柿沢未途議員の国会質問:がん対策と派遣業適正化の問題点
- furusatochan
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今日は午前中は厚労委、夕方には国交委で大臣所信質疑。参院予算委の合間をぬっての細切れ開会。午前中の厚労委は例の国民年金運用3号問題で細川大臣が厳しく追及されていた。私の質問は別のテーマで、がん対策と派遣労働について現政権が進める政策の間違いを指摘した。
2011-03-09 13:49:02がん対策における間違いとはがん拠点病院の強化策。2007年のがん対策基本法施行を受けて、全国377カ所のがん拠点病院が指定されてきた。4月からは更に11増えて388カ所になる。一見良さそうだが、しかし、がん拠点病院の現況報告を集計すると驚くほどの格差がある。
2011-03-09 13:56:42手術数ワースト30のうち肺がんの手術がゼロという拠点病院が17、放射線治療機器はあるのに放射線治療医がいない、術後を看る腫瘍内科医がいない、病理医もいない、仏作って魂入れずの名ばかり拠点病院が多い。そこに多額の財政補助が投じられている。
2011-03-09 14:04:02がん拠点病院と聞けば、患者はそこに行けばきちんとした医療が受けられると思う。けれども実態はそうではない。そういう病院が「がん拠点病院」として患者を集める事で、患者がより良い医療を受ける機会を失わせる可能性すらある。
2011-03-09 14:07:23厚労省は「均てん化」の名の下に拠点病院388カ所の配置を進めてきた。岡本政務官からは「拠点病院のない二次医療圏がまだ118ある」と、更にこの路線で行くかの答弁もあった。しかし先端的ながん医療を行う拠点病院は選択と集中をすべきで、全国各地に遍く均てん化すべきは地域における緩和ケア。
2011-03-09 14:32:07その緩和ケアの病床がまったく足りない。平成21年7月現在で4042床。10万人あたりわずか4床。年間33万人ががんで亡くなり、その多くが少なくとも末期に緩和ケアを必要とするにもかかわらず。岡本政務官は「場は必ずしも病院でない」と言うが、在宅の緩和ケアの基盤は更に手薄だ。
2011-03-09 14:37:27今の政策は、地域にいる既存の開業医に在宅緩和ケアをやってもらおうという方向。しかしそれではうまくいかない。短期間でほぼ必ず死に向き合う在宅緩和ケアは通常の在宅医療とは質的に大きく違うし、そもそも今の開業医は在宅緩和ケアなどやりたくない人がほとんど。
2011-03-09 14:41:33墨田区で在宅ホスピスケアの支援グループ・パリアン@palliumhospice をやっている川越厚・博美夫妻によれば、在宅で看取りを担う緩和ケア診療所をハブとして支援のネットワークを作る事で、墨田区における在宅死率を10年間で6%から13%に上げる事ができたという。
2011-03-09 14:45:12で、何よりも不足しているのは訪問看護だ。在宅の看取りのカギを握るのは訪問看護ステーションだが、常勤換算2.5人の人員基準を満たせずに閉鎖に追い込まれた所が150カ所も。1カ所50人として7500人分の訪問看護のリソースが失われた事になる。
2011-03-09 14:51:392030年には年間死亡者数は160万人に増える。このままでは死に場所のない人が47万人になると言われる。事は切迫した問題。これまでのやり方で増やせなかった訪問看護を10万人規模で増やしていくためには、日曜の「規制仕分け」の結論のようにナースの1人開業を認めるべきだ。
2011-03-09 14:57:11「規制仕分け」のナースの1人開業については、大塚副大臣は「論理的な良い議論ができたので、一定の方向性を出す」という答弁。細川大臣は「政務三役で決定します」とどっちを向いてるのか分からない答弁。正直、がん対策の質問全般にわたり、あまり熱意を感じない答弁が続いた。
2011-03-09 15:20:02厚労委の質問、続き。派遣労働における現政権の間違いについて。長妻前大臣の号令による「専門26業務派遣適正化プラン」が、現場に大きな混乱と大量の雇い止めを生み出している事を指摘した。「専門26業務」とは労働者派遣法施行令に定められた仕事で、期間の定めのない派遣が認められているもの。
2011-03-09 17:41:36例えば、通訳、プログラマー、設計、アナウンサー等が専門26業務に該当。この専門26業務を隠れ蓑に、事実上、一般の派遣(自由化業務)の期間制限を免れるケースがあるとして、長妻前大臣が鳴り物入りで始めたのが「専門26業務適正化プラン」。去年の3、4月には労働局が大挙して調査に入った。
2011-03-09 17:47:30で、何が起こったか。厚労省職業安定局長通達の「別紙」として、派遣で働いている人数の多い事務用機器操作(5号業務)やファイリング(8号業務)をはじめ、「これこれの場合は該当せず」という解釈が突如として打ち出され、それに従った労働局の指導が入りはじめたのだ。
2011-03-09 17:54:50例えばそれは5号業務(事務用機器操作)で言えば、データ入力はこれまでは5号業務として認められていたのが、いきなり認められなくなった。16号業務(受付)で言えば、面会相手が会議室に入るまでのお茶出しはOKだが、会議開始後にお茶出しするのはNGだという。
2011-03-09 17:58:08で、このような労働局の指導によって何が起こったか。一片の通達で「専門26業務に該当しない」とされた派遣労働者は直ちに派遣終了を求められ、期間の定めのある一般の派遣(自由化業務)か直接雇用に転換せよと指導される。それができなければ派遣会社は業務改善命令を受ける。
2011-03-09 18:02:48その結果は想像に難くない。「専門26業務派遣適正化プラン」開始をはさむ2009年6月から2010年6月の1年間で、事務用機器操作(5号業務)で8.9万人、ファイリング(8号業務)で1万人それぞれ減少していて、これら26業務のうち2業務だけで10万人の雇用減となっているのだ。
2011-03-09 18:06:18ちなみにリーマンショックをはさんだ1年間の5号業務(事務用機器操作)の減少数は3万人だったから、この「専門26業務派遣適正化プラン」開始前後の8.9万人減というのがいかに大きな数字か分かるだろう。これははっきり言って厚労省の政策が誘発した「官製大量派遣切り」と言っても良いものだ。
2011-03-09 18:11:08しかも政令に定められた専門26業務に関する適用範囲の変更で、更にこうした10万人もの雇用に影響を与えるような内容変更を、厚労省は一片の通達で行なってしまっている。法令で定めるべきものを通達で上書きする、これは要するに例の国民年金における「運用3号」の問題とまったく同じではないか。
2011-03-09 18:13:28長妻前大臣の号令一下、「適正化」の名の下に、このような厚労省による派遣切りに邁進し、結果、10万人もの職を失わせる結果になっている。これは極めて重大な事だと思う。今後もこの「専門26業務派遣適正化プラン」が雇用にもたらした負の影響については調べて取り上げていきたい。
2011-03-09 18:15:43今日の厚労委、がん対策及び派遣労働における現政権の間違いを指摘した質問の動画はこちら→http://bit.ly/glFAVO 特に「専門26業務派遣適正化プラン」による10万人の派遣切りについては、小林政務官の答弁はまるで噛み合わないものだった。
2011-03-09 18:18:02適正化の結果、期間なき直接雇用に結び付いたのは厚労省調査9678人中28人(0.29%)です。 RT @SasaoSh 「負の影響」だけあげつらって、便宜的非正規雇用に目をつぶるだけではなく、適正化の結果、直接雇用になった人の数も数え上げて、「正の影響」も勘案した方が公平ですね。
2011-03-09 18:29:07