茂木健一郎 (@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2051回「言語習得におけるサイレントピリオド」
脳科学者・茂木健一郎さんの3月8日の連続ツイート。
本日は、感想です。
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茂木健一郎
@kenichiromogi
脳の神経回路網の変化は、ゆっくりとしか進行しない。しかし、その進行を進めるのはある特定の課題に取り組むという「文脈」だけである。だから、辛抱強く、地道にやるしかない。
2017-03-08 06:59:26
茂木健一郎
@kenichiromogi
第二言語の習得においては、「サイレント・ピリオド」という期間があることが知られている。たとえば英語を学ぶときに、しばらくは周囲で英語を話していても、その話者は黙っている。表面的には、何の進歩もないように見えてしまう。
2017-03-08 07:00:56
茂木健一郎
@kenichiromogi
しばらく何の進歩もないから、英語学習の進歩がないように見えるが、それでもその英語の環境に置いておくと、やがて、ある時期が来ると突然顕著な進歩を見せるようになる。サイレントピリオドが終わったのである。
2017-03-08 07:01:58
茂木健一郎
@kenichiromogi
サイレントピリオドにおいて、脳内では何が起きているのだろうか。外部へのアウトプットというかたちで進歩が見えなくても、神経回路網には徐々に微小な変化が蓄積しているものと思われる。それがある「しきい値」を超えた時に、顕著hな進歩が外在化する。
2017-03-08 07:03:02
茂木健一郎
@kenichiromogi
脳の神経回路網の変化は連続的だから、サイレントピリオドにおける変化に比べて、進歩が顕在化した後の変化の方が特に大きいということではない。むしろ、サイレントピリオドで潜在的に進行している変化の方が、習得の準備という意味においては実質的である。
2017-03-08 07:04:40
茂木健一郎
@kenichiromogi
言語習得における文法構造や意味の理解の多くは無意識のうちに潜在的に起こる。そのような視点からも、一見何の進歩もないように見えるサイレントピリオドの重要性が推認されるのである。
2017-03-08 07:05:35