日本におけるワクチンの歴史概観

自分用 その後のやり取り:http://togetter.com/li/109761
健康 医療
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Y Tambe @y_tambe
小児用肺炎球菌ワクチンについての議論をする人は、もう一度「日本のワクチン接種」の歴史を勉強しなおして欲しい。
Y Tambe @y_tambe
モダンメディア2004年の庵原先生の総説がよくまとまっているので、参考に http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM200412_02.pdf
Y Tambe @y_tambe
特に知って欲しいのは、DPT三種混合ワクチンのこと。ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)に対するワクチン。これは1974、75年に死亡事故が発生したために、1975年に一時接種中断となった。
Y Tambe @y_tambe
接種中断によって、それまで減少傾向にあった百日咳は、1976年以降、再び増加に転じた。それで日本はどうしたか…まず、この原因を徹底的に究明し、それがDPTのうちの「P」であることを突き止めた。
Y Tambe @y_tambe
当時、百日咳に対するワクチンは、百日咳菌を処理した死菌ワクチンをそのまま(全菌ワクチン)として使用していた(wPと呼ぶ)。そこで、次に日本ではこれに代わって、百日咳菌の特定の成分(不活化百日咳毒素と繊維状赤血球凝集素)だけを取り出した、非細胞性ワクチン(aP)を開発した。
Y Tambe @y_tambe
そしてDaPTの安全性がDwPTよりも高いことを明らかにした上で、実用化に持ち込んだ。これは世界初のこと。現在、先進国では専らDaPTワクチンが採用されてる…皆が今「ワクチン後進国」と呼ぶ、日本の真の姿がこれ。
Y Tambe @y_tambe
もう一つ、BCGの例を挙げよう。BCG接種の効果は、国によってばらばら(結核の流行状況や、ワクチン株の良否によると言われる)なので、接種を行うかどうかも国によってもまちまち。ただし接種してる国の多くは、普通の注射器による皮下注射で行うところが多い。
Y Tambe @y_tambe
これに対して、日本では「管針」ないし「朽木針」と呼ばれる専用の接種器が使用される。写真はウィキペディアを参照。http://ja.wikipedia.org/wiki/BCG
Y Tambe @y_tambe
BCG接種跡にはしばしば副反応として、局所的な潰瘍を生じるのだが、この接種法を使うことでそれを大きく軽減することができる。1960年代の日本で朽木博士が開発した方法。他の国ではHeaf gunなどを利用した多針接種法が、近年、検討されはじめてる段階。
Y Tambe @y_tambe
また例えばインフルエンザワクチン。一昨年の新型(2009)発生のときは「日本のワクチンと海外のワクチンの作り方が違うので、効きが悪いんだ(キリッ」なんて、さも訳知り顔で言ってたコメンテーターもいたわけだが、そもそもお前らはその作り方の違いを理解してるのかと、小一時間(以下略
Y Tambe @y_tambe
日本のインフルエンザワクチンは、サブビリオン(SV)ワクチンと呼ばれる。これは不活化ワクチンに分類されることもあるが、成分ワクチンに近い。厳密には、成分が完全に精製されていない「粗精製」にあたるので、完全に「成分ワクチン」と呼んでいいかと言われると、それも少し悩む感じ。
Y Tambe @y_tambe
このSVワクチンは日本では通常、孵化鶏卵で増殖させたインフルエンザウイルスをエーテル処理して得られる。この過程でウイルスの膜(エンベロープ)が破壊され粒子構造が失われる。これに対して、ホルマリン処理等で粒子構造を保ったまま不活化するものがWV(Whole virus)ワクチン
Y Tambe @y_tambe
日本で、SVワクチンを利用するようになったのも、副反応を少しでも軽減させるため。「じゃあ、効果は低いのか」と言われると…これは「正しいところは判らない」。なぜなら同じ国、同じ地域でSVとWVの両方を、大規模で試して比較することは困難だから。
Y Tambe @y_tambe
しかも、むしろSVワクチンの方がよい成績が得られたという論文が出てる状況…まぁ報告数も少ないので、まだ結論はだせないのだけど。
Y Tambe @y_tambe
DaPTの開発や、インフルエンザSVワクチンの実用化、BCG接種法の改良……こんなことを成し遂げた国を「ワクチン後進国」と呼ぶことに、何の疑問も感じないの? と。
Y Tambe @y_tambe
前にも言ったかもしれんが、何度でも言うよ。これだけ優れた「ワクチン先進国」だった日本を、「ワクチン後進国」にしてしまったのは、一部の予防接種否定派と、それに焚き付けられて火種を広げまくったマスメディアだ。
Y Tambe @y_tambe
なんか「旧き良き日本」賛美っぽいので、もう少し補足しておこう。
Y Tambe @y_tambe
元々、なんで日本はこんなに「副反応軽減」にやっきになって来たのか。それは「義務接種」という規定があったから。DPTにしても、BCGにしても、そして学童期のインフルエンザにしても、「受ける義務/受けさせる義務」が、かつての予防接種法の下、掲げられていた。
Y Tambe @y_tambe
国民に対し「君らには、この予防接種を受ける義務がある」と言いながら、いざそれを受けたら「副反応がでました」となると、それは当然大きな責任問題になる。だからこそ、副反応が出ないワクチン開発が非常に重要視された。
Y Tambe @y_tambe
DaPTワクチンやインフルエンザSVワクチンが、その成功例となり、いざ副反応が出ても、もっとよいワクチンが開発できることが「当然のように」考えられるようになったころに、出てきたのがMMRワクチンの問題。
Y Tambe @y_tambe
MMRワクチンは、新三種混合ワクチンとも呼ばれる、麻疹(M)、おたふくかぜ(M、ムンプス)、風疹(R)に対するワクチンなのだが、このうちムンプスに対するワクチンが副反応の原因であることが突き止められた…しかし、この副反応を克服可能な代替ワクチンはとうとう出来なかった。
Y Tambe @y_tambe
結局、日本で、今、ムンプスを抜いたMR二種混合ワクチンが使われているのはそういう経緯。
Y Tambe @y_tambe
ちなみに、おたふくかぜワクチンに関しては、重大な副反応のないワクチンは、世界のどの国でも今のところ開発に成功してないはず。当時の日本の技術がダメだったのではなく、むしろ当時の日本の技術を以てしても作れなかったものだ、ということで。
Y Tambe @y_tambe
一方、予防接種法においては、この頃から「義務接種」という考えが外され、「勧奨接種」という考えに置き換わっていく。副反応のリスクが完全に除外しうるものでない以上、そのリスクを負うかどうかは「個人の判断で選択可能である」とする立場から。
Y Tambe @y_tambe
ただし、このことからは同時に「予防接種」に対する、国の考え方が変わってしまったことも読み取らなければならない…そもそも「予防接種」には大きく二つの意味がある。
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コメント

@tatikawamituaki 2011年3月9日
子供に摂取するのになんども病院行くのに会社休んだりとかまじめんどくせーというのもあるんだけど。まとめて打てないの?
いふぇねこ⋈ @ifeneko_vrc 2011年3月9日
日本はワクチン先進国じゃないですか。医療陰謀論など論外ですな。
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