「線形代数なんて計算ドリルじゃん!」って言ったらフーリエ変換と線形代数のつながりについて教えてもらった
そういう人には応用問題から入るという手も. フーリエ解析で出てくる関数空間の基底の話とかはどう? “@siritori: だってえええええ線形代数の基本とかあれ計算ドリルじゃないですかああああああああ”
2011-02-17 11:48:50@siritori すみません. 長らく放置してたんですが, ブログに書く気力が出そうにないので, 「線型代数の具体例としてのフーリエ解析」について直接説明しようかと思います. 暇出来たら Reply ください.
2011-03-03 00:45:16@siritori まず結論を言うと「関数全体はベクトル空間で, フーリエ変換は線型写像」です. 話の流れとしては, 1. 熱方程式って? 2. どうやって「解い」たの? 3. その解法を振り返ると? 4. 関数空間は計量ベクトル空間でフーリエ変換は線型写像 です.
2011-03-03 07:27:54@siritori まず熱方程式について. 名前の通り熱の広がり方についての方程式でフーリエさんが発見しました.
2011-03-03 08:10:53@siritori なので, この方程式を解釈すると, 「温度分布が上に凸だったら温度は下がっていくし, 温度分布が下に凸 (凹) だったら上がっていく」ということです. 水飴みたいな液体を考えると分かりやすいかな? 温度の高いとこほど高く盛られた水飴を想像してみてください.
2011-03-04 01:08:00@siritori この u(x, t) を求めればいいのですが, この形のまま一般的に解くのは難しいので, 都合良く u(x, t) = X(x) T(t) という掛け算の形になっていると仮定します. これは飽くまで仮定で, 上手く解けない場合は別の仮定を持ってきます.
2011-03-04 01:23:28@siritori えーと, 間が空いちゃってすみません. 続きをば. u(x, t) = X(x) T(t) と仮定して, X''(x) / X(x) = T'(t) / T(t) = -λ (λ > 0, 定数) というところまでは分かりました.
2011-03-08 11:34:55@siritori 定数を -λ とするのは, そうでない場合は簡単な解になるので省きます. X''(x) = -λ X(x), T'(t) = -λ T(t) となり, X(x) = sin(√λ x), cos(√λ x), T(t) = exp(-λx) と解けます.
2011-03-08 11:38:50@siritori ここでやや意図的ですが, 長さ1の針金を輪っかにしたものの温度を考えることにします. そうすると X の方の解に制限が出てきて, X(x) = sin(2πnx), cos(2πnx) となり, λ_n = (2πn)^2 という制限も入ります.
2011-03-08 22:02:09@siritori そうです. 積分の収束が関わってくるので, 有限な場所でまずは考えます. 先に行くと実数上で考えられるのですが, それはまたいつか.
2011-03-08 22:20:16@siritori λ に制限が入ったので, T_n(t) = exp(λ_n t) = exp((2πn)^2 t) となります.
2011-03-08 22:22:42@siritori さて, ここでフーリエさんのトンデモ発言. 初期状態での熱分布 φ(x) が sin(2πnx) と cos(2πnx) と定数の和で φ(x) = c + Σ a_n sin(2πnx) + b_n cos(2πnx) なふうに書けたら,
2011-03-08 22:22:46@siritori u(t, x) = c + Σ a_n sin(2πnx) exp((2πn)^2 t) + b_n cos(2πnx) exp ((2πn)^2 t) と書けるよね! だそうだ. 確かに方程式は解の重ね合わせができるので, 合ってはいるんだけど……
2011-03-08 22:25:25@siritori u(t, x) = c + Σ a_n sin(2πnx) exp((2πn)^2 t) + b_n cos(2πnx) exp ((2πn)^2 t) と書けるよね! だそうだ. 確かに方程式は解の重ね合わせができるので, 合ってはいるんだけど……
2011-03-08 22:25:25@siritori じゃあ, その a_n とか b_n ってどうやって求めるの? どんな φ(x) でも大丈夫なの? となりますが,「大丈夫だ. 問題ない」と言い, a_n = ∫ φ(x) sin(2πnx) dx, b_n = ∫ φ(x) cos(2πnx) dx を提示
2011-03-08 22:32:07@siritori あ, 書き漏れたけど, c = ∫ φ(x) dx です. 確かにこれだと位相の違う三角関数どうしは打ち消し合うので, 計算は合ってはいます.
2011-03-08 22:34:41@ikegami__ 数列の部分列を考えると出てきてしまうので, 大学1回生で登場してました! > x_{i_j} 解析屋さんはすごいと思います.
2011-03-08 22:34:55