共謀罪の問題点と代替策 ~「力」の限界、『心』の原点~
- scidreamer
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共謀罪(テロ等準備罪)法案が閣議決定され、国会で審議が始まろうとしている。共謀罪の問題点はこれまでに何度か述べてきたが、改めて考察してみたいと思う。ここで特筆する共謀罪の問題点は全ての国民が憂慮すべき事柄だということを予め警告しておく。
2017-04-01 19:11:04共謀罪(テロ等準備罪)は私たち一般国民を捜査対象とする
しごう(@shigo_45 )さんの「共謀罪(テロ等準備罪)法案が通常国会に提出される予定なので問題点を挙げていく。」 shigo45.com/entry/2017/01/… では共謀罪の問題点が網羅的に整理されていて一読に値する。ここではその一部について論じる。
2017-04-01 19:12:04.@shigo_45 しごうさんは「テロリストは一般人と変わらぬ生活をしていることも多い」とし、「テロ等準備罪で摘発するためには、一般人にも広く嫌疑をかけるしか方法はありません」、「つまり、テロ等準備罪は本来、一般人を捜査の対象とすることを認めなければ意味のないものなのです。」と看破している。
2017-04-01 19:13:04.@shigo_45 しごうさんは「テロ対策という建前とは関係なく、この共謀罪(テロ等準備罪)は、政府当局がその気になりさえすれば国民の誰を監視対象にしても許されるとするものです」と繰り返す。私たちにとって共謀罪の一番の問題点は『共謀罪(テロ等準備罪)は私たち一般国民を捜査対象とする』点だろう。
2017-04-01 19:14:04.@shigo_45 「共謀罪」というと「共謀が罪になるだけ」と多くの人は考えているかもしれない。しかし、共謀罪の捜査とはそもそも『疑念=実際の犯行が無く、共謀の有無すらも不明』の段階で行われるものとなることに注意しなければならない。しかも共謀罪の捜査は『盗聴=プライバシーの侵害』を想定している。
2017-04-01 19:15:04.@shigo_45 しごうさんの「組織犯罪処罰法改正案(共謀罪(テロ等準備罪)2017.3)の問題点を追加検討する。」 shigo45.com/entry/2017/03/… でもさらに共謀罪の問題点が掘り下げられている。
2017-04-01 19:16:05.@shigo_45 しごうさんは「捜査段階では、正当に活動する団体であっても当局が勝手に「一変」と考えさえすれば、監視捜査が正当化されることになります。さらに、捜査は行ったが起訴に至らないとすれば、捜査当局の判断の正当性が検証される機会もありません。」と、捜査当局の捜査権濫用の危険性を指摘する。
2017-04-01 19:17:19「全国民監視」の恐怖
自民党など与党はテロ等準備罪は「一般市民は対象外」と答弁する。しかし本当にそうか。アメリカではエドワード・スノーデンがアメリカ国家安全保障局(NSA)による個人情報収集の手口を告発した。日本では注目されていないようだが、映画にもなり、世界的な関心の的となっているそうだ。
2017-04-01 19:18:05NSAの手口は小笠原みどりさんのインタビュー『スノーデンの警告「僕は日本のみなさんを本気で心配しています」 なぜ私たちは米国の「監視」を許すのか』(現代ビジネス 講談社 gendai.ismedia.jp/articles/-/495… )でも指摘されている。
2017-04-01 19:19:05スノーデンは機密文書を公表し、NSAが「世界中のコミュニケーションの「コレクト・イット・オール」(すべて収集する)を目指している」ことを明らかにした。「あなたの通話・メール・ネット利用履歴は全て見られている」のである。日本政府もNSAから盗聴されているそうだ。
2017-04-01 19:20:05新潮社フォーサイトの『日本は「同盟国」ではなく「人質を取られた国」:映画『スノーデン』オリバー・ストーン監督インタビュー』 huffingtonpost.jp/foresight/snow… は私たち日本国民にとってとりわけ恐ろしい。
2017-04-01 19:21:05「スノーデンはNSA在職中の2009年、在日米軍の横田基地で勤務していた。映画では、日本の通信網を支配し、送電網やダム、交通機関などインフラ施設をコントロールする『スリーパー・プログラム』を仕掛けていたという本人の告白場面がある。」
2017-04-01 19:22:04「日本列島の南から順に街全体の灯が消えていき、すべて真っ暗になる映像に、『日本が同盟国でなくなる日が来たら、"消灯"』というスノーデンの台詞......。これはどこまで真実なのか。」。陰謀論どころではない、アメリカはここまでやる国なのだ。
2017-04-01 19:23:05共謀罪の話に戻そう。先の小笠原さんのインタビューで、スノーデンは「日本で近年成立した(特定)秘密保護法は、実はアメリカがデザインしたものです」と発言している。さらに「僕が日本で得た印象は、米政府は日本政府にこうしたトレードに参加するよう圧力をかけていたし、(続く
2017-04-01 19:24:05続き)日本の諜報機関も参加したがっていた。が、慎重だった。それは法律の縛りがあったからではないでしょうか。その後、日本の監視法制が拡大していることを、僕は本気で心配しています」。共謀罪(テロ等準備罪)の創設もNSA同様に個人情報収集が目的だと考えるべきだろう。
2017-04-01 19:25:04『安全』と『プライバシー』の見せかけの相反、『プライバシー』を侵されることなくテロを防ぐ方法
改めて自民党など与党の共謀罪(テロ等準備罪)創設の目的と手段を考えよう。与党はテロ等準備罪を「テロを防ぐため」と主張する。アメリカのNSAもテロ対策を理由に「コレクト・イット・オール」(すべて収集する)を目指してきた。しかし、テロを防ぐために全国民を監視すべきなのだろうか?
2017-04-01 19:26:05いや、そもそも全国民の監視はテロ対策に有効なのだろうか?アメリカ政府はテロ対策のために既に日本よりずっと強力な監視網を構築している。しかし、そのアメリカで今もテロは起こっている。昨年には49人が死亡する銃撃事件があった。 huffingtonpost.jp/2016/06/12/ter…
2017-04-01 19:27:07NSAは「コレクト・イット・オール」(すべて収集する)を目指しているが、それでもテロは防ぎきれていない。そもそもテロとは個人が個人を攻撃するものである。全国民の通信を傍受しても、先の事件のような単独犯の凶行を防ぐことは困難だ。複数犯が監視の網を逃れることも不可能ではない。
2017-04-01 19:28:22アメリカが銃社会ということも被害の大きさの一因ではあろう。しかし、それはテロの恐怖の本質ではない。そもそも、人は「その気になったら」、たった1人でも、ナイフ1本、車1台でも、人を殺せてしまうのだ。「その気になったら」がポイントである。
2017-04-01 19:29:08次のNHK『クローズアップ現代+』「世界を監視する米国 “スノーデン告発”の衝撃」 nhk.or.jp/gendai/article… に表されたNSAの考えが興味深い。話は2001年の9.11テロに遡る。
2017-04-01 19:30:04NSA元幹部のウィリアム・ビニーは「そのときから皆、口々に、すべての情報を集めなければと言い始めたのです。」と言う。そうして「テロを防ぐには、世界中、すべての通信情報を監視する必要がある」という考えがNSAの中で共有されてきたらしい。
2017-04-01 19:31:05