スーパーマンと取引する方法

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１）スーパーマンの映画にこんなシーンがあります。訳あってＳ氏がプールに突き落とされます。 pic.twitter.com/0OS79ebNmi

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２）胸になにか緑の鉱石があります。隕石です。ここから発せられる放射線がＳ氏のパワーを吸い取ってしまうため水の中でもがき続ける。 pic.twitter.com/g9lW73R2Xj

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３）しかし彼を罠にはめた悪漢には愛人がいて、Ｓ氏を救おうとします。 pic.twitter.com/ZsL9xECsfE

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４）なぜかというと、母親を救えるのはＳ氏しかいないからです。悪漢が放った核ミサイルのうち一発が、彼女の実家がある僻地に向かっていると知って、何とかしてと進言するのですが却下されます。もう間に合わん、と。

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５）核ミサイルは二発です。二発同時に発射して、別方向に飛んでいます。Ｓ氏でも二発同時には阻止できない。片やこの愛人殿の実家、片やＳ氏の彼女が滞在中の土地。

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６）そこで溺死寸前のＳ氏に向かって取引を持ち掛ける。「私のママを先に救ってくれるのなら助けてあげるわ」 pic.twitter.com/4bhO4R6cgC

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７）「If you promise, I'll believe you because you always tell the truth.」（約束するなら信じるわ、あなたは嘘を言わないひとだから）

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８）「I promise.」（約束する） pic.twitter.com/bxE1nzFkCL

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９）それでプールから引き上げる。 pic.twitter.com/NPA0RzHNmb

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１０）さあやっと本題に入れます。Ｓ氏はどうして「I'll promise.」とは言わなかったのか、わかるかな。

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１１）こう考えるとわかる。彼女は「Do you promise, yes or no?」（約束する？イエスかノーか）と迫り、「Yes, I promise.」（イエス、約束する）とＳ氏が応じる。

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１２）「全面降伏、イエスかノーか！」　山下将軍のあれです。こう迫られたら動詞の現在形つまりすっぴんの姿で答えるしかありません。 pic.twitter.com/2bWA28bKQ0

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１３）しかし仮に彼女が「Will you promise?」（約束してくれると嬉しいんだけど）と問うてきたら、Ｓ氏はきっと「Certainly.」（もちろんさ）か「I won't.」（やだね）と答えたことでしょう。

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１４）ちなみに「I will.」ですと「はいはいやりますやります」ぐらいの感じになるのでＳ氏の性格からしてありえない返答です。それで除外しました。

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１５）「だからなんだよ」と思ったら負け。「will」は中二で習いますが、そのときにこうやって会話の文脈でニュアンスの違いを教えるべきなのに、教科書を見るとどの社のもそういう工夫がないのです。 pic.twitter.com/RZ2bKGCjzS

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１６）押せ押せのカリキュラムだから一度中一の課程に戻ってニュアンスを確認する時間的余裕がないのと、教える側（教科書を作っている側も含む）がたぶんこういうニュアンスのことをわかっていないのです。

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１７）この救いがたいギャップを埋めるためにこそ彼女が投入されたはずなのですが（といつものオチになる）。 pic.twitter.com/sLZeN3fGQ4

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