2017年3月26日 #まいまい京都 趣味人の趣味人による趣味人の為の数寄屋造 蘆花浅水荘訪問

滋賀県は膳所にある日本画家の山元春挙の別荘へと行って来ました。遊び心満載の建物で驚かされました。
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京都クネクネ またまた異動! @kyoto_qunequne

集合場所の京阪石坂線・瓦ヶ浜駅。元々は膳所城の城下町で篠津川の琵琶湖河口付近に瓦職人が大勢居た事から名付けられてます。駅のホームが一点透視図法の様な奥行きのある様に見えますが、実際は三角形のホームでかなりの先細りです。#まいまい京都 pic.twitter.com/M6ODbazYH7

2017-03-30 20:07:10
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浜って言う割には内陸なんですが、城下町当時の道だそうです。が、琵琶湖を埋め立ててそちらに幹線道路を引いた為に物流が大きく変化してしまって、寂れた旧道側を再開発と言う流れになり歴史的な町家が殆ど無くなりました。#まいまい京都 pic.twitter.com/6Di0Ntmh4A

2017-03-30 20:14:05
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お邪魔するのは蘆花浅水荘と言う日本画家の山元春挙の別荘だった所。現在は円融山記恩寺と言うお寺になってます。入口の表門は裏千家・兜門の写し。額には蘆花浅水荘と書かれてます。建物側の屋根には切り欠きがあります。#まいまい京都 pic.twitter.com/jqf5W68gNm

2017-03-30 20:24:50
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実は建物を含め、敷地全体が国の重要文化財の指定を受けています。近世の住宅としては非常に珍しいんですが、かなり面白い建物になってます。#まいまい京都 pic.twitter.com/Wo52jnXnl9

2017-03-30 20:28:13
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玄関前の石柱。良く見ると「是より北、膳所領」と書かれてます。コレは旧膳所藩の境界石です。因みに背後の小径の石畳みは「あられくずし」と言う様式になってます。#まいまい京都 pic.twitter.com/sF53zSbJdH

2017-03-30 20:31:50
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玄関に鎮座してます狛犬さん。室町時代のものだそうです。狛犬さんのお向かいにあるのが現在足元灯に利用されて居る大正時代の瀬田の唐橋の欄干。衝立になってますが元々酒樽の底板に融の文字を入れてます。丸に融で「円融」。人の顔にも見えます。#まいまい京都 pic.twitter.com/koPYlmMPjP

2017-03-30 20:42:33
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書院・撥雲亭からの眺め。部屋から室内縁側があり、窓の外に濡れ縁が設えてあります。琵琶湖を借景にした風景なんですが、時代と共にかなりも物が失われてます。庭のすぐ横が幹線道路になってます。照明器具も大正時代の当時の物を使用されてます。#まいまい京都 pic.twitter.com/cyVSmsgw6M

2017-03-30 20:55:04
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床の間。二畳の上段床になってます。元々は高貴な方が座る場所だった様です。床柱が隅では無く少し内側に入っています。しかも床柱が四方柾目と言う贅沢な柱。角の付け方も絶妙なアールにしてあります。床の間から覗く満開の梅。物凄く綺麗に咲いてました。#まいまい京都 pic.twitter.com/PZqoJZiyay

2017-03-30 21:03:28
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撥雲亭にある額は「天開画図楼」の文字。池大雅による筆です。もう一つは「養吾活然之気」。元々は孟子の言葉から採用されてます。頼山陽の筆です。お判りの様に別荘の為に書いてもらった物では無く、色んな書を買い集めて合う物を使用されてます。#まいまい京都 pic.twitter.com/OoWkgtmPyd

2017-03-30 21:10:16
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襖の引き手にも趣向が凝らされていて、撥雲亭から満月になっていて、隣の仏間が上弦・下弦の月。因みに引き手の位置も少し上下にズラしてあります。仏間の隣の寄付には残月(三ケ月)。#まいまい京都 pic.twitter.com/C39QcetJGh

2017-03-30 21:18:24
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仏間の障子には春挙松が描かれてます。この当時絶大な人気があった山元春挙と竹内栖鳳。それぞれが春挙松と栖鳳桐と言う内装装飾にも大きな影響を与えています。最近は少なくなったそうです。#まいまい京都 pic.twitter.com/7FxXTEA7nc

2017-03-30 21:25:31
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仏間には春挙と奥さんの写真が飾られてます。「佛」の文字は春挙自らの筆です。もう一つは「蘆花浅水処」。貫名海屋の筆です。貫名海屋は江戸時代の幕末三筆の一人とされて、伊藤若冲の墓誌を手掛けた人として有名です。#まいまい京都 pic.twitter.com/JwSz3MeDRU

2017-03-30 21:39:19
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縁側は船底天井。棟木を支える柱が見当たりません。実は大屋根に別の棟木があって、そこからぶら下がっています。天蓋の様な天井になってます。#まいまい京都 pic.twitter.com/f2CpFEUlvN

2017-03-31 21:11:00
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寄付き。別名が残月の間でして、先程の三ケ月型の引き手はここの入口です。内部は茶室になってますが、格式の高い物では無くざっくばらんなサロン的な部屋です。軒の張り出しがかなりあります。が、濡れ縁はありません。#まいまい京都 pic.twitter.com/AgyMekt0KC

2017-03-31 21:18:51
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残月の間に掛けられているのは「巍然」。黄檗隠元の筆です。巍然とは抜きん出て偉大であるとか、堂々としているとかの意味で、「巍然屹立」と使われます。天井は網代編み。元々は庶民の家の壁材として使われてました。#まいまい京都 pic.twitter.com/68VSQYiD6Q

2017-03-31 21:29:44
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柱と言い、壁と言い、窓枠と言い、職人技炸裂です。天然木の生形に合わせて土壁を合わせ込んであります。窓枠もわざわざ角を丸めてあります。窓枠部分の土壁の仕上げ具合も変化させてあります。扁額は「雨過雲破」。頼山陽の弟子で梁川星巌とも交流があった藤井竹外の筆です。#まいまい京都 pic.twitter.com/RisD112Dg9

2017-03-31 21:40:20
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莎香亭。奥座敷になってます。袋床やら円窓に袋棚があり、そこには神棚が設えてあります。いちいちの意匠がお洒落。実は設計士がおらず、施主と大工が直で話をして作り上げているので施主の意向を大いに反映して趣味性が高くなってます。#まいまい京都 pic.twitter.com/oFRUxJ4GG8

2017-03-31 21:54:01
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大工は橋本嘉三郎。実は竹内栖鳳の霞中庵もこの人が建ててます。話によると白沙村荘もこの人が建てているとか。趣味人の為の大工さんですねぇ。因みにこの柱、普通に壁を塗ると埋まってしまうんですが、露出のさせ具合なかなかのものです。#まいまい京都 pic.twitter.com/6YTWEN4ZIR

2017-03-31 22:22:05
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窓の外にはススキがあります。手前の四角い手水鉢が膳所城の遺構だそうです。しかも中秋の名月の頃には水鏡に月が映って上と下とでお月さんが楽しめるそうです。#まいまい京都 pic.twitter.com/EpoaK7btHQ

2017-03-31 22:27:31
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莎香亭の傍には独房の様な部屋があります。ここはその名も「無尽蔵」。構想を練った部屋だそうです。三面には描かれた梅があり、正面には本物の梅。趣味とはかくあるべき。#まいまい京都 pic.twitter.com/FpUfjPGetQ

2017-03-31 22:35:50
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無尽蔵の額は「静居」。当然頼山陽の筆です。もう一つの額は「閑雲潭影日悠々、物換星移幾度秋」。皆川淇園の筆です。円山応挙の弟子で数寄屋造の弘道館を建てて儒学塾を開いてまして、京都に住みながら膳所藩で教師として招かれたりしてます。京都と膳所に縁のある人なんです。#まいまい京都 pic.twitter.com/XPKybL8RaS

2017-03-31 22:52:35
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莎香亭の照明器具もかなり凝った物になってました。元々は銅製フックに電気を流して、照明器具側の銅製フックに通電させていたそうです。が、現在では危険なのでこの様な被覆配線で処理されてます。#まいまい京都 pic.twitter.com/ojiEwrW2pz

2017-03-31 22:57:14
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莎香亭から次の間への廊下。廊下も素敵な雰囲気になってます。#まいまい京都 pic.twitter.com/vULNPvGSM9

2017-03-31 22:58:37
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竹の間。全てが竹尽くしになってます。円盆刻額は「竹和気有」。沢庵の筆です。当然照明器具も竹製。床の間は枇杷床。琵琶湖の辺りで枇杷床。判じ物とか洒落っ気とかこれでもかって詰め込んであります。#まいまい京都 pic.twitter.com/cDOQIWHQNw

2017-03-31 23:05:17
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