テシナプス番外編　『同人即売会戦争』その１

たゆさい @tayusai

そろそろオリ妄想のエピソード垂れ流していくつもりですが今回の話は別に参加した事など一回も無いぼくがオリ世界の中とはいえ恐れ多くも同人イベントの内容を書くという命知らずな内容である為かなり違和感があるものだと思われます。予めご了承ください

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テシナプス番外編　『同人即売会戦争』

たゆさい @tayusai

ヒルデン首都「教都市」の郊外にある市民ホール。時刻は深夜であるにも関わらず複数の人間がホール前の広場でテントを張っていた。彼等はこの市民ホールで開催される予定の中規模な同人誌即売会を目当てに集まった者達である。では何故深夜から待機するのか？　１

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彼等はこのイベントによって頒布される同人誌を買占め、それをインターネットで転売し利益を得ようとする外道行為を行う不逞の輩達なのだ。「おい転田。調子はどうだ？」徹夜メンバーの一人、転田の隣で座る男、瓜山がアサルトライフルのメンテナンスをしながら話しかけた。２

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「調子も何もどうという事は無い。いつでも襲撃に備えてるぜ」転田もライフルをチェックしている。「ははは、それなら一安心だな。まあ護衛のメイジもいるんだ。十分買えるだろ。物さえ手に入りゃ後は適当にネットに流すだけさ。値段増し増しでな」瓜山はげひひと虫歯だらけの歯を見せて笑う。３

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「そう簡単にいきゃあいいがな。それに俺は最近思うんだ。こんなしょぼい事して生きてる自分が情けないってなぁ」「何だそりゃ？ ここまで来てビビッてんのかお前？ 俺達ゃこうでもしなきゃ生きていけないって事ぐらい分かってんだろ」「まあな」転田は自嘲気味に笑った。４

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実際全盛期と比べ彼等転売屋のビジネスの下地は大きく揺れていた。ヒルデンが三鴉政権になって以降、公序良俗を正す為というお題目の為にアニメ、ゲーム、映画など様々な娯楽分野が政府からの弾圧を受けるようになり、また生産者階級の非人道的労働の奨励で消費者の減少も加速化している。５

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この為今では転売業者はすっかり減少した娯楽産業を行う企業や同人サークルが産み出す作品を本来の客から奪い取る以上の存在でしかなくなったのだ。「だけど思ったより平和だな。このまま会場まで何事もなく行くんじゃねえか？」瓜山が言う。「そうだと良いんだが……」転田が答えかけたその時。６

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ズガンッ！突然の銃声！「バァッ！」転田と瓜山の近くにいた転売野郎の一人の頭が潰れたトマトの如く弾けとんだ！脳味噌のカスが周囲に飛び散る！「来やがったぜ！」「戦闘準備ィッ！」徹夜組達は一斉にテント周囲に用意したバリケードに身を隠し銃を構える。７

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徹夜組達のバリケードからおよそ数百メートル離れた場所にある林の中にスナイパーライフルを構えた男あり。そしてその背後にはハンターの目をギラつかせた集団がいる。その中心には膝まで伸ばし二つに束ねた黒い髪と青縁の眼鏡が特徴的な女がいる。８

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この女こそＷＭＡメイジ管理部情報課長にして今回この転売業者狩りを主催したメイジである「影夢　好代」（かげゆめ　すくよ）である。すくよは眼鏡に内臓されたカメラをケーブルでポケットの中の携帯端末に接続。生放送配信サイトを介して全世界にこの『狩り』を生中継する。９

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更にすくよは自身が持つアフィリエイトブログにその場で記事をアップロードする。『今より「げぇむ」の殺戮実況！（『げぇむ』はすくよのハンドルネームだ）転売のゴミどもを皆殺しにするよ』瞬く間に増える閲覧者！生放送視聴！毀誉褒貶のコメントの数々。１０

たゆさい @tayusai

「さてお前等。一匹殺せば１０万イェン。リーダー格ぶっ殺せば１００万払うぜ。さあウジ虫の駆除を始めるか！」「おうッ！」すくよの声に合わせ狂気に走る重武装の狩人達が吼え声を上げる。彼等はすくよがネットで募集した転売屋狩りの義勇兵達なのだ！１１

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「来たぞぉお！」「撃て撃て！」「怯むな！何としてでも転売するぞコラァ！」林から一斉に銃撃を開始する転売狩り義勇兵達に対し徹夜組達もアサルトライフルで応戦する！市民ホール前広場はまさに戦場と化した！　１２

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「がぁッ！」「クソッ殺られた！」「グレネードッ！」「右、来るぞ！」「ファック！」「あああああッ！」銃声と罵声、爆発と悲鳴が飛び交う！「オラァッ！」瓜山が転売狩りの一人をヘッドショット！「ナイスキル！」転田が瓜山を褒めながらライフルでもう片方の転売狩りを射殺する！　１３

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しかし、彼等の目の前に突如稲妻が出現！電撃を纏った爆発が発生！バリケードごと転田と瓜山を吹き飛ばす！「がああッ！」周囲に粉塵が立ち込める。「糞がっ」転田が辛うじて起き上がると、目の前、粉塵の中に長髪に眼鏡のメイジが立っていた。すくよだ。１４

たゆさい @tayusai

「あ、あああ……」転田はすくよの殺気のこもった目に怯える。「おい。お前も転売目的でここに来たんだろ？」すくよの眼鏡のレンズに文字が流れている。生放送で流れるコメントが見えるようになっているのだ。そこには「殺せ殺せｗｗ」「死ねや転売」「さっさと殺せよ」等のコメントが。１５

たゆさい @tayusai

「お、俺を、こ、殺すのか？」転田が思わずすくよに問いかける。「ああそうだ」「なんで？」「人の欲しい物横取りして金取ってるんだ。殺すには十分すぎる理由だろ」すくよは無表情に答える。そして太腿のホルスターから拳銃を抜き、銃口を転田に向けるとニヒッと笑いながら言った。「死ね」１６

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その時だ。突如転田の後ろから何者かがすくよの前に跳躍し、転田への銃撃を防いだ！「ちぃ、メイジか！」すくよは舌打ちする。「そうだ。俺は傭兵メイジの「デスレイン」だ」更にもう一人がすくよの前に現れる。「俺は「ブラックサニー」だ」またもう一人。「私は「ヘルスノウ」だ」３人組だ　１７

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「随分とご大層なネーミングじゃねえかおい？晴れ、雨、雪、じゃあ全員死ねばどうなるんだ？曇りにでもなるのか？」すくよは目の前に現れた転売側の傭兵メイジ３人衆を相手に全く怯まず、二丁拳銃を持ったまま独特な武術の構えを行う。マジックアーツ、ガン・スタイルだ。１８

たゆさい @tayusai

つづく