- PrinceHG_Kanata
- 2829
- 2
- 0
- 0
原作者「最初の痛みの部分ミスったとかいといテ。」
痛感覚無くなるのと、刀作り出して常軌を逸した使い手になる能力が欲しいなぁ。誰かを守るために振るってるつもりがいつの間にか血塗られた手になってて、それを気づかせてくれた人の手で命を絶たれたい
2017-03-24 15:16:53喰霊みたいに、無数の千本を作れる能力者と戦って串刺しにされながら、わたし痛み感じないんだってにっこり笑って、近寄っていって斬りつけるの。命だけは奪いたくない、できるだけ人も傷つけたくない。でも命を奪わないとも傷つけないとも言ってない。だから、ごめんね。しょうがないよねって
2017-03-24 15:19:25ごめんね。しょうがないよね。わたし、誰の命も奪いたくないのに。なんで戦ってるんだろうねって言いながら、友達のところに帰りたいから泣く泣く命を奪っていく、そんな能力者になりたい
2017-03-24 15:21:22戦う理由くれて、ありがとう。あなたなら命を奪うことをためらわないで済むよ、えへへ。って楽しそうに穏やかに心からはしゃいで刀振り回すの。全身に刃を受けても能力で痛覚ないから傷つきながら血を吐きながら、戦うの。でも回復能力ないからそのうち力尽きて、どこかの野原で死んじゃうの
2017-03-24 15:23:44でもいつも明るくて元気なのに実は心に真っ暗な闇を抱えた、そんな能力者のわたしをある日、受け止めてくれる人が現れるの。戦いに疲れてもう死んじゃってもいいやって野原で寝てたら、一番闇の顔見られたくないクラスの好きな男子に見つかって、傷だらけじゃないかって声をかけられるの
2017-03-24 15:25:51でも血塗られた自分を見られたくなくて、逃げようとするけれど痛みを感じないだけで身体にはダメージが蓄積されてて足首とか、よく見たら千切れかけてて動けないの。手には血だらけの刀を持ってて。どうしよう、嫌われる……この人はクラスで見せてた明るいだけのわたししか知らない…って悲しくなるの
2017-03-24 15:27:49それでさっきまでその野原で実は千本使いと戦ってて、その時の姿全部見られてて、その上で声をかけてくれた。大丈夫?どうしてこんなことに巻き込まれてるのって。優しくされたわたしはほだされて、ある日能力に目覚めて、その力で力を持つ人たちを狩ってるってついいっちゃうの。受け入れてほしくて
2017-03-24 15:30:38ずっと一人で戦ってきたからきっと寂しかったんだと思う。だから暗い面も認めてくれたら、わたしはまた最後にまともな人間にもどれるかもしれないって。いつか戦うことが快感になって、故意に能力者と出会い、襲ってくる相手なら罪悪感なく斃せるから、わたしはそれが喜びなのって伝えちゃうの
2017-03-24 15:32:33こんな暗い心の持ち主なの、嫌いでしょ、嫌うでしょ!ってクラスの男の子に泣きながら叫ぶの。でもその男の子は、アリスのこと受け入れるよ、ずっときみが好きだったからって抱きしめてくれるの。わたしは嬉しくて抱き返す。ああ、もう争いはやめようって涙をこぼしながら
2017-03-24 15:34:22でもその瞬間、わたしの両手両足は捻れて千切れたこよりのように飛んでいっちゃう。なにがおきたのっておもったら、抱きしめてくれてたはずの男の子が楽しそうな顔で見下ろしてるの。自分の能力は心を許した相手と抱き合うと、その者の能力を奪えるんだって笑いながら語ってるの
2017-03-24 15:36:25そして抱きしめた相手の身体を自由にできるって付け加えて、わたしの服に手をかけてくる。ずっと好きだったんだって。能力も奪われて両手両足もなくなって、わたしは少しずつ蘇ってくる激痛に声は出なくなるのに涙が止まらなくなる。助けて助けてっていうのに男の子は笑いながら服を脱がしてくる
2017-03-24 15:38:44死んでもいいし生きて泣き叫んでてもいい、でも僕のものにしてやるっていいながら。どうしょうもないのかなって諦めかけてたら、さっき戦ってた時に体中に受けてた千本、長い針が肩に刺さってるのが見えた。そしてわたしはその千本にかじりつき、わたしの首にキスをしようとしてた男の子の目に突き刺す
2017-03-24 15:41:21男の子は耳をつんざくような絶叫をあげながら、目を抑えて倒れ込み、やがて動かなくなった。ああ、最後まで、こうなっちゃうんだな〜って青い空を見上げながら、わたしは小さくため息をつく。両手と体中の傷から血が溢れて、意識はどんどんと朦朧としてきた
2017-03-24 15:43:25顔を傾けると草原の上に血溜まりができて、草の匂いと土の香、そして爽やかな風の中、わたしは赤い湖の上に寝そべってる感覚を得る。ああ、なんて幸せなんだろう。やっと死ねるんだ。あの空の下。みんなと最後にあいたかったなっておもいながら
2017-03-24 15:44:55なんで能力者を狩ってきたんだろう。戦うのが楽しくなったから。でも最初は違った。そうだ。最初は友達を傷つけるような能力者を見つけて倒していこうと思ったんだ。友達を守るためだった。小さな自分の平和を守るために。そう願ってた。そう願って戦ってたんだ。なのにどうしてこんな
2017-03-24 15:46:51きれいな青い空……ひとりはこわいよ……主役になれない能力者なんて死に方はこんなものかな………ごめんね、みんな……悲しませちゃうかな…… そうつぶやいて目を閉じると、わたしの意識は深い闇にのまれて、二度と目覚めることはなかった
2017-03-24 15:48:53「アリスさん。黒栗鼠アリスさん」 「……はっ!?」 身体を揺すられ、わたしが目を覚ますとそこは真っ白な部屋のベッドの上だった。 「ここは。わたし、どうして」 「混乱するのも無理はないです」 ベッドの横に立つ女は部屋と同じく真っ白な衣装を身に纏っていた。
2017-03-24 15:56:54白衣のように見えて医者を連想したが、よく見ふとレースが散りばめられた衣装と膨らんだスカートを着ている。ロリータ風という出で立ちだ。彼女は寝ているわたしに背を向け、何かステッキのようなものどこからか取り出した。 「混乱してます。わたし、確か……」 その時、刻まれた死の記憶が蘇る
2017-03-24 16:00:17「そう、アリスさん。あなたは一度死にました」 やっぱり…… わたしは声もなく呟き、両腕で震える身体を抱きかかえる。 「それは無残にもね。なんの意味もない戦いの果てに」 「戦う意味……」 「これからは違います。あなたには戦う理由も意味も与えられる」
2017-03-24 16:02:21「ま、待ってください! 何を言っているか、さっぱり──」 女は素早く振り返り、その手の杖をわたしに向けてくる。まるで居合の達人ような隙のない動きで。もっとも、わたしは居合の達人を見たことないので、そんな動きだろうという想像でしかないが。 「あなたはこれから三人の命を奪います」
2017-03-24 16:05:15「ど、どういうことなんですか! 説明をして!」 「三人殺せたら合格です。失敗したら、今度こそあなたは──」 女は楽しそうに笑みを浮かべ、わたしの頭を杖で殴りつける。ぽかんと情けない音が響く。音は情けないが割と痛かった。 「な、なにするんですかぁ……!」 「行ってらっしゃいませ」
2017-03-24 16:07:58「頭痛かっ……はっ!?」 顔に吹きつける乾いたビル風。女に怒鳴ったつもりの、わたしはいつの間にか高層ビルの屋上に立っていた。 「な、なんなの。どういうことなの……」 「ねえ、キミ──」 背後からかけられた突然の声に、わたしは振り向くと同時に後退し、左手のひらに拳を当てる。
2017-03-24 16:11:01「あなた、誰ですかっ…!」 「驚かせちゃったかな、はは」 能力者狩りをしていた割に意外と気の小さいわたしは、かなり腰が引けている。声も相当上擦っていた。 わたしほんのりなさけない…… 「驚いたのはいいけど、質問に答えてっ!」 「うん。多分君と同じ境遇のものだよ」
2017-03-24 16:13:06