職人の朝ははやい

七歩📚12/5ちょこっとBC&ブクハン @naholograph

結び職人の朝は早い。早朝、人と人との間にある見えない糸を結び関係を作る彼らはかじかむ手を温めながら作業を進める。この仕事で一番辛いことは何ですかと尋ねてみた。好きな子の糸結びですかねと糸川さん。だけど最高の笑顔がみられる瞬間でもあるんすよ最高の、と糸川さんは笑う。#twnovel

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いつも何かしらつけこまれる。嫌だと思うこともありました。でもそれは必要のない感情だと気づいたんです。彼らはみな自分で作り上げる幸福を知らない哀れな人たちなんですよね。ならば解るまで利用するがいい。僕の作り上げた最高のぬか床につけこむがいい。(つけもの白書序章より)#twnovel

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迷える人々を導きたいと一念発起して転職。信号機、灯台ときて気づけばここまで来ていたのだという。｢悩みは孤独なことですね｣と照内さん。多くを導くための光は遠くまで届く。誰も近寄る必要がないのだ。｢だけど明るい方がいいでしょう？｣その技術を買われ今では星を磨いている。#twnovel

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「お祭り騒ぎってやつですから」毎年この日は大忙しという鑑定士の正木さん。正木さんはこうして毎日街を巡回している。「例えばこれ。解ります？」拾い上げたのは小さな嘘。彼女はいつか本当になりそうな嘘を拾い集める。「いつか思い出になった時に忘れているんじゃ寂しいでしょ？」#twnovel

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｢僕らの仕事、どう思います？｣作業の手を止め大貫さんは我々スタッフに尋ねた。｢型にはめるなんて残酷だと嫌われます。だけど元々型よりでっかい人なんていない｣そういって再び手を動かす大貫さん。｢型はあくまでも道標。壊してからが本番です｣彼の作る型は歪みがないと評判だ。#twnovel

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三河さんは死体専門の小説俳優だ。｢誰かが死ななきゃ始まらない。なら僕がって思ったんです｣死体役不足で停滞していた推理小説業界に風穴を開けた彼は、その巧みな演技を認められ今年賞をとる。｢記憶に残らないよう気をつけていたのですがお恥ずかしい｣彼への指名は後を絶たない。#twnovel

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年々減少しているというカーネーションをギザギザにする仕事。職をなくした職人に目をつけたのが藤居さんだ。｢綺麗でしょ。尖るならこうありたいと思って｣ギザギザハートを適度なギザギザに整え直す。｢花弁も心も柔らかさは同じですから｣人の心を整える。彼の仕事には否定的な意見も多い。#twnovel