ニコンの新型試作ハイエンド広視野双眼鏡(後のWXシリーズ)について
CP+2017に展示されていたニコンの新型ハイエンド双眼鏡について書きますね #ニコン #NIKON #双眼鏡 #binoculars #CPplus2017 pic.twitter.com/O22Y8ZTMAo
2017-03-07 23:05:15先日のCP+2017では、各メーカーが様々な注目すべき新製品を出品しましたが、通例それらは先に展示が予告されるので、驚きという点ではさほどでもないものです。そんな中本当のサプライズといえたのが、ニコンビジョンブースに展示されていたこの新型双眼鏡でした。 #NIKON #双眼鏡 pic.twitter.com/ldj1hAfr7f
2017-03-07 23:06:47その驚きとは裏腹に、双眼鏡はカメラでも映像機器でも家電でもないので、メディアの露出が極めて少ないジャンルでもあります。このような驚くべき製品も、よほど関心のある方でない限りスルーされてしまうもので、現状においてもネット上ではこの話題をあまり見かけません。 #NIKON #双眼鏡 pic.twitter.com/pydvf2IzmW
2017-03-07 23:07:10実は2016年8月、新潟県胎内市の胎内星まつりに実機が持ち込まれており、その後ドイツのフォトキナ2016、アメリカのCES2017で出品され、今回のCP+2017は満を持しての展示だったようです。 #NIKON #双眼鏡# CPplus2017 pic.twitter.com/8Sk0idymXH
2017-03-07 23:07:49・
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新潟の胎内星まつりでは……
胎内星まつりで、見てしまった。ニコンやるもんだね、嬉しい。アッベケーニッヒプリズム搭載の見掛け視野90°の双眼鏡。周辺まで見事点像!一瞬晴れた時に見ました。試作品らしいが、本当に製品になるのか?お値段は?でも、ニコンの技術は凄い!値段じゃないかもね。#双眼鏡
2016-08-30 00:04:46・
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会場では設計に関わっていらした方も含め数人の方とお話しすることができ、疑問点にもいろいろお答えいただけたので、せっかくなので印象的だった部分をここに書きとめておきます。 #NIKON #双眼鏡 #CPplus2017 pic.twitter.com/pAkV4hQiKK
2017-03-07 23:08:29内容は記憶によるものなので正確ではありません。また、複数の方とお話させていただいた内容の混合であり、特定の方の発言ではありませんし、当然、お話された方はその内容に責任を負いません。なので、話半分ぐらいでお読みください。 #NIKON #双眼鏡 #CPplus2017 pic.twitter.com/VvPK1qgBKh
2017-03-07 23:08:54会場には7倍50mm(7X50)モデルと10倍50mm(10x50)モデルが展示され、どちらも驚くほどの広い視界と、周辺まで崩れない高分解能を実現していました。特に7倍モデルは色付きのない画質、10倍モデルは更なる広視野を目指しているように感じられました。以下、お話の要約です。 pic.twitter.com/jmnN1JOH4E
2017-03-07 23:09:22.
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CP+2017でNIKONの人に聞いてみました
::まず覗いてみて、7倍モデルの広い視界周辺まで崩れのない高画質と、10倍モデルのさらに圧倒的な広視界に驚きを覚えた。 技術的にやりたかったことをすべてつぎ込んだ。それだけのものに仕上がっていると思う。 pic.twitter.com/dpg8CF3C0R
2017-03-07 23:10:34::IF(左右独立フォーカス調整)だがセンターフォーカスにしなかったのは? センターフォーカスも技術的には可能だが、たいへん大きな光学系を動かさねばならず巨大化してしまう。星見(天体用途)をメインと考えフォーカス調整の頻度は低いと判断した。もちろん防水防塵も有利になる。 pic.twitter.com/CpF1S7hQ4y
2017-03-07 23:12:13::接眼は2インチサイズのようだが? 天体用ニコン2インチ接眼レンズNAV-HWシリーズの設計を参考にしている。TELEVUE社製ETHOSよりも僅かだが広視界の接眼レンズで、この設計があったのでこの双眼鏡が実現した。 pic.twitter.com/o6FQbSdvon
2017-03-07 23:13:11(ETHOSは天体望遠鏡に用いる広視界接眼レンズの代名詞で、その名前は辛うじて知っていましたが、NAV-HWの名前は知りませんでしたすみません)
2017-03-07 23:13:21::接眼を交換式にしなかったのは? 交換式も当然検討したが、防水防塵に加え特に双眼鏡では視軸の管理が難しくなるため断念した。 (視軸について:双眼鏡は左右それぞれの光軸と眼幅調整軸の3軸が高い精度で平行でなければならないため、調整が難しいのです) pic.twitter.com/yGmdYhLPZt
2017-03-07 23:14:04::ポロプリズムでなく、ダハ面のあるアッベ・ケーニッヒプリズムを採用したのは? ポロプリズムのメリットも理解しており、設計者の中にはこれを推す人もいた。しかし― pic.twitter.com/az9EXz0poI
2017-03-07 23:14:22―しかしこのくらいの広視野となると入射角がポロプリズムの臨界角を超え全反射が得られない恐れがあった。充分な大きさのアッベ・ケーニッヒプリズムであればこの問題は回避できる。コンパクト化も目的のひとつだがどちらかといえば光学的要請のほうが主だ。 pic.twitter.com/rsgAoHbN6o
2017-03-07 23:14:46::覗き込んでもダハ面が見えないが? 入手できる最高精度のダハプリズムを使用した。ダハの稜線の加工精度はサブミクロンオーダーだ。対物から覗き見ても肉眼で稜線を認識するのは難しいと思う。 pic.twitter.com/xAhW5SL8ZD
2017-03-07 23:15:11::対物レンズ口径は60㎜(以上)にできなかったのか? もともと7倍手持ち双眼鏡の最高峰というのが出発点なので60㎜口径では過剰になる。また、アッベ・ケーニッヒプリズム使用で全幅を抑えているので50㎜を上回ると三脚装着時の眼幅の調整代が厳しくなる。たとえば― pic.twitter.com/RvWQF5rgh8
2017-03-07 23:16:25―たとえば大口径対物レンズの一部を切り落とせば(D字型のレンズを使用すれば)装着可能だがそこまでは行わなかった。また、手持ちでの使用も考慮し、対物側を軽量化して重心を接眼側に寄せることにも留意した。 pic.twitter.com/OtcD3b07rr
2017-03-07 23:17:20::重心が接眼側にあるので10倍モデルでもそこそこ安定して手持ち使用できる。 持ちやすさは狙ったがそれよりは光学面を優先した。結果、総重量は2kgを超えているが「その割には」持ちやすいと思う。 pic.twitter.com/EgRwLxyFWA
2017-03-07 23:17:49::10倍モデルは視野が大変広いかわりに周辺部に色収差が若干ある様だが? 像流れ(非点・コマ収差)や像面湾曲を押さえ込むことを優先し歪曲や若干の色収差は許容した。色付きはあると思うが、最周辺部まで乱れなく平坦な像が確保できていると思う。ちなみに― pic.twitter.com/G2Ip67C0KJ
2017-03-07 23:18:20