開米の読解力図解力講座 on twitter 、第4回

おなじみ開米さんの読解力図解力講座のtwitter版 さらりとはじまった第4回です。 第1回 http://togetter.com/li/107523 第2回 http://togetter.com/li/107528 続きを読む
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開米瑞浩 @kmic67

おっとそういえば開米の読解力図解力講座 on Twitter 第4回をやるか。今夜は簡単に。

2011-03-07 23:29:59
開米瑞浩 @kmic67

私はもともと「図解」をテーマに企業研修ビジネスを始めたのですが、始めてみてわかったのは、「図解力」を左右するのは図解ではなく言葉の使い方であり、言葉の意味に対する読解力、感受性である、ということでした。

2011-03-07 23:32:12
開米瑞浩 @kmic67

ただ、「感受性」と書くと、訓練で向上させることができない生まれ持った素質のようにも聞こえますが、そんなことはありません。「言葉の意味」を真剣に意識する機会が少ないから力が伸びないだけで、その機会を増やせば伸びます。

2011-03-07 23:35:36
開米瑞浩 @kmic67

「言葉の意味を真剣に意識する」というのは、ほんのちょっとした例文でもできることです。たとえば 「 (1) 俺たちはエベレストへ登る! (2) 1日目は5000メートル地点でキャンプを張るぞ」 という例文を考えてみましょう。

2011-03-07 23:56:34
開米瑞浩 @kmic67

なお、本当にエベレスト登山をするのに1日目で5000メートル地点に行けるのかどうかは知りません。たぶん違うでしょうがそのへんは突っ込まないでください(^^ゞ

2011-03-07 23:57:31
開米瑞浩 @kmic67

さて、あるとき、例文の (1) (2) に見出しをつけてください、という問題を出したところ、(2) の見出しとして 「目標」という案と「予定」という案が出てきました。 どっちでも使えそうですが、あなたならどちらを使いますか?

2011-03-07 23:59:44
開米瑞浩 @kmic67

「目標:1日目はx000メートル地点でキャンプを張るぞ」と、「予定:1日目はx000メートル地点でキャンプを張るぞ」の、どちらが自然に感じられるでしょうか。

2011-03-08 00:00:31
開米瑞浩 @kmic67

こういうところで、「目標と予定はどう違うんだろう? どう使い分ければいいんだろう?」と数分でもいいから考えると、言葉の感受性が1つ上がります。

2011-03-08 00:01:36
開米瑞浩 @kmic67

そこで、ある例文を考えます。例2:今年中に、フルマラソンで3時間を切るのが目標です → これを「予定」にするのは変ですね。

2011-03-08 00:03:27
開米瑞浩 @kmic67

逆に、例3:その資材は昨日A社に発注しました。5日後に納品される予定です →これを「目標」にするとやっぱり変ですね。 つまり「目標」と「予定」はやはり意味が違います。では、どう違うのか?

2011-03-08 00:04:49
開米瑞浩 @kmic67

要は、「目標」というのは、「話し手が、そこに到達しようという意志を持って取り組んでいるけれども、達成できるとは限らない場所、水準」 なんですね。だから、「フルマラソンで3時間を切る」というのは話し手の意志です。しかし、達成できるかどうかはやってみないとわかりません。だから「目標」

2011-03-08 00:07:13
開米瑞浩 @kmic67

一方例3のほうでは、「納品される」のは納入業者A社の仕事であって、話し手の努力を必要とする仕事ではありません。例3の話し手は「当然5日後に納品される」と思っているので、「目標」ではなく「予定」がふさわしいです。

2011-03-08 00:08:27
開米瑞浩 @kmic67

こんなふうに、「目標も予定もどっちも使える。どう違うんだ?」 と考えると、その使い分けが必要なシーンを考えることができ、微妙な意味の違いを使い分けられるようになります。

2011-03-08 00:16:03
開米瑞浩 @kmic67

それがわかると、今度はこういう例文も作れますね。 「例4:その資材ちょっと今品薄でして、ほとんどどの業者も在庫持ってないんですよ。それで今A社に、5日後を目標に集めさせてます。それが駄目そうなら次の手を考えなきゃいけません」

2011-03-08 00:17:12
開米瑞浩 @kmic67

この例4は例3と同様「A社に発注した」という状況ですが、例3とは違って話し手は「5日後に当然納品される」とは思ってません。それは「自分が意志を持って努力しなければ達成できないこと」と認識しています。したがって、ここは「目標」であって、「予定」とは言えません。

2011-03-08 00:18:41
開米瑞浩 @kmic67

さて、そこで「1日目はx000メートル地点でキャンプを張るぞ」に戻ると、この場合「x000メートル」というのが、「ほぼ確実に達成できる楽な水準であって、何の心配もしていない」のであれば「予定」という意識で話すでしょうし、

2011-03-08 00:19:59
開米瑞浩 @kmic67

「楽ではないけれど好条件に恵まれて、かつサボらなければ達成できる」 という場合は「目標」という意識になります。 つまり、同じ「1日目はx000メートル」という例文でも「目標」というラベルをつけるか、「予定」というラベルをつけるかで少し意味が違ってくるわけです。

2011-03-08 00:20:53
開米瑞浩 @kmic67

たとえばベテランの登山家Aさんのチームにとっての「x000メートル」とビギナーBさんのチームにとっての「x000メートル」では、難易度が違ってくることでしょう。AさんとBさんが同じように「1日目はx000メートル」と発言したとしても、その意味は違います。

2011-03-08 00:22:10
開米瑞浩 @kmic67

その意味の違いは 「目標」 か 「予定」 かというラベルの選択に現れてきます。

2011-03-08 00:22:35
開米瑞浩 @kmic67

だから、短い文でもそこにラベル(見出し)をつけることが非常に重要なのです。

2011-03-08 00:23:10
開米瑞浩 @kmic67

ラベルをつけようとすると、「良いラベルが思いつかない場合」と「2つ以上思いついてどっちにするか迷う場合」があります。こういうときが最大の学習のチャンス。

2011-03-08 00:24:00
開米瑞浩 @kmic67

思いつかない、ということは、ボキャブラリーの不足なので、そこで何とか探しましょう。

2011-03-08 00:24:22
開米瑞浩 @kmic67

2つ以上思いついて、どっちにするか迷う場合は、それぞれの違いがぼんやりとしかわかっていないのかもしれません。そこで使い分けを真剣に考えて、言葉への感受性を一段上げておきましょう。

2011-03-08 00:25:20
開米瑞浩 @kmic67

ほんの些細な文を通じてでも、図解力につながる「言葉への感受性、読解力」は上げることができる、という話でした。

2011-03-08 00:26:06
開米瑞浩 @kmic67

以上、これにて開米の読解力図解力講座 on Twitter、第4回終了!(^_^)/

2011-03-08 00:26:25