- kvasskvass
- 24236
- 32
- 1
- 190
ブログに「役に立つ学問」というエッセイを上げておきました。実学とは何かということを論じております。いつもの話です。ただ、「役に立つ学問」というような話柄そのものに対する怒りがだんだん嵩じてますけど。blog.tatsuru.com
2017-03-30 13:16:00役に立つ学問 (内田樹の研究室) blog.tatsuru.com/2017/03/30_130… 「何を学ぶかは自分で判断して、判断の正否についての全責任は自分で取るしかない。「役に立つ」ということには原理的に一般性がないからである」
2017-03-30 14:45:19「人文学は何の役に立つのか」って言われて憤慨する人たちって「人文学は分かりやすい意味では役に立たない」かつ・あるいは「分かりやすい意味で役に立つってことを定量的に立証したりするとより一層分かりやすい意味で役に立つことを求められる」って信念を持ってそうなんだけどどっちも同意しない。
2016-05-02 17:35:43まず「人文学は分かりやすい意味でも役に立つ」と思う。例えば確実に教育面で学生の論説能力を高めたり映画小説その他をよりおいしく商品するための視座を与えて人生を豊かにしてくれたりする。そしてこういうことは各学年のエッセイを匿名化して採点したり卒業生の追跡調査すれば証拠として出せる。
2016-05-02 17:37:58人文学・社会科学と「社会の役に立つ」の関係に関しては、アカデミック、ポリシー、(調査)ジャーナリズム、実務、批評等の役割を分けることから始めないと議論が交錯してしまうように思う。その上でそれぞれの層の厚みを増やしていけるか、そのために大学がどのような役割を担えるかが課題。
2016-05-06 21:55:18「人文学は役に立つか問題へのダメな応答」の例がことごとく内田樹というところがイイ(もちろんその後の部分もいい):人文学は何の役に立つのか? - 道徳的動物日記 davitrice.hatenadiary.jp/entry/2017/03/…
2017-03-31 12:43:12人文学は何の役に立つのか? - 道徳的動物日記 davitrice.hatenadiary.jp/entry/2017/03/… 結果的に役に立った学問が全て「役に立つだろう」と思って研究されてきたかどうかには疑問があるし、今後も「役に立つかどうかはよく分からない」分野を研究する人は必要だと個人的には思う。
2017-03-31 14:00:54「『人文学は何の役に立つのか』という問い自体が全く価値中立的な問いではなく、それに正面から答えることは功利主義のような特定の思想的立場に無意識のうちにコミットメントする危険性を孕んでいる」ということを理解するのに人文学は役に立つと答えればよろしいのでしょうか
2017-03-31 18:59:33役に立つとか立たないとかという価値判断がすでに人文学によって定義されているのだから、人文学が亡くなったら、役に立つも立たないもないように思うのだけれど。価値判断がなくなれば、例えば絵画は完璧に写実的かどうかのみで測られ、記録は正確性のみが問題とされるだろう。(続
2017-03-31 22:34:07もしかすると主観的な好悪は残るかもしれない。しかしそれは個人的な評価基準に過ぎず、他人と好悪の評価を交換して共有するようなことは争いの種でしかなくなるだろう。客観的な正確性と主観的な好悪を乗り越えて、社会的な意義についての合意を形成すればもはやそれが人文学なんじゃないだろうか。
2017-03-31 22:36:53以前にも書いたことだけれど、この世界において代えがたい貴重な品々、代えがたい貴重な経験に、多くの人が信じられないほど多額の費用を費やしているわけだけれど、「代えがたい貴重な」を生み出しているもの、すなわち価値を生み出しているものは、人文学に他ならない。人文学無くして価値はない。
2017-03-31 22:48:37最近言われる「役に立つ」には「社会に、経済に直接(役に立つ)」が省略されているように思えるけれど、その次元で言えば、程度問題として人文学は(と、ひょっとしたら理系の基礎研究も)いわゆる「実学」に比べて相対的に「役にたたなく」なってしまうのは当然で、そうするとどう「役に立つ」のかを
2017-04-01 20:11:49示さなくてはいけなくなる。そういう意味で、「社会を良くする」もまた、一つの指標ではあるけれど、それが全てではないと思う。文学が社会を道徳的に良くする、というのは一つの側面ではあるけれど、文学において道徳的価値と美的価値は分けて考えるべきだろうし、なんでもかんでも「直接役に立つ」
2017-04-01 20:14:43ばかり気にしていると、理論として寿命の長くないものしか提示できなくなるように思える。もちろん自分がやっていることが何かしらの役に立ちうるということを示す必要はあると思うけれど、この論法だと純粋に理論的なものが語れなくなってしまうという懸念が出てくる。
2017-04-01 20:20:40人文学というのは、過程を追えば理解への門戸が誰にでも開かれているという意味において民主的でなければならないけれども、今の自分が理解できないものに対してどれほど好意的にかつ誠実になって読解し、意味や価値を読み取り得るかという態度の問題に至って極めて非民主的なのだと思うわけです。
2016-06-24 03:06:15デモクラシーの社会においては、誰にでもわかる「役に立つ」を強調することが、その学問に繁栄と大きな影響力をもたらすことを教えてくれるのも、ひょっとしたらある種の学問なのかもしれない。そういう知は、ある種の組織防衛にとって、とても有益だろうと思う。
2017-03-31 19:05:10文学はひとに道徳的な経験を与えることもあれば、反道徳的なそれを与えることもあるんじゃないのかな。哲学は価値の問題の重要性を教えてくれることもあれば、価値の問題に拘泥することの危うさを教えてくれることもあるんじゃなかろうか。ものごとの一面だけを強調することはかっこいいことなのかな。
2017-03-31 18:54:19そして、文学は「暴力や差別に対抗」することもあるだろうが、「暴力や差別」を生産することだってある。他の人文学だって同様だろう。歴史を今日的な「役に立つ」視点から一面的に眺めないとこういう都合のいいことは言えないはずだが、そういうのは人文学的に褒められた態度ではないのではなかろうか
2017-03-31 22:14:50と、そこらの学生でも批判できるような雑な内容なのだが、これが割と受けているのは、どうせ内田樹を叩いているからでしょ。とりあえず内田樹を叩いとけばいいっていうイージーな風潮、いい加減反省した方がいいと思うよ
2017-03-31 22:20:26「文学は役に立つのか」という主題の文章の結論が「役に立つ」や「役に立たない」になると思ったら大間違いなんですよ。あと、この議論を始めるに当たって「文学」の定義も要らないんですよ。人文学的テクストが読めないというのは、つまりはそういうのを理解できないということです。
2016-09-04 17:27:51