たぶん発端のツイート
そういえば、マンガやアニメについて研究会に出ていると、歴史系の研究を見ることも多く、最近歴史学者の方がどうやって一次史料を読み解いているのか気になっています。 ということで、何か良い教科書(学部生向けでOK)はないでしょうか。続く)
2017-03-15 18:38:36自分がAMAZONで調べた限り 歴史学研究入門 単行本 C. セニョボス 歴史学入門 福井憲彦編 岩波 歴史学入門 浜林正夫編 有斐閣 新しい史学概論 望田 幸男 昭和堂 あたりが引っかかるのですが…。 続く)
2017-03-15 18:38:49私自身の本職は社会学ですが、最低限歴史学者の人がどういう規範に基づいて歴史を記述しているのが知りたいのでちょっと聞いてみる次第です。繰り返しになりますが、学部生レベルのもので全然大丈夫です。一応つけたせば、特に近代以降のマンガ史をちゃんと記述したいから伺う次第です。
2017-03-15 18:41:01史料批判・史料読解の学び方について
”さて、過去に存在した事象を把握し筋道を立てるのに役立つ材料を「史料」と呼ぶ。紙に書かれた文献史料がすぐに頭に浮かぶが、口頭伝承、金石文、絵画、録音、映像(写真、動画)など様々な種類がある。遺物・遺跡なども広い意味の史料である。
史料は一つ一つ、歴史研究を行う上での有効性・信頼度(信憑性)が異なり、これを見極める作業を「史料批判」と呼ぶ。文献史料を例にとると、その目安となるものは、その史料を「いつ」「どこで」「だれが」書いたか、の三要素であり「そのとき」「その場で」「その人が」の三要素を充たしたものを「一次史料」と呼び、そうでないものを「二次史料」と呼んでいる。”
”史料として提供されるもののなかには、しばしば「全部もしくは一部が本物ではない」、あるいは「それまで承認されていたようなものではない」ということが発生する。
〜中略〜
したがって、史料の正当性・妥当性は、常に注意深く吟味されなければならない。また、史料が証言する内容について、有効性や信頼度(どの程度信頼できるか、どの程度の証拠能力をもつか)を評価する必要もある。これについては、証言者は事実を述べることができたのか、事実を述べる意志があったのか、の2点より検討されなければならない。
史料批判は一般に、史料そのものが後世に偽造や改変を受けたものでないかどうか、一次史料[4]に相当するか否かなど、その外的条件を検討する外的批判と、史料を残した人物が意識的ないしは無意識的に虚偽・錯誤の報告をしていないかを検討する内的批判とに分けられる。”
生兵法は怪我の元。一次史料の読み方を学ぼうとする前に先ず自分が興味を持った地域・時代の歴史について専門家が書いた概説書を読むのが良いでしょう。結局はそれが近道です。
2017-03-15 19:22:54史料批判のスキルをどう身に着けていくのかという話だったら、史学概論系の書物読んでも大したことはわからないような気がする。史籍解題みたいなゼミにでてもらうしかないのでは。
2017-03-15 19:25:12@mangaken 歴史学者が史料をどう読み解いているかがお知りになりたいなら、歴史学入門の類よりは、こういう本→ amazon.co.jp/dp/4000280430/… の方が参考になるのではないでしょうか。
2017-03-15 19:26:49@satoshin257 結局史料批判って、具体例挙げてやってるのを見るのが一番早いんで、なんでもいいからちょっと興味のある時代あげてそこの時代の史料の名前ciniiにぶちこんでみ?が早い気がしちゃうんですよね……
2017-03-15 19:35:51マジメな話し、歴史学徒が史料を前にして何をまず考えるとか、史料批判とかをスッと偏りなく例示することがうまく行ってないか不十分だからこそ、近年の歴史学の立場の悪さもあると思っている。
2017-03-15 19:29:50徒弟制だけでは世間に向けた「歴史学の正当性」を考える機会を失いがちになるかも。「歴史研究者は「職人」になるべきではない」という見解もある。 twitter.com/sendaihiscafe/…
2017-03-15 19:47:02史学科や文学部ではない大学一年生向けに、歴史学の考え方を知ってもらうための講義を持った時は、自分が「これは凄い」と思った史料批判の仕方や発想法の論文、著作をめっちゃ噛み砕いて紹介する回が多くなったけど、日本史東洋史西洋史で事例揃えるのが大変過ぎて死にそうになった。みんなで本書こう
2017-03-15 19:44:50史料批判の例
あと私が史料批判の説明で良く用いるのは、いわゆる旧約聖書モーセ五書を「これ伝承がいうようにモーセが一人で書いたものじゃなくね?」って言い出した、近世の神学者たちの、自身の信仰心との相克に苦悩しながら積み上げた史料批判と聖書学の誕生です。あるとき、彼らは気づくのです。「神が二種類」
2017-03-15 20:08:21創世記の神を記述する用語にヤハウェ(神)とエローヒム(主)が混在していることに疑問の目が向けられます。モーセ一人が書いたなら、何故至高の存在表記に書くもブレが?…二人(以上)の人物が書いたテキストをつなぎ合わせて作られたのが、創世記なのでは…!?史料としての聖書分析が始まります。
2017-03-15 20:13:23史料批判のやり方を本の中で具体的に示されると、素人は「あー、そういうことかー」ってなるのは確かかも。井上浩一先生の『ビザンツ皇妃列伝』のマルティナ(ヘラクレイオスの姪で後妻)の章で年代記引用しながら批判を加えていったのを読んだときは「これがプロか」と震えた >RT
2017-03-15 21:04:13