島薗進さんによる伊藤浩志『復興ストレス』紹介
前説
『みすず』5月号:伊藤浩志「なぜ「不安」は消えないのか1.―生物学的合理性から見た福島原発事故」について togetter.com/li/978716 伊藤浩志『復興ストレス:失われゆく被災の言葉』の元になった連載についての批判 amzn.to/2jCaU0k
2017-02-25 15:36:05ちなみに… 本の元になった連載より引用 伊藤浩志: “末期がんに冒されながらも命を落とすまで低線量被ばくによる健康影響について考え続けたstudy2007(ペンネーム)は、弱者救済を第一に考える立場を取っているといえるだろう。” twitter.com/discusao/statu…
2017-02-06 21:25:26ちなみに再掲だが、2月24日発行予定の伊藤浩志『復興ストレス:失われゆく被災の言葉』 amzn.to/2jCaU0k では、被曝や甲状腺癌を巡る不確実性について、自身の確証バイアスに無自覚な科学者がリスク・コミュニケーションすることの弊害を批判しています。 pic.twitter.com/GI6QJcWDci
2017-02-06 21:13:48被曝の基準値に科学的根拠はない。被曝リスクにおける見解の違いは相場観の違いに過ぎない、というのが『復興ストレス』の伊藤浩志の主張(線量が低くなっても不安は下がっていないというデータを伊藤は提出している)ので、両方から評判悪そうだね。 twitter.com/discusao/statu…
2017-02-25 15:44:15まぁ、「正しく怖がれば不必要な不安はなくなる」とか「放射能恐怖の呪縛が福島差別を引き起こす」とか言わず、そういうメンタルな問題を引き起こしたのも原発災害であり「被曝リスク」にカウントしよう、という本です。伊藤浩志『復興ストレス』 amzn.to/2jCaU0k
2017-02-25 16:00:36伊藤浩志『復興ストレス』 amzn.to/2jCaU0k 島薗先生が読んだら、どういう感想持つだろうか?ちょっと興味あります。 twitter.com/discusao/statu…
2017-02-25 16:05:28真打
1【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】 sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7… 出ました!!福島原発事故の被害についての重要な著作。脳科学の研究者であるとともに人文社会系の考察にも強い福島在住の著者によるリスク評価と健康影響についての革新的論著。
2017-03-08 11:29:012【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】「社会心理学の調査によると、科学技術を評価する際、一般住民と科学者ではリスク認知に違いがある。一般住民は将来、起きることの不確実性を気にし、人間にはコントロールできないのではないかと感じている。また国や企業の信頼性を重視する」
2017-03-08 11:29:333【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】「一方専門家は、関心が技術的な側面に偏りがちで、利便性のためにはある程度のリスクはやむを得ないと考えている。また、リスクがあっても人間の力でコントロールできると思っている。この調査結果は、放射線医学の専門家は、被災者の不安を」
2017-03-08 11:30:044【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】「理解しにくいことを示している。一般市民は、自然を恐れ多いものと感じる一方、科学者は、「自然の主人にして所有者」(デカルト)として、自然を神のごとく支配できる、と心のどこかで思っているのかもしれない。」p.152
2017-03-08 11:30:245【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】「認知科学者のメルシェとスペルベルによると、最も厄介なバイアスは確証バイアスだ。確証バイアスとは、自分に都合のいい情報は受け入れやすく、そうでない情報は受け入れにくい傾向を指す。」よい例は自分に都合のよい証拠を求める傾向。
2017-03-08 11:30:456【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】「厄介なことに、頭のいい人が高度な教育を受ければ受けるほど、反論に備えて自分の主張に都合のいい材料をそろえ、相手の意見に耳を傾けなくなく可能性が高い…。つまり科学者といえども確証バイアスから逃れられそうもないし」
2017-03-12 23:14:067【伊藤浩志『復興ストレス』⑴】「科学的だからといって必ずしも客観的とはいえない」「放射線被ばくによる健康リスクのように不確実性が高くなると、より一層、確証バイアスから逃れられなくなる。不確実性が高い状況下では、脳内の扁桃体が活性化しやすくなることが分かっているからだ。」
2017-03-08 11:31:298【伊藤浩志『復興ストレス』⑴】以上p.153〜4。続いて、放射線被ばくによる健康リスクについての諸データが検討され、いかに不確実性が高いかが示されている。たとえば、基本的なリスク数値の根拠とされる広島・長崎の寿命調査(LSS)。「線量・線量率効果係数」(DDREF)の変遷など。
2017-03-08 11:32:029【伊藤浩志『復興ストレス』⑴】「リスクの見積もりが科学的に行われたとしても、脳の構造上、情動の影響を避けることはできない。放射線被ばくの健康リスクのように、不確実性が高いうえ、政治的・経済的・社会的な利害が絡み、発言によっって自分の立場に影響が出る可能性が高い場合」
2017-03-08 11:32:2310【伊藤浩志『復興ストレス』⑴】「自分の立場を無意識のうちに守ろうとして、なおさら強い情動反応が起きることだろう。だから、自分のことを「公正中立」などと言う人の話は、信用しないほうがいい。情動の影響力を過小評価しているか、自分に嘘をついているか、裏があるかのいずれかである」
2017-03-08 11:32:4511【伊藤浩志『復興ストレス』⑴】「情動を取り除くことは不可能だし、取り除いてはいけない」「情動はリスクをいち早く察知し、われわれにその存在を教えてくれる大切な警報装置なのだ」「前頭葉皮質腹内側部(VMPFC)や扁桃体が損傷し、情動をなくしてしまった患者は、理性は正常でも」
2017-03-08 11:33:0812【伊藤浩志『復興ストレス』⑴】「反社会的な言動を取るようになる」P165-6 よい例は脳腫瘍の摘出手術でVMPFCを切除してしまった患者エリオットp.74〜 その後、社会性を喪失したが研究では正常。知能検査では高い数値。記憶力、言語理解力、計算能力等々、多くの検査で正常値。
2017-03-08 11:33:5813【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】エリオットはなぜ社会性を失ったのか。「それは「不確実性」である。」「エリオットには、一つだけ手術前とは異なる特徴があった。感情がなくなってしまったのだ。」「エリオットは、理性は正常なので、単純な出来事の一つ一つは理解し」
2017-03-08 11:34:1914【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】「目先の個々の仕事はきちんとこなすことができる。しかし情動が欠落しているため、情報に重み付けをすることができない。そのため、自分にとって何が最も大切なのか分からなくなり、適切な意思決定ができなくなってしまったのだ」P76-7
2017-03-08 11:34:5615【伊藤浩志『復興ストレス』⑴】「倫理観・道徳は近年では、社会的動物として進化する過程で、秩序を維持し、生存率を上げるために獲得した情動反応の一種と考えられるようになっている」「重要なのは確証バイアスのような弱点を自覚したうえで、いかに情動を上手に活用するかであろう」p166続
2017-03-08 11:35:426【伊藤浩志『復興ストレス―失われゆく被災の言葉』⑴】「厄介なことに、頭のいい人が高度な教育を受ければ受けるほど、反論に備えて自分の主張に都合のいい材料をそろえ、相手の意見に耳を傾けなくなく可能性が高い…。つまり科学者といえども確証バイアスから逃れられそうもないし」
2017-03-08 12:03:44@Shimazono 「復興ストレス―失われゆく被災の言葉」はどういう立場の人が読むと役に立つと思われますか?今現在あまり生活に追われていず、精神的にも余裕のある人でないと読みにくい本のような気がいたしますが。
2017-03-08 23:47:58