茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2059回「もやもやから逃げてはいけない」
脳科学者・茂木健一郎さんの3月16日の連続ツイート。
本日は、感想です。
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茂木健一郎
@kenichiromogi
夏目漱石が、『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』といった初期の作品を書くことによって救われたことに、創造をめぐる「自己」と「作品」の関係を考える大切なヒントがある。
2017-03-16 08:09:26
茂木健一郎
@kenichiromogi
創造者の胸には、もやもやがある。ひっかかりがある。そのような心の中のあれこれが、作品をつくることによって解消される。自分自身がより健やかになる。そこには、創造者と作品の一つの理想的な関係がある。
2017-03-16 08:10:16
茂木健一郎
@kenichiromogi
これが気になる、あるいはもやもやするという感覚は、脳の感情のシステムによる一つの「タグ付け」で、その下に、膨大な可能性が埋蔵していることを示すのである。作品をつくるということは、つまり、そのような埋蔵物を掘り出すことに相当する。
2017-03-16 08:11:17
茂木健一郎
@kenichiromogi
もやもやや悩みをそのまま出すよりも、むしろ、その痕跡を留めないくらいに変形することで、本人はより健やかになる。個別性を離れて一般化したり、あるいはメタファーやアレゴリー、シンボルを用いて印象的な世界を描く。
2017-03-16 08:12:13
茂木健一郎
@kenichiromogi
このような創造のプロセスのひな型は夢にある。夢では体験の内容やそれにともなう感情が新たな結びつきの下に、変貌して顕れるので、その表現は元となった体験とは異なる印象を持つ。創造の過程で作品に結実するプロセスも同じである。
2017-03-16 08:13:33
茂木健一郎
@kenichiromogi
もやもやから始まり、痕跡をとどめない作品を出すことで自分がすっきりするというプロセスが創造性である。だから、まずは自分の中のもやもやに注目すると良い。もやもやから逃げてはいけないのだ。
2017-03-16 08:15:13