングをみるなどがあげられるかと。つまりプレイする上での「指標」が目的となると愚考します
Alley Cat (ΦωΦ*) @alleycat346 2010年3月25日
障害についてはRPGやアクションゲームならばmobやトラップがされに当たります。ノベルゲームは・・・難しいですね。マルチエンディングであれはある条件を達成するために立てるフラグ管理がそれに当たるのかもしれません。
Alley Cat (ΦωΦ*) @alleycat346 2010年3月25日
資源管理についてはHPやMPやアイテムが当たります。これらはプレイヤーの行動を制約すると共にその制約の中でいかにうまくやるかということを考えさせるものです。
Alley Cat (ΦωΦ*) @alleycat346 2010年3月25日
ゲームトークンとはアバターと差し替えてもよろしいかと。プレイヤーの分身や駒に当たるものです。それらを動かしたり、あるいはその行動を制約するのが資源であり、意思決定であったりと。
Alley Cat (ΦωΦ*) @alleycat346 2010年3月25日
最後に情報とはNPCの会話であったり、ゲームログであったり、プレイヤーが資源管理や意思決定をするのにあたり、それをどう行うかを与えられるものと解釈しています。ダンジョンの構造やmobのレベルやノベルゲームにおけるキャラクターの発言も情報に入るでしょう。
Alley Cat (ΦωΦ*) @alleycat346 2010年3月25日
最後にこれらの要素をいかに調理して組み立てるかがゲームであり、そしてゲーム性とはこれらの要素を以下に出していくかという部分につきるかなと。
しろうと @sirouto 2010年3月30日
Togetter - まとめ「ゲームとは何か?」 http://togetter.com/li/11691 このゲーム論の続きとなる、新しいまとめを作りました。
しろうと @sirouto 2010年3月30日
コスティキャンのゲーム論の「意志決定」と、私のゲーム論の「二重分節」は、同じようなことを別の角度で述べています。 「意志決定」はプレイヤー側の視点、「二重分節」はシステム側の視点です。(高次元の)意志決定や資源配分を行なうためには、選択肢の二重分節が要求されます。詳しくは、上記のまとめに書きました。