鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』読書メモ集

鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』(岩波現代文庫、2001)の読書メモをまとめました。初版は岩波書店、1982年。
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「明治の初期に懸命な働きをした指導者たちは、その何人かが肉体としてはこの頃まで生き残っていたのですが、それはかつてのジキル博士の皮膚のなかに別人のハイド氏がいまは棲んでいるというような状態においてでした」(鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』)。スゲー加藤典洋っぽい…って逆だろ!

2017-03-06 13:52:36
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「私が転向研究に価値があると考えるのは、まちがいのなかに含まれている真実の方が真実のなかに含まれている真実よりわれわれにとって大切だと考えるからなのです」(鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』)。ちょ、『敗戦後論』読んでたっけって一瞬錯覚したよ。

2017-03-06 13:56:53
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

@arishima_takeo 「真理が誤りうることの中から無謬の器に移されることに抵抗している。真理は、真理もまた、いつも誤りうることのなかにとどまることを、望んでいるのである」(加藤典洋『敗戦後論』、ちくま文庫、p.220)。

2017-03-06 13:58:46
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

加藤典洋は『戦時期日本の精神史』の解説担当だし、そもそも、アメリカでの鶴見講義から大きな影響受けてたことも知ってたけど、ジキル&ハイドの比喩も鶴見由来だったのか。アツいな。

2017-03-06 14:00:53
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「高史明はもう一人の朝鮮人小説家で、この人は朝鮮から移住してきた両親のあいだに日本で生まれました。彼の書いた自伝的な長篇エッセー『生きることの意味』が一九七五年に出ました」(鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』)。この人って『レイシズムを解剖する』の人となんか関係あるんだろうか。

2017-03-07 13:29:25
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

@arishima_takeo 「高史明のお父さんは沖仲仕で、同じように朝鮮からきた沖仲仕のあいだで働いていました」(『戦時期日本の精神史』)。お前はエリック・ホッファーかッ!

2017-03-07 13:31:07
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「石川は、東大新人会のさかんであった同じ時期に、彼らとちがう仕方で彼らのスローガンであるデモクラシーという言葉を解釈し、それを土民主義という言葉にフリガナをふって、土地に依って暮らす人々の自治と理解しました」(鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』)。石川三四郎ね。いいこと言うじゃん。

2017-03-07 13:33:36
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』読了。面白い。特に東大新人会系外の社会運動の系譜。山川均は釈放されたあと、商人(薬局、写真屋、酪農、代筆、広告屋、養鶏…)として働いたそうだ。その自叙伝の副題は「ある凡人の記録」。アンチ・エリーティズム。

2017-03-07 13:38:55
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

石川三四郎は、デモクラシー=土民主義の実践として、六〇〇坪の土地を借りて野菜を自作していたらしい。だからこそ、「彼は自分の食料を確保するために著作のみに寄りかかるという必要がない、このためにその戦時の著作においてさえも国策に同調しません」、だそうだ。思想の下部構造としての生活構造

2017-03-07 13:42:37