#ちんじふ劇場 【南洋防衛戦記 吹雪、陽炎、かく戦えり】

これは横須賀鎮守府に籍をおく、Acnos艦隊が遭遇したとある事件の物語です。主に自分用
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南洋防衛戦記

青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

横須賀鎮守府・Acnos艦隊提督執務室 吹雪「出張……ですか?私が?」 「うん。南方視察を私の代わりに行って欲しいのよ」 言葉の意味に吹雪は察する。 吹雪「物流ルートに関係することですか?」 口の端を吊り上げるようにして笑う。 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:46:19
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

「良い気付きね。上はまた大規模攻勢をやるつもりらしいから、一度ルートの確認をと思ってね」 吹雪「そうですか。私も一度見ておきたいと思っていました」 「そうなの?」 少し意外な話だ。 吹雪「はい。物資供給の安定化は私も必要不可欠だと考えます」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:47:06
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

吹雪「ですから、実際にこの目でルートを見ておきたかったんです」 「ふむ」 吹雪「いつもは艦隊行動でしか南方には行かれませんから。こういう機会を作っていただいて、ありがとうございます司令官」 「ああ、どういたしまして」 吹雪「では準備にとりかかりますね」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:48:42

青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

大淀「どうかしましたか?」 はしゃいだ様子のまま出て行った吹雪と入れ替わりに大淀が入ってきた。 「吹雪に南方視察の話をしたのよ」 大淀「踊り出しそうなくらいにはしゃいでいましたね」 「……たぶん、いまごろ自室で踊ってるわね」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:52:35
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

大淀「踊りはともかく。話がスムーズに進んでよかったのでは?」 「いやさぁ、いいのかなあと」 大淀「……」 「私はあの娘を艦隊指揮官にするべく育てているわけだが」 大淀「うまく行き過ぎている手応えに不安を感じますか?」 「まあね」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:54:33
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

大淀「彼女は貴女を慕っていて、そして貴女のやり方に共感を得ている。どこに不満があるのですか?」 「不満はないよ。でも私はね。もしかしたら吹雪から、未来の選択肢を奪い去ったんじゃないかと……」 大淀「率直に言わせて頂いてよろしいでしょうか?」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:55:46
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

どうせ碌なことを言われないだろう。思わず顔を顰める。 「聞こうか」 大淀「あのくらいの年ごろで自分の道を決められることは稀です。流されるか、強制されるか、そのどちらかに翻弄されながら、導く人もなく、探す手がかりすら掴めない娘の方が多いです」 「……」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:56:44
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

大淀「しかし吹雪さんは、提督の導きで自分の進むべき道を見つけました。選択肢がないのではなく、彼女はすでに選択したんです。だから提督。貴女には彼女が独り立ちをする瞬間まで見守る義務があります」 「そうか。そうだな」 大淀「差し出がましい言葉で申し訳ありません」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:58:02
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

「いや、構わんよ。貴様は同志だ。耳の痛い言葉だが、私たちは喜ぶべきなんだろうね。吹雪の選択と成長を」 大淀「……同志」 心の奥に暖かな火が点る。 「さて、なんか用事じゃなかったのかな?」 大淀はハッと我に返った。 大淀「そうでした。すみません」 #ちんじふ劇場

2017-01-29 23:59:53

青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

陽炎「第14駆逐隊6名、集合しました」 長良「よし。第14駆逐隊には、南方への船団護衛の任務に就いてもらうわ」 陽炎「はい」 長良「高雄、ブルネイを経由して目的地はセレター港よ」 潮「ずいぶん南まで行くんですね」 曙「だいたい途中の基地までですよね?」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:11:15
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

長良「今回は提督の南方への視察も兼ねてるのよ」 皐月「視察?」 長月「現地の状況を見に行くことだ」 皐月「知ってるってそれくらい」 陽炎「じゃあ、とー…じゃなくて、司令も同行するんですか?」 陽炎の表情が輝くのを曙がしかめっ面で見る。 曙「うざいわね」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:12:28
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

霰「陽炎に構ってもらえなくなるから?」 曙「ンなわけあるか」 霰「そう?」 長良「残念だけど、提督じゃなくて代理の人よ」 陽炎「えー」 潮「代理?大淀さんですか?」 長良「吹雪ちゃんが行くって聞いてるわ」 陽炎「……」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:13:06
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

皐月「副司令官カッコカリだ」 長月「副司令官カッコカリだな」 曙「何よそれ?」 皐月「睦月ちゃんがそう言ってた。正式じゃないからだって」 長良「面白いこと考えるわね。ともかく、吹雪ちゃんも艤装を付けて行くけれど、船団同様に護衛対象って事を覚えておいてね」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:16:04
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

陽炎「……」 長良「返事は?」 陽炎「はい!第14駆逐隊は輸送船団及び、特型駆逐艦「吹雪」の護衛任務を承りました」 長良「よろしい。出発は16時。1時間前までは自由で構わないわ」 曙「まだ時間があるわね。ちょっと外すわ。行くわよ潮」 潮「待って曙ちゃん」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:17:51
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

走り去る二人。 長月「なんなんだ一体」 皐月「まあ良いんじゃない?自由時間だし」 陽炎「……」 霰「どうかした?」 陽炎「え?あれ?曙と潮は?」 長月「おかしいのはこっちもか(ため息」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:18:41

青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

潮「曙ちゃん、どうするの?」 曙「伝えるわよ」 潮「……告げ口みたいにならない?」 曙「じゃあ、言わないほうが良いっていうの?」 潮「それは……」 吹雪「あれ?曙ちゃんと潮ちゃん?」 曙「吹雪……」 潮「こ、こんにちは」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:20:50
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

吹雪「遠征の護衛に付いてくれるんだよね。よろしくね」 曙「その件でちょっと話があるの。いいかしら?」 吹雪「え?いいけど」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:21:41
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

吹雪「陽炎ちゃんが私を意識してる?」 潮「はい」 曙「あいつはクソ提督の親戚だかなのよ」 吹雪「そういえば聞いたことあるかも。でもどうして?」 潮「陽炎ちゃんは提督のこと尊敬してますから」 曙「いつもそばにいるアンタを羨ましいか嫉妬してるか……」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:22:32
青葉@30日“め”23a⚓鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

曙「とにかくどっちかの感情があることは間違いないと思うわ」 吹雪「……ふたりはどうしてそれを私に?」 曙「告げ口のつもりはないわ。あんなのでも仲間だから」 潮「でも吹雪さんは私たちのお姉さんなので、一応知っておいてもらったほうが良いのかなと」 #ちんじふ劇場

2017-01-30 20:23:22
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