【白血病の検査会社 結果に不備】臨床検査会社エスアールエルは、白血病の遺伝子検査の結果に誤りがあったことを公表。検査は2002年以降に10万件以上実施。 yahoo.jp/O0Lsnf
2017-03-24 19:26:13「白血病検査の結果に不備」 検査会社「エスアール」が発表(産経新聞) - Yahoo!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170324-… これは治療選択や生命予後に大きく関わる可能性があったのでは…
2017-03-25 12:49:23@hanacoppy この記事だと詳細が分からないですが、下手するとかなりの補償額が必要になる可能性も考えられますね。当院はSRLだったかBMLだったか…途中で業者変わってる気がします。
2017-03-25 13:00:17果物は一応専門家なので、推測に頼るしかない部分は多少の不正確が混じることをご承知いただく前提で、不安に思われる患者さんのために少し解説を試みます。 白血病の遺伝子検査で方法に誤り 不正確な結果報告 | NHKニュース www3.nhk.or.jp/news/html/2017…
2017-03-25 17:07:11白血病だけでなく、さまざまながんの細胞には、個人が生まれ持った本来の遺伝子とはことなる異常な遺伝子が多く含まれ、これらの異常ががんの発症に深く関係することがわかっています。
2017-03-25 17:12:10これらの異常は、身体のすべての細胞ではなくその一部にだけ生じた異常で、子孫に受け継がれることはありません(体細胞変異)。しかし、ある特定の異常が、特定の病気と密接に結びついていることが白血病では珍しくなく、ときにその対応が1対1になることがあります。
2017-03-25 17:16:31詳細は専門的になるので省きますが、一例を挙げると、白血病を疑う患者さんの血液や骨髄を検査して、PML-RARα融合遺伝子という異常が検出された場合、それだけで「急性前骨髄球性白血病(APL)」という診断がほぼ確定します。
2017-03-25 17:24:15強調しておきたいのは、白血病の診断がすべてこれほど単純で簡単でというわけではないことですが、「ある遺伝子の異常が検出されるかされないか」は、白血病の診断にしばしば決定的な影響を与えます。ここでは、どれくらい検出されるかという量の問題はあまり関係がありません。
2017-03-25 17:30:55異常な遺伝子を検出するやりかたとして、いくつかの方法が知られています。そのうち、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)という、ごく微量の遺伝子を天文学的倍率で増幅させ検出するという方法が、現在利用できる方法として最も敏感とされ、白血病の検査でも使われています。
2017-03-25 17:38:54この検査が非常に敏感で、顕微鏡で観察してヒトの目で見てもわからないほどの少ない数の細胞でも異常遺伝子を検出できること、さらに正常な細胞ではその遺伝子は検出されないことから、診断だけではなく「目に見えないほど少ない数の白血病細胞があるかないか調べる」目的でも検査が使われます。
2017-03-25 17:46:20具体的に言うと、病気の治療のあと、骨髄を検査して一見正常に見える患者さんでも、遺伝子検査で異常が検出されれば「病気の細胞が一定数残っているから再発する可能性が高いのではないか」というように考えます。いくつかの異常な遺伝子では、実際にそのような傾向がはっきり確かめられています。
2017-03-25 17:53:18PCRの検査で異常な遺伝子が検出されるかどうかを見れば、「残っている白血病の細胞がこれこれの数以上か未満か」がある程度わかりますが、それがどれくらいの数なのかは直接にはわかりません。検査法を工夫することで、それを間接的に知ることができます。
2017-03-25 18:00:47その工夫とは、「正常異常を問わずすべての細胞に等しくあると考えられる遺伝子」を、異常な遺伝子とともに同時に増幅させ、その増え方を比べることでもとの遺伝子の量を推定する、という方法です。このやり方を定量PCRと呼びます。(詳細は高度に専門的なので省きます)
2017-03-25 18:16:17ここまでは検査の意義と方法についての説明で、枇杷の推測は含まれていません。では、報道の内容から、いったい検査の何に問題があり、現場にどういう影響があったかを推測してみます。
2017-03-25 18:24:26産経新聞の記事によると、『医療機関から「院内で行った検査との値に開きがある」と指摘を受けた』『検査の基準となる物質の不具合が原因』とあります。 headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170324-…
2017-03-25 18:26:56この記載からは、定量PCRで得られた「どれくらいの量の遺伝子があるか」の値が不正確で、異常な遺伝子と比べる正常な遺伝子の検査に問題があったことが強く推測されます(枇杷個人の推測です)。
2017-03-25 19:09:21「異常な遺伝子/正常な遺伝子」で求められる遺伝子の量は、分母に問題があれば当然結果が狂うわけですが、報道を見る限り、分子の方には問題がなかったことが推測されます(しつこいですが枇杷個人の推測です)。
2017-03-25 19:13:43分子の方に問題がなければ、値の大小は狂っても、「異常な遺伝子を検出したか否か」の結果に狂いはないはずです。実際の結果はどんなに小さな値でも「いくついくつ未満」と検出したことが報告されますし、されない場合は「検出せず」とはっきり違う形で報告されます。
2017-03-25 19:17:01すでに説明した通り、白血病の診断では、異常な遺伝子を検出したかどうかは決定的に大事ですが、どれくらい検出したかの量はほとんど問題になりません。したがって、問題があったのが正常の遺伝子の検査だけであれば、診断に間違いがあったりしたケースはほぼゼロだったと推定できます。
2017-03-25 19:23:43問題は「白血病の細胞がどれだけ残っているか」をみる定量の検査で、この部分でどういう影響があったかはデリケートな話で評価がむずかしいです。枇杷は以下のいくつかの理由から、あまり大きな影響はなかったと見ていますが、専門家の間でも異論があるかもしれません。あくまでひとつの参考に。
2017-03-25 21:26:21ひとつめは、多くの遺伝子異常では、量が測れると言っても治療の分かれ目がやはり「遺伝子異常を検出したかしないか」に置かれていることです。前述したPML-RARαの場合、異常遺伝子が検出されている限り、その人は近い将来再発するリスクが高く治療が必要だ、と判断されます。
2017-03-25 21:30:11ふたつめは、量の多寡が問題になる異常遺伝子の場合でも、ある瞬間の数値でなく経過の方が問題になるということです。このことは説明が難しいのですが、ある人のある日の体重が何kgだったということより、1ヶ月前と比べて何kg増えた減ったの方が大事だ、というと理解しやすいかもしれません。
2017-03-25 21:35:18この場合、仮に体重計が壊れていて、真の体重より軽く体重が測定されたとしても、同じ体重計を使う限りは体重の増か減かが間違うことはありえません(増減の幅は正確ではなくなりますが)。
2017-03-25 21:41:19